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あの日から誠也の世話を始めた4人。
最初は大人口調だった誠也も、次第に子供らしい言葉遣いと態度に変わっていった。
『誠也くん、ご飯できたみたいやで!一緒に食べようや!』と晶哉が声をかけると、誠也はむすっと顔をしかめる
「……せいやくんやないもん。せーちゃん!せーちゃんって呼ばんと怒るで!」
《せーちゃんやもんな〜!せーちゃん、ここに座ってご飯食べるで!》と健がノリよく答える。
しかし……
「イス高い!!それに……バナナあるやん!せーちゃん、バナナ嫌いやもん!」
頬をふくらませて駄々をこねるせーちゃん。
〈せーちゃん、ご立腹ですな〜。俺が食べさせてあげようか?〉と良規が手を伸ばすが、「まさかど、イヤ……。」と即拒否。
その瞬間、良規の肩がしょんぼりと落ちた。
せーちゃんのわがままは止まらない。
【しゃーないな……せーちゃん、食べな元に戻らんで?戻らんでもええの?】と敬太が優しく言うと、誠也は少し考えてから、「……いやや。」と小さく呟いた。
【じゃあ、ちゃんと食べような!】
「ちゃんと食べる!でも……バナナ残してもええ?」
【しゃーないな、残してもええで!でも、それ以外は残したらアカンで。】
「……うん。」
わがままを言っていたせーちゃんは、ちゃんと椅子に座ってご飯を食べ始めた。
《偉いな〜。せーちゃん、ちゃんと食べれたやん。》
健に褒められて、ご機嫌になるせーちゃん。
「えへへ、当たり前やん!俺、大人やもん!」
〈じゃあ、せーちゃん!バナナも食べてみようか?〉
「……まさかど、きらい!」
その一言に、良規はしゅんとなる
『正門くん、どんまい!』
〈フォローになってへん……〉
笑い声が楽屋に広がる。
そんな賑やかな空間の中で、せーちゃんはふと思う。
(こんな日々も……悪くないな。)
小さくなっても、ここが“自分の居場所”だと感じながら。