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そう思い、死体場に向かって歩いて行くと、後ろから妙に間延びした声が聞こえた。
「三途ぅ〜、?なぁにしてんの〜?」
振り返ると、其処に梵天幹部、灰谷蘭が居た。
「何もしてねぇわ、」
「もしかして、スクラップ〜?じゃ、俺も一緒に行くわ〜、♡」
「……。」
聞きながら背を向け、再び死体場に向かって歩き出す。そして死体場に着くと、愛刀を取り出し、裏切り者の側へ行く。ふと振り返ると面白そうに此方を見ている灰谷蘭と目が合った。
「〜、♪」
「……。」
鼻歌か、…。
「〜、−~、♪
さっきからこっち見てるけど、どう
かしたァ〜、?」
「…何もねぇ……」
「ふゥん、?」
そしてさっきと同じ様に鼻歌を歌いながら上目遣いで此方を見てくる。
…その仕草、表情から、目が離れなかった。
無理矢理、裏切り者の方向を見たが、集中出来ない。先程まで黙っていた灰谷蘭が、急に喋りかけてきた。
「三途ぅ〜、俺がやろうかァ、スクラップ、。」
「…は、?」
突然の言葉に頭の回転が追いつかなくなる。固まっていると、ゆるり、と灰谷蘭が滑らかに立ち上がり、俺の方へ歩き出す。かつん、かつん、と高級そうな革靴が地面を叩き、俺のすぐ側までやって来る。
「…ッ……。」
何をするのかと身構えていると、するり、と手を絡ませられた。
そして、俺の愛刀を掴む。
「俺がやるよ、スクラップ〜、♡」
と言い、刀を振り上げたかと思うと、あたりに血飛沫が飛び散った。
「…、!」
「ぁは、結構使いやすいねぇ〜、
癖になる♡」
早、…!?ぽかん、と口を開け、目を見開いていると、その様子に気づいた灰谷蘭が此方に目を向けた。
「どお、?」
そう言いながら微笑み、刀を構えている姿は凛としていて、数秒間その美しさに見惚れていた。
「…凄ぇな、御前は、……。」
そう言うと、驚いた様に目を開き、やがて、ゆるゆると笑みを浮かべ、
「なぁに、今日はどうした
の〜、?」
と言い、また笑う。そんな姿を、俺はどんな顔をして見ていたのか。その時の俺は、知らなかった。まさか自分が、こんな奴に見惚れていたなんて、。