17の誕生日の時森さんから余命宣告を受けた。何の病気だったかは忘れた。然しそんな事全く関係ない。余命は5年と一日ぴったり。私が死ぬのは6月20日、誕生日の次の日だ。
そして私の誕生日は一週間後に迫る。
暗い自室で後生きれる日数を指折り数えた。右手の人差し指が親指に着いた時、なんとも言えない脱力感と達成感を感じ、目を伏せた。
此れでやっと織田作のもとに向かえる。 其のことが嬉しくて微笑した。
でも、敦くんや芥川くんの成長を見届けられないのは、彼らが巨悪に立ち向かう時傍に居られないのは少々悲しい。
首元のループタイを緩めて天井を見上げた。嗚呼そう云えばまだ彼に何も恩返しできていないな。
あの低いシルエットに悪い口、暴力でしかものを考えられない頭脳。
少しばかし彼に会いたくなったので、私は荷物を鞄に詰めて彼の家のインターホンを鳴らした。
「やぁあ。一週間、泊めてくれないかい?中也」
「何で急に来たんだ。」
「いやぁ大家に追い出されてね」
「家賃払えよ」
中也は夕飯の咖喱を口に放り込みながらぐちぐちと話し始めた。彼との会話も後192時間で終わる。
因みに私は遺書を書こうだなんて湿っぽい事をするつもりは甚だ無い。待ちに待った死だ。遺書なんて書いたら死に後悔が有ると思われ兼ねないからね。
ただせめてこのつまらない人生の最後は片思いの彼の傍に居て、ほんの一寸でいいから色を付けたい。
「御馳走様」
私が食器を下げ、我が物顔でソファアに座り横たわると中也が何時もより低い声で「何か有ったのか」と聞いてきた。
私は勿論なにもないよ。と答えた。
彼は優しから、きっと私がもう直死ぬと知ったらぼろぼろ泣き始めるに違いない。
今そんな彼の姿は見たくない。
久しぶりにノベル書いたらやる気なくなったから取り敢えずここまで。あ゛ー誰か続き書いてー(笑)
コメント
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あぁぁぁぁ好きっ... 辛いなぁ...幸せになってくれ...