テラーノベル
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気がついたら、俺は暗闇の中に立っていた。
一年「蒼馬ー!先行くぞーっ」
蒼馬「ちょっと!置いていくなよー!」
蒼馬が友達と楽しそうに走っていた。
楽しそうに笑みを浮かべる蒼馬の顔を見ていると、なんだか無性に心がモヤモヤした。
一人でぼうっと突っ立っているうちに、蒼馬が友達と暗闇の中に薄れていった。
裕翔「蒼馬———っ!」
俺ははっと目が覚めた。
見慣れた天井。外でうるさく鳴く蝉の声。
夢、、、か。
最近いつも同じ夢を見る。
暗闇の中で、仲間が一人ずつ減っていくような。
気持ち悪い夢の余韻に揺られ、また眠りに落ちそうになった時、すぐ隣で着信音が鳴った。
裕翔「はあい、、、」
寝ぼけ眼を擦りながら、俺は間の抜けた声で俺は電話に出た。
桃香『裕翔嘘でしょ今起きたの!?もうすぐ8時まわるんだけど!』
寝起きの耳に、桃香の声が鋭く刺さった。
、、、って、え? 8時?
ふと俺は時計を見た。 8時15分。
裕翔「やあっべええっ!!!」
桃香「、、、とまあ、あの時間に起きたにしたら、頑張った方なんじゃない?」
現時刻、8時50分。
あのあと俺は、朝食も食わずに、着替えて家を飛び出した。
自転車を思いっきり飛ばして、なんとか一限目のチャイムには間に合った。が、もちろん朝会も出てないから遅刻対象だ。
裕翔「い、、、一限、、、なんの授業?」
息を切らしながら、俺は隣の席の桃香に尋ねた。
桃香「んーとねー。」
ももかが答えるより先に、後ろにいた友達が割り込んで、叫んできた。
友達「一限、陸上科目だぞ!」
、、、よりによって、一番嫌いなやつ。
俺はこの後の地獄を考えて、絶望に浸った。
裕翔「づ、づがれだああ、、、」
俺は、一日のほとんどの体力を使い果たした状態で、体育館に向かっていた。
桃香「お疲れさん!さあ部活だぞ、キャプテン!」
隣りに並んで歩く桃香に鼓舞されながら、へとへとの状態でアップを済ませた。
蒼馬「先輩、大丈夫ですか?」
挙げ句の果てに後輩にも心配される始末。
なんだか悔しくなった俺は、少し強がって答えた。
裕翔「こんぐらいどうってことねぇよ。キャプテンがヘタってどうするんだよ。」
蒼馬「でも顔色悪いですよ?」
引き下がらない蒼馬にムッときた俺は、勢いよく叫んだ。
裕翔「大丈夫だ———っ、、、」
その時、ガクンッと膝が抜けて、訳がわからないまま俺はその場に倒れ込んだ。
蒼馬「、、、先輩?」
裕翔「そうま、、、?」
俺は寝かされていたベットから、ガバッと起き上がった。
蒼馬「あっ、そんなすぐ起きあがんない方が、、、」
心配そうに呟く相馬を横目に、俺はジャージを手にして立ち上がった。
裕翔「、、、うしっ。ほら、練習戻るぞ。」
蒼馬「え?もう戻るんですか?もうちょっと休んで行った方が、、、」
と言われても、俺はもうぐっすり寝て体力は回復しているはずだ。
裕翔「いい。もうぐっすり体は休まったからな。てかお前も、なんでずっとここにいたんだ?保険の先生にでも頼んでおけばいいものを、、、」
もうすでに、部活が始まる時間はだいぶすぎていた。蒼馬は1時間くらい俺に付き添っていたようだった。
蒼馬「うるさいです。先輩の心配しちゃダメなんですか?それに———」
普段見せることのない、何かを決意したような強い瞳で、蒼馬は、俺のことをまっすぐ見つめながら続けた。
蒼馬「それに俺は、先輩のこ————」
桃香「裕翔おきたーっ!?」
俺と蒼馬はバッと桃香の方を向いた。
桃香「裕翔!!急に倒れたもんだから心配したよー!練習戻れる?戻れるね?よし行こうっ!」
1人でやいのやいの騒ぐ桃香に呆れながら、俺は蒼馬の方を向いた。
蒼馬「あー、いや。なんでもないです、、、」
苦笑いしながら目を逸らした蒼馬に首を傾げながら、俺は保健室を後にして、体育館に戻った。
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