氷月と久しぶりにデートだ。僕は余命宣告されてしまった。癌が骨に移動してしまったらしい。氷月にはまだ言ってない。言うタイミングがないって言えば嘘になる。言えない。言いたくない。氷月との時間を壊したくない。
「氷月ー!」
「待ち合わせ時間の10分前ですよ。」
「氷月だって今来てるじゃん」
「….」
「久しぶりだね」
「そうですね」
「上映まであと1時間あるよ」
「適当に回りますか」
「そうしよう」
「面白かったね」
「羽京くん泣きすぎですよ」
「だって、まだ小さいのに、、お母さんのために、、1人で、、」
「あーまた泣かないでください」
「氷月は泣かなすぎだよ」
「演技だと分かっているので」
「面白くないなー。あ!観覧車あるよ!乗らない?」
「良いですよ」
「氷月、怖くない?」
「からかわないでください」
「んふふ。、、景色綺麗だね」
「そうですね」
「、、最期に氷月と入れて良かった」
「?何で最期なんですか?」
「……いや、なんでもない」
「、、そんな縁起でもないこと言わないでください」
「、、、、、うん、、ごめんね」
「分かれば良いんですよ」
「もし、、もし、僕が居なくなっても、、忘れないでね」
「、、今日どうしたんですか?」
「何でもないよ。氷月には幸せになってほしくて」
「羽京くんがいれば私は幸せですよ」
「、、、うん、じゃあ僕死なないようにしないと」
「死なれては困ります」
「うん、、、頑張るよ、、」
「もう着きますね」
「本当だ。」
「気を付けてお降りくださ〜い」
「送りますよ」
「平気だよ。僕男だし」
「私が送りたいんです」
「、、じゃあお願い」
「羽京くん、私を頼ってくださいね」
「え?」
「羽京くんは、1人で抱え込みすぎです」
「、、うん、」
「さあ着きましたよ。」
「氷月、じゃあね」
「またありますよ」
「、、、うん」
「それでは失礼します」
氷月、ごめんね
僕は静かな部屋で1人で泣いた
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!