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不幸な幸せ / nksr

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不幸な幸せ / nksr

1 - 不幸な幸せ / nksr

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2024年08月10日

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onkn / nksr

幸せのはずが、辛い。

センシティブ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


カチ、カチ。

視界は暗く、時計の秒針だけが響く。

何もやる気が起きない。

画面を見る気も、編集も、飯を食う気も。

全部やりたくない。全部、全部。

ただ天井を睨んで、呆れて、また睨んで。

もうどれだけの時間が経ったのかもわからない。

わかりたくもない。


最近ずっとこの調子だ。


別に辛いことなんて一つもない。

家はある。金はまあある。

友達だっている。恋人も。

なのに気が滅入って、あることないこと考えて、

いつもだったらスルーできることも、今では目にとどまってしまう。

そして泣いての繰り返しだ。

自分でも馬鹿馬鹿しいとは思う。

思うけど。

人間、感情には勝てない。

その感情を生み出してるのも、結局は自分だから。

諦めて、ただただ暗い感情にしがみついて。それしかできることがない。


「…うお…っ、なんや…?」

突如、通話がかかってきた。

現在、午前二時。

こんな時間に何の用だろうか。

着信先を確認すると、ニキからだった。


「…はい、もしもし?」

「あ、もしもしボビー?暇?話そー」

「まだ何も言ってないんですけど…」

許可なしにダラダラと話し始める。

それが彼らしくて、なんだか安心した。


「今何してたの?」

「今?特に…何も…」

「なーんだ、シコってんのかと思ったのに…」

「悪趣味すぎるだろ…」

最悪で最低な会話だ。

まあ、それが互いにとって心地よいのだろうが。


「ニキは?なにしてたん?」

「僕?僕は通話かけてたよ」

「そりゃそうやろな…じゃなくて前や。その前!」

見事な揚げ足というか、なんというか…


「ん?ああ、ボビーと話したいなーって」

「え、あー、そ、そう…」

無意識か。それとも意識的?

そんなラブコメかなんかに出てくるイケメンのセリフ言われてもな。

正直心臓に悪い…


「ねえ家行っていい?」

「補導されてまうわ…」

「わかった、ドア開けて?」

「…は?」

慌ててドアスコープを除くと、ニキがスマホを弄りながら突っ立っていた。


「お前歩きながら通話してたの!?」

ドアを開けて、ニキと目が合う。


「あ、やっほボビー」

目線を俺と合わせるなり、優しい顔で笑った。そうだよ、歩きながら通話かけた、とにこにこしている。


部屋に通して、二人で寝転がった。


「こんな夜中に…何かしたいことでも?」

「んー、いや特にないよ?暇だなって」

「フッ軽すぎだろ…」

暇だと言うだけで人に会いに来る。

しかも午前二時に。

まあ昼夜逆転している彼にとっては普通なのかもしれないが。

飲み物だけ出して、二人で飲んだ。


「ーで、ーーのとき…笑」

楽しそうに話している。

どの話も俺との話。

ここまで楽しそうに話されると、嬉しさが込み上げてくる。


この時間が。こんな幸せな時間が。


「…ずっと続けばよかったのに…、」


不意に口から出てしまった。

取り消そうにも、もう遅い。

ニキが少し驚いた顔でこちらを見ていた。

気づけば泣いていて。


「っ、ごめ…なんでも、ない…」

泣き顔を見られたくなくて、すぐさま俯いた。


「…どうしたの?」

声からでも伝わる不安と緊張。

「…いや、なんでも、その、…」

「なんでもなくはないと思う…、」

何とか楽にしてやりたいというニキの意思が伝わる。

でも、ほんとに何も無いんだ。

友達も家も金もある。

お前みたいな大切な恋人もいる。

なのに。辛いことは何もないのに。


「…なにも、なんも無いんや…、」

説明が出来ない。

息が詰まって、胸が苦しくなる。


「辛い内容がない…、なんも…なのに、」

泣いているからか、声が出ず、詰まって引っかかってしまう。


「…なるほどね」

それでも理解してくれたのだろう。

落ち着いた様子で俺の頬に手を添えた。


「辛い内容が見つからないからって、辛いって言っちゃいけない訳じゃないんだよ」

「思っちゃいけない訳でもない。誰かに何かをされることだけが辛さじゃないよ」

俺の横まで来て、手を握る。

僅かに震えている。ニキも怖いのだろう。



ずっと、残る幸せが、辛い感情を封じていた。

なんだか、幸せがあるから。と、突き放されそうな気がして。

そんなのただ弱いからだと、言われる気がして。

そんなのただの想像でしかなくて。

何か誰かにされた訳でもない。

自分の想像で辛いなんて馬鹿な話だ。

自分で自分を封じてた。


泣くことしか出来ない俺の頭を、ニキはそっと撫でた。優しくて、暖かい。

また涙が溢れかえった。



甘えられなくて寂しい、嫉妬の思いも、俺の身体は、脳は、辛いとして受け取った。

自分勝手すぎる自分に素直になれなくて。

そんな自分を無視し続けた結果、辛い感情だけが残った。


忘れてたんだ。自分のこと。




「うわ、…っ、ボビー?」


感情がぐるぐると渦巻く中、何とか抱きついた。

急な行動に慌てているニキが面白い。

そのまま力をどんどん強くする。

殺す勢いで、寂しさを埋めるように。


「っは、寂しかったの?」


俺に応えるように強く抱きしめ返された。

多少苦しくはなるものの、それが心地よかった。


「っ…ふ、んっ…」

抱きしめる力を少し弱めて、その代わりに唇に噛み付いた。

互いの吐息が漏れて、水音が部屋中に響く。甘ったるい声が脳を溶かす。

口を離すと、ニキが少し驚いた顔で顔を赤くしていた。


「ふは、どーてーだ童貞」

「ったく…したいならしたいって言えばいいのに…笑」


「…いい?」

ベッドに押し倒されて、視界が揺らぐ。

下から見てもイケメンやな。


「…きて?」

「どこで覚えたの…」

何かに耐えるように顔を逸らして、俺の方を見て。

ちょろい奴だ。


「ニキが教えたんやろ?」

「ふは、確かにね…」


「っ、う”っ…え…、?」

首辺りに電流のような痛みが流れる。


「ふは、にがーい…笑」

「そりゃそう…、やろ…っ、」

首に噛みつかれ、傷口を舐められる。

苦いと言いながら舌を出してくる。

俺の血液で赤く染まったその舌が、俺に興奮を覚えさせた。



「…っ、あ、…っ…はう、っ…♡」

「ボビーってこういうの好きなの?笑」

「や、ちが…っ、…んう…っ、♡」


服を剥ぎ取られた後、赤く存在感を出した突起物に唾液で濡れた手と舌で弄られている。


「ん…、♡…も、あ”ぁ”、ッ…♡」

「へえ…感じちゃうんだ…」

「う、っ…ちが…っ、♡」


「ん”ぁ”あ” ッ!?♡」

勢いよく弾かれ、腰が仰け反ってしまう。

「うおっ…ちょっと、腰動かさないで?」

そう言ってニキは体重をかけてのしかかり、身体の自由を封じた。


「や”ぁ”あ” ッ!♡ あ”う、… ッ ♡」

「…ふは、っ…笑」

満足気に笑うが、動きは止まる気配がない。

じわじわと広がる快感に足が震えて、情けなく喘いで。

男だっていう事実すら忘れそうだ。


「ん”う” 、 ッ… ♡あ” 、…あ”ぁ”~~ ッ ♡」

逃がせなくなった快楽に従うように果てた。

そっと舌と手を離され、身体が自由になる。


「…はっ、…♡ はーっ…♡」

果てた快感に浸る。 身体が痙攣して息が出来ない。


「…んふ、腰まだ揺れてるよ?」

「へ…? ん…♡」

「あはは、止めようとしないんだ?笑」

「っ、まあな…ニキこういうの好きやろ?」


快感に従う姿。

毎回この状態になるまで、意識が飛ぶまで行為を続けられる。

ずっと気持ちいいのに。何されても。


「っと…、なにそれ、ずる…」

顔がまたもや赤くなり、顔を逸らされた。

わかりやすい。


「…ふ、おっきくなった…♡」

煽るようにニキのソレを優しく撫でて、顔を近づけて嘲笑う。


「…煽りが上手だね。褒めてあげる」

「うお、っ!?」

身体を勢い良く投げられ、ベッドに転がる。


「いつまでその調子でいられるかな、♡」




「ふー、疲れたね…ボビー大丈夫?」

「大丈夫や。脳は。」

「ふ、身体は?笑」

「大丈夫に見えるか?」

「全く…笑」


行為後、ニキに担いでもらって風呂場まで運んでもらった。

湯の張ってない湯船に重力に身を任せて座り込んだ。

彼はシャワーを浴びながら、楽しそうに俺の事を見ている。


「っ…まだ中に残っとる…」

「ええ?結構外に出すようにしたんだけどな、おかしーな…笑」

「一回も外に出してないやん…」

「はいはい、後で洗ってあげる」

ちょっとまってて、とまたシャワーに戻った。


腹の中が暖かい。

俺ってこんなに幸せだったんだな。


友達もいる。家も金もある。

辛いことも当たり前にある。

幸せなことも当然。


辛いことがあるから、幸せが倍以上に感じられる。

彼といる時は当たり前に幸せだけど。



彼に会う度少しでも幸せが多く感じられるのなら、





辛いことだって受け入れる。








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