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ただ好きな人に好き嫌い左右されちゃうカメレオンッピが見たかったんですよ
恋人が変わるごとに好み変わっていくのなんか可哀想ですこ
あ、魔主役です
ci視点
シャオさんとショッピが付き合ったらしい。
まぁ前々から「どうせシャオさんは女の子が」とか「女子に生まれればシャオさんに」とかなんとか言われてたためそのうじうじが無くなるなら喜ばしいことである。
シャオさんも絶対ショッピのこと好きやんって感じてたし。気づいてないのは本人たちだけだ。
「あれ、ショッピ何聞いてん?」
「ん?シャオさんから教えてもらった曲なんよ。ボカロの曲でなぁ」
「ふーん…?この前ショッピそういうノリノリすぎるのと病み曲は好きじゃない言うてなかったっけ」
ショッピの動きがぴたりと止まる。
あ、まずい地雷踏んだ。
「…好みが、変わったんよ」
「そ、そか…」
シャオさんのことを好きになる前のショッピは確かしっとりとしたバラードが好きだった。
それなりにモテるショッピは今までも何人か元カノだったり元カレだったりいるわけだが。
ショッピは好きな相手の好みに染まる好き嫌いカメレオンで、バラード好きはいっこ前の彼女の好みだったはずだ。知らんけど。
「ふんふ~ん…♪」
ワイヤレスイヤフォンを耳にかけ団長の椅子に座って曲に合わせてメロディーを口ずさむショッピ。
心底幸せそうに曲を覚えているのでまぁこいつが良いならええか、とも思った。
「ショッピ~ちゃんと書類せぇよ~」
「あーい」
やらなそうやな…。
まぁあいつが久々に人と付き合えたんは喜ばしいことだ。
ショッピの書類半分やったろ。俺やさし~。
「…なぁチーノ」
「ん、どないした?」
「相談とかさ、いっぱい聞いてくれてありがとな」
ええ性格しとるわこいつ、のお手本のようなひねくれた性格のショッピからの素直な言葉に目を見張る。
「なんや、珍しいやんけ」
「うっせ~」
「ま、ええよええよ。親友の悩みくらいならいつでも聞いたるよ。あ、惚気はごめんやけどな」
「……ん、ありがと」
控えめに笑ったショッピはイヤフォンの電源を切ると寝袋で昼寝を始めた。
シャオさんに魔インでショッピが師団室で寝とることを伝えると、10秒後扉が開く。
マジかこの人。
「お~寝とる寝とる…」
「シャオさんこいつ連れて帰ってくれます?シャオさんのおうちにお持ち帰りでも良いんで」
「ええんやw ま、ありがとなチーノ。また明日」
ショッピを寝袋から出して姫抱きしたシャオさんを見送ると、入れ替わるようにゾムさんや大先生が入ってきた。
「書類仕事手伝ってくださいよ~」
「ヤダめんどい」
「右に同じく」
こちとら先輩やぞワレ。ちゃんと手伝わんかい。
しゃーなし。ロボロさんにやってもらお…。
シャオさんとショッピが別れたらしい。早いて。
別れを切り出したのはシャオさんかららしい。
「ちぃのぉ~…ぉ、おれ、なんか嫌われることしたかなぁ~…」
「とりあえず食えおまえ、話はちゃんと聞いたるから」
ファストフード店でハンバーガーを特別に奢ってあげた放課後。
席に着くなり泣き出したショッピを慰めつつハンバーガーを頬張る。
「別におまえが悪かったわけとちゃうやろ。俺から見てればどっちも好き同士やったように見えるし、おまえがシャオさんの気に障るようなことするとも思えんし」
「…ほんまぁ?」
「ほんまよ。ほら食いや、冷めるで」
「……、ありがと…」
涙目でハンバーガーをちびちび食べ始めるショッピを見てちょっと安堵する。
食欲があるなら大丈夫やろ。
「…おいしぃ、」
「せやね~」
少し笑うと目を擦ったショッピが話しかけてくる。
「なぁなぁ、チーノが好きなゲームってなんやったっけ?」
「え、●●っていうゲームやけど…」
「マジ?俺も好き!」
「……、え」
ちなみに俺が言ったのはバチバチの格ゲーである。
確かショッピはのんびり育成とかする系のゲームが好みやった気がすんねんけど。
「チーノの好きな漫画は?好きなアニメは?好きな食べ物は?全部教えてや!忘れてることもあるかもしれへんからいっぱいな!」
ショッピは屈託のない笑顔を浮かべる。
この笑顔は知っている。
普段から無表情か嘲笑くらいの表情しか作らないショッピが、好きな人にだけ向ける笑顔。
「……まぁ、ええけど」
「んふ、ありがと!」
これ俺ショッピに好かれたな。何こいつ惚れっぽすぎるやろ。
「チーノのハンバーガー一口くれへん?」
「ええよ、はい」
「…ん~、うまぁ~♪」
どうしよっかねぇ、こいつ。
本当に好きなんですこういう子
可哀想で可愛い子が好き
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