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「…冬弥、今日も来ないのかな…」学校の授業中、そんなことをふと思う。
授業に耳はほとんど傾けずにそのことを考える
「よし今日の授業はここまでだ」
…いつの間にか授業は終わったようだね
僕は誰もいなくなった教室で
メッセージアプリを開く
見ると、恐らく授業中に送られたであろう
メッセージがある。相手の名前は…「冬弥」だ。
『悪いが今日も行けなかった』
(…まただね)
彼は僕の後輩であり、恋人だ。
って来る。
なぜこのような連絡を取っているかと言うと
彼は今まで酷いいじめにあっていて、
そのせいで不登校になっている。
(気付けなかった僕も悪いんだけど)
とりあえず、『別にいいよ。冬弥が行きたい時に
行けばいい』と入力し、送る。
即既読がつく。
相変わらず速いねえ
『…類に負担かけたくないからあまり行きたくは
ないな』
と返って来る。
「…負担じゃないのに…」
そう呟きながら『別に負担じゃないよ。恋人なんだし、こうやって会えない方が辛いよ』と送る。
実際、来たい時でいいと言いつつも会えないことは辛い。
しばらくしてから
『…なら俺の家くるか?』と返って来る。
…唐突だね。
『いいのかい?』
と送ると
『…今週は家俺しか居ないので』
と返事が来る。
少し悩んでから
『わかった。今行く』
と送る。すると数秒後に
『鍵、開いてるので』
と返って来る。
少し歩いて冬弥の家の前に着く。
扉を開け、冬弥のいる場所へと直行する。
「冬弥、いる?」
類の部屋の扉を開けながら呼びかけると
「いますよ」
と聞こえてくる。
「…電気、付けるね」
「ああ。」
電気を付けると先程まで真っ暗だった冬弥の部屋が
眩しい程照らされる。
「…久しぶり、だな」
そう言う彼の目に生気はほんの少ししか感じなかった。
「元気そうで何よりだよ。」
と言いながら彼を抱き締めると一瞬の間の後、
彼がすり寄ってくる。
その姿を可愛いなぁ、と思いながら抱き締める。
「…辛いなら、学校来なくてもいいけどそのかわり
たまにここに顔出しに来ていいかい?」
「…それくらいなら」
案外すぐに許可が出た。
安堵のため息をしながら冬弥の目を見、
「冬弥がこれ以上傷付かない様にしたいのは僕の
エゴみたいなものなんだ。だからできるだけ1人で
抱え込まないで欲しいな。」
「…ああ、そうする」
そして数日間、他愛のない会話をしながら2人で食事をしたり、ただただ世間話をしたり…という日々は2週間程続いた。が、ある日、いつも通り冬弥の家に行くと靴が見当たらない。嫌な予感を感じながらも冬弥の名前を呼ぶ。
「冬弥ー!」
返事はしない。まさか、と思いながら冬弥の部屋を開ける。
僕がそこで見たのは…元よりぐちゃぐちゃになった部屋だ。
「まさか…!」
僕は勢い良く家を飛び出す。
そして冬弥の行きそうな所を手当たり次第に探すが見当たらない。
そして最終的にたどり着いたのが冬弥とよく行った公園だった。そして公園のとあるベンチに箱が置いてあった。
急いでそれに近付くと冬弥の字で
『類へ』
と書かれてあった。嫌な予感がしながらも開けると
そこには2人で撮った写真や類があげた
ネックレス、冬弥のマイク等の冬弥の持ち物が入っていた。
その一番下の紙には
『こんな俺ですまなかった。愛してる。またな 冬弥』
と書かれてあった。それが示す物は一つしかない。
「…冬弥…?君…」
悲しさのあまり何も発せなくなってしまう。
そして数時間後、夜になる。
ベッドに横たわっていた僕は立ち上がり、
走ってとある場所に向かう。
そこは__シブヤで最も流れが急な川だ。
そして僕は__躊躇なく川に飛び込んだ。
時間がたち、翌朝。
たまたま近場を通りかかった女子高生が類の遺体を
見つけ通報する。
そしてその近くには__冬弥の遺体もあった。
川の流れで同じ所に流れ着いたのだろう。
そしてその事はあっという間にニュースに流れた
「類…?嘘でしょ…?青柳くんも…」
「る、類くん…?それに冬弥くん…?」
「類…?冬弥…?」
「こ、これって…青柳くんと神代さん…!?嘘…」
「え…?冬弥…?それに神代先輩…?」
「冬弥!?神代センパイ!?」