テラーノベル
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毎日毎日一緒に話して、帰って、
好きだっていう気持ちが募っていった。
彼がいじめられなくなって、僕が標的になって、しばらくして、
涼の表情が豊かになったことで、学校で彼が人気者になった。
女子からモテるようになった。
「涼イケメンじゃない?!」やらなんやら。
至るところから涼の名前が聞こえた。
僕とは違う。
近づいた途端に離れられる僕とは違う。
涼を好きだと自覚した時点でわかっていた。
自分のことを気にかけてくれてるのは、同情だって。
ほっといてほしかった。
こんな醜い僕のことなんか。
嫌いだって突っぱねてくれればよかったのに。
自然に涼との間に壁を作った。
出来るだけ怪しまれないように。
涼に迷惑をかけないように。
しばらくして、涼が僕に関わらなくなった。
同時期、涼に恋人が出来たと知った。
その恋人は、僕の弟だった。
信じたくなかった。
信じられなかった。
いつも僕から何かを奪っていく弟が好きな人まで奪っていくなんて。
涼は愛しそうに弟を見た。
美男子同士の二人は、傍から見てもお似合いだった。
弟が妬ましかった。
疎ましかった。
なんで、あんなに僕のこと熱い視線で見つめてくれてたのに、弟なの?
僕はもういらないの?
誰からも愛されないの?
ずるい…
ずるいずるいずるい
誰か、愛を教えて…
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