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他界隈スミマセン
あまりにもマイナーcpなので、少しでも誰かに届けば良いなという気持ちで投稿します
跡樺です
忍足さんも出ます(このポジは最初日吉若にする予定だった)
樺地の様子がおかしい。
「なぁ樺地?」
「…」
「樺地?」
「……ウス」
なんだか心ここにあらずといった感じだ。いつもならはっきり返事をするはずなのに、今日はすぐに返事が返ってこない。
最近調子が悪そうだとは思っていた。だがそれは、俺の眼力でようやくわかる程度のものだった。
「なぁ樺地、後で話せるか?」
「……ウス」
やっぱり歯切れが悪い。
「じゃあ、練習後、部室でな」
「ウス」
今日の練習はここまで、各自クールダウンを忘れないように。と跡部が言い、俺達は解散になった。
「なぁ樺地」
「ウス」
いつもの様に、一緒に部室まで帰る。
「お前、最近調子悪そうじゃねぇか」
「ウス……すみません……」
「謝れなんて言ってねぇ。なんかあったのか?」
部室の扉を開けながらそう問うと、樺地は黙ったまま俺の後について入ってきた。
「何か悩んでんのか?」
「……いえ」
樺地は、俯いている。
「俺でよければ相談のるぜ?俺様の眼力でお前が最近おかしいって事はわかってるんだよ」
「……スミマセン、大丈夫…です」
樺地の様子を見るに、とても大丈夫そうには見えない。
この俺に隠し事なんて今まで無かった。そんなに言いたくない事なのか。それなら無理に聞くのはよくねぇのか…?
「…まぁ、言いたくなったらいつでも言えよ。待ってるからな」
「ウス……ありがとう……ございます……」
そう言うと樺地は、着替えもせずに部室を出て行ってしまった。
「なんだよ……全部一人で抱え込みやがって……」
跡部は小さくそう呟くと、部誌を書き始めた。
……寂しいじゃねぇかよ。
この時、無理矢理にでも聞いておけばよかったのかもしれない。
次の日、いつも通り樺地と登校した。
「なぁ、樺……」
「……ウス」
まただ。今日も様子がおかしい。でも昨日の様子を見る限り俺には絶対話したくないといった感じだ。
「樺地、調子悪いなら今日部活休め」
「…大丈夫、です」
やっぱり体調とかの問題じゃねぇよな……。
「俺様は、お前が心配だ。そんなに言いたくないなら言わなくてもいいが、調子が悪いなら休む事も大事だ。いいな?」
「……ウス」
そうこうしているうちに学校に着いた。
「じゃあな樺地、学校終わったら先帰ってていいからな」
「……ウス」
樺地は、小さく頷いた。
放課後になり、部活の時間になった。
樺地は…よし、来てないな。
「おい跡部、樺地はどないしたんや?」
「あぁ、あいつは調子が悪そうだったから休ませたんだ」
「そうなん?珍しいな、樺地が調子悪いなんて」
「あーん?そんな日もあるだろ」
「まぁ一応樺地も人間やもんな、たまにはそう言う事もあるわな…」
「体調面ではなさそうなんだが…まぁ気にしてやってくれ」
「せやな、わかった。なぁ跡部、ちょっと打ち合いせーへん?最近跡部と打ってへんかったやろ」
「そうだな……まぁいいぜ、俺様の美技に酔いな!」
「あーはいはい」
俺は、忍足の打ち合いに付き合った。
だが、どこか上の空だった。
「なぁ跡部…お前も調子悪いんとちゃう?」
「あーん?俺様が?そんな訳ねぇだろ」
と言うが、あまり練習に身が入ってない事は自分でもわかっていた。
「いや、いつもやったら…うーん」
忍足は俺の額に手をあてる。
「なんだよ、熱なんてねぇよ」
「……いや一応な、やっぱ熱とかじゃないわ。それにしてもあの跡部が不調なんて珍しいな。かわええとこあるやん」
「あーん?何言ってんだよ。俺様が不調なんて有り得ねぇんだよ、次だ次!」
「はいはい…あ、もしかして樺地がいなくて寂しいんとちゃうん?」
忍足は、ニヤニヤしながらそう聞いてきた。
「あーん?樺地は俺が休ませたんだよ。寂しいわけねーだろ」
「ふーん……まぁ、そう言う事にしといたるわ」
忍足は俺の頭を撫でながらそう言った。
「おい、何すんだよ…」
「いっつも樺地にやってるやろ、それの真似や」
そう言いながら忍足は、撫でる手を止めなかった。
「おい……そろそろやめ、」
その時、突然巨大なものが俺たちの間に割り込んだ。
「樺地…?」
そして忍足を睨みつける。
突然の事に俺が驚いていると、「あーすまんな」と言いながら忍足は俺から離れた。
「……ウス」
樺地はそれだけ言うと、俺の腕を引いて歩き出した。
「おい……っ、なんだよ急に…休めって言っただろ?なんでいるんだよ」
「……」
樺地は何も答えないまま、ただ俺の腕を引いて歩いている。俺はそのまま連れていかれるしか無かった。
部室に着くと、樺地はやっと止まった。そして俺を椅子に座らせる。
「おい、お前なんだよ……」
「……跡部さん」
樺地は、やっと口を開いた。
「あーん?なんだ?」
そして樺地は俺に一歩近づくとそのまま俺に抱きついた。強く抱き締められる。
「おい、樺地……?」
「……スミマセン」
そう言いつつも離そうとしない。すると微かに体が震えている事に気が付いた。そして鼻を啜る様な音も聞こえた。
こいつ……泣いてるのか……?何故だ?何か理由があるのか?そう思った俺は、黙って樺地の頭を撫でた。しばらくそうしていると少し落ち着いた様だ。小さな声でこう言った。
「……跡部さん、俺……もう無理です……」
「……何がだ?」
「俺、ずっと悩んでて……でも言えなくて……」
樺地は、俺の肩に顔を埋めたまま話始めた。
「俺、跡部さんが好きです」
突然の言葉に俺は驚いたが、冷静に返す。
「そうかよ」とだけ言うと、樺地が続ける。
「……だから、跡部さんの側にいると…苦しくて仕方ないんです」
「苦しい?」
「はい、跡部さんが他の奴と仲良くしてるのを見ると……すごく辛いんです…」
俺は黙って聞いている。
「俺……跡部さんが好きで好きで仕方ないんです、でもこの気持ちを伝えても迷惑なだけだと思ってて……」
樺地はまた泣き出した。
「それで……ずっと悩んでて……っ」
「……そうかよ」
樺地がこれだけ喋るのも珍しい事だ。それだけ悩んでいたのだろう。
「俺…っ」
「わかったから落ち着けよ。とりあえず離してくれるか?」
樺地はゆっくりと俺を離した。
その瞬間、俺は樺地にキスをする。
「っ!?」
樺地は驚いたのか、目を見開いている。
「迷惑じゃないぜ?アーン?」
「え……あの……」
樺地は困惑した様子で、顔は真っ赤だ。
「可愛い奴じゃねーの」
俺はそう言ってもう一度樺地に軽くキスをした。
「あの、跡部さん……どうして……?」
まだ困惑している様子の樺地が俺に聞く。
「好きでもない奴にキスなんてするわけねぇだろ。俺の隣に1番長くいたのは誰だと思ってるんだ?嫌いな奴をずっと隣に置くほど俺様は優しくないぜ。確かに今まで恋愛的な意味でお前を見た事は無かったが、告白されて嬉しかったぜ。アーン?」
「跡部さん…」
樺地はまた泣き出した。
「おい、泣くな。お前は笑ってる方がいい」
そう言って頭を撫でてやると、樺地は小さくはいとだけ言った。そしてそのまま俺に抱きつく。
「あの……俺、跡部さんと一緒にいてもいいんですか……?」
「……当たり前だろ?俺様の隣はお前だけの特等席だ」
そう言うと、嬉しそうに笑った後、俺の胸に顔を埋めて静かに泣いた。俺はそんな樺地を優しく抱き締めるのだった。
「落ち着いたか?」
「……ウス」
泣き止んだ樺地は、小さく返事をした。
「ありがとうございます……跡部さん」
「気にするな」
そう言うと、俺は樺地の頭をくしゃくしゃと撫でた。すると嬉しそうに微笑んでくれるから、こちらまで嬉しくなる。そんな時だった。突然部室の扉が開いたかと思うとそこには忍足が立っていた。そういえばすっかり忘れていたなと思っていると、俺に抱きついてる樺地を見て驚いた様な顔をしているが直ぐにいつもの調子に戻った。そしてニヤニヤしながらこちらに近づいてくる。
「感謝しーや?跡部はあの時気づいて無かったんかもしれんけど、俺は途中から樺地が見てることに気づいとったんやで」
「お前…まさか俺の頭を撫でたのはわざとだったのか?」
「さぁどうやろな」
とはぐらかされる。
「良かったなぁ樺地、跡部に告白出来て」
と笑顔で言った。
「知ってたのか?」
「寧ろ、あそこまでわかりやすかったのに気づいてない跡部の方がすごいわ」
「…そうかよ。まぁいい。感謝しておくぜ、忍足」
「跡部にお礼を言われる日が来るなんてなぁ……明日は雪でも降るんとちゃう?」
「それはどういう意味だ?あーん?」
「別に〜まぁ気にせんといてや」
と言いながらも、まだニヤニヤしている。
「まぁなんだ……世話になったな、今度礼はするぜ」
「せやなぁ、まぁ楽しみにしとくわ」
そう言い残して忍足は部室を出ていった。
「樺地、そろそろ帰るか?」と聞くと「ウス」と言って荷物をまとめ始めたので俺も支度を始めた。帰り道、二人で並んで歩く。少しひんやりとした風が吹いているが、不思議と寒さを感じなかった。寧ろ心地いいくらいだ。「跡部さん」と隣から声がする。
「どうした?」
「……好きです」
樺地は、小さな声でそう言った後、俺の腕に自分の腕を絡めてきた。そしてそのまま俺を見る。俺はそんな樺地の頭を撫でたあと軽くキスをした。
「知ってる…俺もお前が好きだぜ、アーン?」
跡部様バンザイ🙌🙌🙌🙌🙌
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