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ティール
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コメント
5件
わあ…読んだよ、このお話…!😭💕💕 人魚姫の物語、知ってるけど「けちゃ」と「ちぐさ」の関係がすごく丁寧に描かれててもう胸がいっぱいになった… 声を失っても、想いを届けられなくても、それでも「君だから」って言われた瞬間、涙出たよ…😢💖 最後、夜明けに消えかけたけちゃが「ちぐ」って呼べたシーン、良すぎて何度も読み返した…。 すごく優しい気持ちになれるお話をありがとう。続きも絶対読みたいです!⋆♡
人魚姫 tgkty
月明かりが海を銀色に染める夜。
深い海の底で暮らす人魚ーけちゃは、誰よりも人間の世界に憧れていた。
「……いつか、見てみたいな。」
祖母が語る”地上”の話は、どれも夢のようだった。
青い空。
風に揺れる花。
そして、人間たちの笑顔。
十八歳になった夜。
けちゃは、ついに海面へと泳ぎ出た。
その時だった。
激しい嵐が海を飲み込み、一隻の船が大きく揺れる。
「危ない……!」
海へ投げ出された一人の王子。
けちゃは必死に泳ぎ、その身体を抱き寄せる。
岸まで運び、静かに砂浜へ寝かせた。
王子はまだ眠っている。
濡れた黒髪をそっと払いながら、けちゃは小さく笑った。
「……よかった。」
足音が聞こえた。
誰かが来る。
けちゃは慌てて海へと身を隠した。
王子が目を覚ます瞬間を見ることもできずに。
――その王子の名は、ちぐさ。
「……ここは……?」
目を開けたちぐさは、不思議そうに辺りを見回した。
「俺は……誰かに助けられたの…」
だが、その姿を見ることは叶わなかった。
ただ、潮風の中に残る温もりだけが、胸に残っていた。
⸻
それから毎晩。
けちゃは岩陰から、城へ帰るちぐさを見つめ続けた。
笑う顔も。
困ったように眉を下げる顔も。
誰かを気遣う優しさも。
気づけば、胸は恋でいっぱいになっていた。
だけど――。
人魚は、人間になれない。
声を届けることも。
想いを伝えることも。
海の泡になる運命だけが、静かに待っていた。
⸻
「人間になりたい?」
海の魔女は静かに笑った。
「その代わり、お前の一番美しい声をもらう。」
「それでも……いい。」
「歩くたびに、足は刃の上を歩くように痛む。」
「……構わない。」
「王子が他の誰かと結ばれれば、お前は朝日と共に泡になる。」
けちゃは迷わなかった。
「それでも……ちぐさに会いたい。」
魔女は笑い、紫色の薬を差し出した。
「契約成立だ。」
⸻
朝。
浜辺に倒れていた青年を、ちぐさは見つける。
「大丈夫?」
返事はない。
けちゃは、もう声を失っていた。
「……喋れないの?」
優しく手を差し伸べるちぐさ。
「俺の城へ来てよ!」
その笑顔だけで、けちゃは涙がこぼれそうになった。
⸻
声はなくても。
二人は少しずつ距離を縮めていく。
花畑を歩き。
夕焼けを眺め。
星空を見上げる。
「君といると、不思議と安心する。」
そう笑うちぐさに、けちゃは何度も頷いた。
けれど。
ちぐさは知らない。
自分を助けたのが、目の前の青年だということを。
⸻
やがて隣国との和平のため、
ちぐさは姫との婚約を告げられる。
「……俺には、国を守る責任があるんだ〜。」
苦しそうな声。
けちゃは笑顔を作って頷いた。
“大丈夫。”
そう伝えるように。
だけど、その夜。
海は静かだった。
⸻
「短剣を持ってきて?」
姉たちは言う。
「王子を傷つければ、お前はまた人魚に戻れる。」
けちゃは震える手で短剣を握る。
眠るちぐさのそばへ近づいた。
月明かりが、その横顔を照らす。
「……。」
好きだった。
誰よりも。
だから。
短剣は、けちゃの手から静かにこぼれ落ちた。
砂浜に触れた刃が、小さな音を立てる。
けちゃは眠るちぐさを見つめ、優しく微笑んだ。
(これで、いいんだ。)
君が生きていてくれるなら。
君が笑っていてくれるなら。
それだけで十分だった。
静かに背を向け、月明かりに照らされた海へ歩き出す。
あと一歩。
その瞬間――
「……待って、」
低く、それでいて震えた声が夜を裂いた。
けちゃの腕を、誰かが強く掴む。
驚いて振り返ると、そこには息を切らしたちぐさが立っていた。
「どこへ行くの…」
けちゃは首を横に振る。
それでも、ちぐさは離さなかった。
「俺、夢を見たんだ。」
苦しそうに息を吐きながら、ちぐさは続ける。
「暗い海だった。嵐の中で、俺は溺れて……。」
その瞳から、一筋の涙がこぼれる。
「誰かが必死に俺を抱きかかえて、岸まで運んでくれた。」
けちゃの肩が震えた。
「温かい手だった。」
「優しい笑顔だった。」
「ずっと思い出せなかった。」
ちぐさはけちゃの手を両手で包み込み、真っ直ぐに見つめる。
「……君、だったんだね、」
けちゃの瞳から、大粒の涙があふれ落ちた。
伝えたくても伝えられなかった想い。
届くはずのなかった真実。
そのすべてが、ようやく届いた。
「俺は、ずっと探していた。」
ちぐさはそっと額を寄せる。
「命の恩人を。」
首を振るけちゃ。
“違う。”
そう伝えようとするように。
けれど、ちぐさは優しく笑った。
「恩人だからじゃない。」
「君だから、」
その言葉に、けちゃは目を見開く。
「声がなくても、君の気持ちはずっと伝わってた。」
「笑う顔も、泣く顔も、俺の隣で見せてくれた全部が好き。」
けちゃは震える手で、ちぐさの服をぎゅっと掴む。
次の瞬間。
力が抜け、身体が海へと傾いた。
夜明けが近づいていた。
泡へと変わる運命が始まっていたのだ。
「待ってっ!!!」
ちぐさは迷わず駆け出し、その身体を強く抱き寄せる。
海へ落ちる寸前だったけちゃは、温かな腕の中で息をのんだ。
「離さない。」
震える声で、それでも力強く言う。
「もう二度と、君を一人にしない。」
その瞬間――
夜明けの光が二人を優しく包み込んだ。
泡になりかけていたけちゃの身体は、光の粒となって舞い上がる。
ちぐさは必死に抱き締めた。
「お願い……消えないで…」
光は二人を包み、やがて静かに収まっていく。
次にちぐさが目を開けたとき。
腕の中には、涙を流しながら微笑むけちゃがいた。
そして、小さく震える唇がゆっくりと開く。
「…ちぐ、」
失われたはずの声が、奇跡のように夜明けの海へ響いた。
ちぐさは目を丸くしたあと、安心したように笑う。
「やっと聞けた。その呼び方、気に入った、』
そう呟いて、もう一度強く抱きしめる。
朝日が昇る海辺で。
人魚と王子は、ようやく互いの想いを言葉にすることができた。
AIを参考に執筆しました。
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