シニビトを倒したあと二人は取り敢えずカフェに入った。落ち着いた雰囲気のカフェ。
その窓際に座ったのだ。
「でー、さっきのはなぁにー?」
「…知らないようだな。さっき説明したとおりだぞ。」
考え込む鬼灯。
それはどこか神聖な雰囲気を感じた。
「人でなしって何ー?」
「さっきも説明したとおり殺意を操るものだ。政府公認でシニビトの駆除をしてる」「じゃあ、なんで発表されてないのー?」
不思議げに聞く鬼灯。
その表情は達観したような俯瞰したようなつまらなさそうな普段の鬼灯と違い、好奇心に溢れていた。
「俺達じゃないと対抗手段がないからだ。絶対怯えるだろ?そしてその怯えは殺意と変わる」
納得したように鬼灯は相槌をする。
確かに理に適っている。
「人でなしって私達以外にいるのー?」
「いる。何人かでチームを組んで守っている」
「質問はこれで以上か?」
鬼灯は頷く。
聞きたいことはまだあったが、あとでもよい。帰宅してログボを取りたいのだ。
「連れていきたいとこがある。質問に付き合ったんだからこっちにも付き合え」
鬼灯は顔を顰めたがまあ、仕方あるまいとも思う。移動中にログボは回収しよう。
「なにー?誘拐?」
そんな鬼灯の言葉をスルーし來は言う。
「俺のチームを紹介したいんだ。欠員が出たから探していたんだ。」
鬼灯は納得した。
だから自身に声をかけてきたのだ。
來とクラスメイトになって少しばかり月日は立っていた。
それなのに來は放置していた。
欠員がいなかったから補充しなくても良かったのだろう。
そして鬼灯と來はかなりの距離を歩いた。
二人は終始無言であった。
普通の人なら耐えかねない雰囲気ではあったが、鬼灯はソシャゲに夢中だったし、來は何かに警戒していたからお互いのことがどうでも良かったのだ。
「着いたぞ」
古びた空き倉庫。
それは時間を置き去りにされたような廃墟であった。
見る人が見たら思わず見惚れるようなそれを情緒もへったくれもない鬼灯はいきよいよく扉を開けた。
「ドッカーン!」
謎の効果音をつけ、滑り込む鬼灯。
そんな彼女を三人の男女が見下ろしていた
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お久しぶりです(。・ω・)ノ