テラーノベル
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すみません。お久しぶりです。
最近、多忙で全然投稿できておりませんでした。
多忙がまだ続くようなので、気長くお待ちください。
私にはチャットノベルより、こっちのノベルの方が性に合うと思ったので、こちらにしました。
見にくかったらコメ欄にてお伝え下さい。
それに日常より歴史を舞台にして考える方が得意なので、路線変更しました。
申し訳ございません。
―ATTENTION―
・明治時代を舞台としています。
・実際の人物、建物が出てきます。
・うp主はにわかです。
・コメ欄にて指摘、質問お待ちしております。
・設定を変えたキャラがおります。
―CHARACTER―(明治時代と現代では名前が変わっているので、苗字しか登場しません)
・無敵灘灑(長州藩)
・天宮留維(盛岡藩)
・鳳奈央樹(紀州藩)
それでもいいと云う方だけお進み下さい。
明治十三年、冬。
太政官庁舎の空気が、前年よりも明らかに張り詰めていた。
急進的な英国流議会開設の論に、政府内が大きく揺れる中、その動きを冷徹な眼で見据え、官制のすべてを己の掌中に収めようとする「長州の怪物」がいた。長州の権化、無敵である。
「……また、長州への割当が増えている。これでは我々の大蔵省案など、ただの紙屑同然。」
深夜の執務室で、鳳は内務省から回ってきた予算配分書を睨みつけ、憤りを隠せなかった。
かつて賊軍として戦った鳳にとって、長州閥が「有司専制」を進め、権力を身内で囲い込んでいく様は、かつての徳川大奥の腐敗よりも独善的に映った。
部屋の隅で外套を羽織った天宮が、冷めた紅茶を口にしながら、皮肉な笑みを浮かべる。
「今の政府は薩摩の巨頭・大久保卿を失って以降、完全にあの『長州の智嚢』に牛耳られてる。あの御方が一言『不可』と言えば、我々がどれだけ緻密に組み上げた地方救済の予算も、一瞬で国防と長州系政商への補助金に化ける。」
「貴方も東軍でしょう。悔しくないのですか。」
「悔しいさ。でも、あの男の恐ろしさは、ただの身内贔屓ではないところにある。」
天宮は立ち上がり、黒板に政府の権力図を描き殴った。
「きゃつは、参議の権限を強化し、各省の卿を自分の手足として動かせる仕組みを着々と造り上げている。誰かがどれだけ民衆の味方を気取ろうが、政府の『仕組み』そのものを握られれば勝てん。文字通り、国そのものを長州の型に嵌め込もうとしている。」
その時、執務室の扉が無造作に開いた。
現れたのは、仕立ての最高な夜会服に身を包んだ、一人の男だった。髭を綺麗に蓄え、目は細いが、その奥にある光は二人を値踏みするように鋭い。
「ほう、夜遅くまで大層な密談やね、若手諸君。」
その独特な長州訛りの声に、二人の背筋が凍る。無敵本人だった。
「なぜこのような末端の執務室に?」
天宮が質問するが、無敵は無視し、悠然と歩を進め、机の上にある予算修正案を指先で引き寄せた。
「君らが大蔵省で喧嘩しながら造った、地方の減税案やね。実に見事な出来栄え。旧幕の民政をよく研究しとる。」
彼はパラパラと頁をめくり、ふっと鼻で笑った。
「じゃが、これは不採用。時期が悪すぎる。今は一銭の猶予もない。」
「お待ちください!」
鳳が椅子を蹴って立ち上がった。
「これ以上、民に無理を強いるのは危険です。不満が高まれば、自由民権運動の暴動が起きます!」
無敵はゆっくりと鳳を見た。その顔から笑みが消え、底知れない政治家の威圧感が室内に満ちる。
「暴動が起きれば、鎮圧するまで。君は元幕臣やから、国の『形』が見えておらん。今、肥前らが言っとるような生ぬるい議会を今すぐ開けば、日本は内側から瓦解する。民に阿る暇はない。まずは強力な官僚機構と、天皇を中心とした揺るぎない憲法を造り、長州が、この無敵がすべての手綱を握って国を一本のレールに乗せねばならん。それに、土佐は投獄中じゃろう?」
その言葉は、傲慢でありながら、狂気じみたほどの使命感に満ちていた。国家を私物化しているのではない。国家そのものと一体化しようとしているのだ。
「盛岡の天宮も、不満か?」
彼が視線を向けると、彼は拳を握り締めながらも、冷徹に頭を下げた。
「…滅相もございません。ただ、その『レール』が急カーブすぎて脱線せぬよう、我々は数値を調整しているまでにございます」
「あっはは、さすがは水戸の子分やね。話が早い」
無敵は子供のように笑うと、修正案の書類を机に放り出すと、踵を返した。
「せいぜい励め。君らの細微な知恵も、俺が造る大きな国という器の、どこかには嵌めてやる」
高笑いと共に、無敵の足音が廊下の向こうへ消えていく。
残された室内には、巨大な権力の壁に叩きつけられたような、圧倒的な敗北感と静寂が残された。
「…諦める訳には行かない。あの男がどれだけ政府を牛耳ろうとも、民が死んでは国は残らん」
天宮は震える手で万年筆を握り直した。鳳もまた、冷え切った目を闇に向け、低く呟く。
「ええ。あの怪物が日本を買い上げるというのなら、我々はその足元に、絶対に無視できん楔を打ち込んでやりましょう」
長州閥という巨大な影が太政官を覆う中、二人の若き官僚の、声なき抵抗の火はまだ消えていなかった。
了
サキ(垢移転)
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コメント
1件
うわ、これは面白い設定ですね。明治十三年の太政官を舞台にした政治ドラマ、それも「長州閥 vs 旧幕臣たち」という構図がもう胸熱です。無敵の「国そのものを長州の型に嵌め込もうとしている」という台詞にゾクっとしました。あの高笑いと共に去っていく傲慢さ、権力の塊としての描き方が鮮やかで、鳳と天宮の焦燥と決意がよく伝わってきます。ここからどう抵抗していくのか、続きがすごく気になります!