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元貴 side …
「元貴、今朝の話なんだけど…本当のこと、言って欲しい。」
若井は真剣な眼差しで俺の方を見ながら発した。ドクンッと鼓動が鳴るのがわかった。こんなこと言ってしまっていいのだろうか。言ってしまったらもう終わってしまう気がする。つい考え込んでしまって、言葉が詰まる。若井はただ俺の方を静かに見つめる。その瞳には彼の真剣さが映し出されているように見えた。
「っ…」
「嘘はつかないで。」
若井はこれだけ俺の事を思って聞いてくれているのに、何も答えられない自分が情けない。言わなきゃいけない。分かっているのに言葉が出てこない。言えない。あなたのことが好き。それだけを言えばいいだけなのに。だめだ。
感情が高ぶってしまったからか、何故か涙が溢れた。そんな俺を見て若井は動揺している。
「…若井ッ俺ねッ…?」
「うん」
若井は俺の背中を優しくさする。その優しさに、そのあなたからの愛情に、更に好きになってしまう。俺は深呼吸をして若井に伝えた。
「俺ッ…若井のことッ…好きになっちゃったッ…」
ああ。言ってしまった。でもこれでいいんだ。もう苦しいのは終わる。やっと気持ちが晴れる。若井は驚いたような顔で俺を見つめる。あーあ。振られちゃったな。全てが崩れかけていくように思えたその時だった。若井が強く俺のことを抱きしめてきた。その感覚に頭の中が真っ白になる。頭の中にあった良いことも悪いことも、全て抜けていくように思えた。それと同時に肩の力が抜けて、少し楽になるように感じた。ぎゅうっと更に抱きしめてくる若井の優しさに、更に涙が溢れる。
「…若井ッ、?」
「ありがとう。元貴。」
優しい若井の声に心が安らぐ。若井がゆっくりと抱きしめる力を緩める。ゆっくりと若井が離れて、顔を合わせる。恥ずかしくてすぐに目を逸らしてしまいそうになる。だがその瞳は真剣で、どこか愛を感じた。
「俺ずっと勘違いしてた。元貴は別で好きな人がいて、その人のことで悩んでるのかと思った。」
若井は照れているのか、少し笑いながら話す。
「俺も元貴のこと好きだよ。」
「…え?」
突然の若井の告白に戸惑いが隠せない。若井は俺の事が好き?どう考えてもおかしい。これってつまり両思いってこと?俺は若井に問いかけた。
「…本当に?」
「うん。元貴信じてないでしょ。元貴はそうやってすぐ自分のこと否定する。俺の気持ち、気づいてなかったでしょ…?///」
「…うん///」
そういうと若井は、深呼吸をして話す。
「本当だって証明した方がいい?」
若井の言葉を不思議に思いながらも興味が湧き、俺は首を上下した。すると若井は分かったといい、俺の顔を優しく掴む。驚き若井の名前を呼ぼうとしたその時だった。若井が俺にキスをした。その一瞬だけは、部屋の中に響いてたワイドショーの音も、雨の音も全て消えて無音になった。若井がゆっくりと唇を離す。
「…え?///」
「これで俺の思いは伝わった…?///」
若井は顔を真っ赤にしながら聞いてきた。伝わったに決まってる。頭の中がグルグルする。若井が俺にキスした?これが若井の好きの表現ってこと?遅れて一気に体の熱が上がる。すると、黙ってた若井が口を開く。
「あの…元貴?///」
「…?///」
「その…もっかいしていいですか…?///」
俺は答える間もなく、再び若井に唇を奪われる。さっきのキスとは少し違って、長くて濃厚なキス。
さっきまで早く止めと思っていた雨だったが、今は止まないで欲しいと感じる。この幸せな時間が止まってしまえばいいのにな。
これで「umbrella」は完結致します…!!ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました🥹✨
次からは「泳がす貴方と泳ぐ僕」を更新していきますので、楽しみにしていてください!