4月。
彼と出会ったのも、このくらいの時期だっただろうか。
なんとなく人生が嫌になって、
なんとなく海に来て、
なんとなく死にたくなって、
なんとなく溺死してみようと海に入った。
その時、桃色の彼が現れた。
『こんなところで何してるの?』
なんて言う君は、少しさみしそうな顔をしてたっけ。
赤『俺の人生なんで。』
『親からもらった身体でも、死ぬときは勝手に死にます。』
そう言うと彼は
『俺、桃。』
と名前だけ名乗って俺を彼の家に連れて行った。
その後のことは覚えていない。
ただ、泣きじゃくってそのまま寝た。
それだけ。
いつの間にか彼と一緒に暮らすことになって、
いつの間にか、お互い好きを伝える関係になって、
いつの間にか、彼がいないと生きていけない体になっていた_______。
桃『赤、かわいいね。』
赤『ばっ、///』
桃『赤、好きだよ。』
赤『……おれも。』
桃『やんきゃわいぃ…♡』
赤『きもい!離れろ!』
桃『むり♡』
桃『絶対離さない。』
そして、いつの間にか、
桃『………………』
俺の大好きな彼は、
薬指の指輪だけを残して
死んでいた________。
『曖昧』
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