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こういうのがマジで好きなんだよ…。あァ゙ー早く付き合ってくれ…いや…これで付き合わない終わり方も良い……。 続きが楽しみ!!
僕は1人、教室の中の隅にいて空気的な存在だ。でも、たまにトイレの個室に入って携帯をポチポチと操作しているときもある。
そう、僕は見ての通り゛陰キャ゛だ。元々、集団行動や人と接することが苦手だった。イジメられていたわけでは無いけれど、人と喋ることの楽しさがわからないのだ。両親や、数少ない友人ともあまりうまく話せていないし話せたこともない。まぁでも、関係は関係なので一応という感じだ。
さて、自己紹介も済んだところなのでさっそく本題へ参ろう。実は、今日から大学生なのである。デデンッ!!という効果音も一応言っておこう。そして、これからまた何の変わりもない日々が始まろうとしているのだ。これが僕には憂鬱だが……。小中高と突破している実績があるから少しは安心できている。どんな日々になるものか、僕には一切分からない。
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「…あ、あった」
僕はあまり目立たなくなるように静かに自分の教室へと向かう。教室に入ると僕は立ち尽くした。その部屋はとても綺麗で、清掃員の方か分からないがありがたい。実は、僕は典型的な潔癖症なのだ。そのせいで毎日手を何回も洗ってしまう。いつか手の皮が剥がれそうだ‥。
ドンッ
「いって‥」
その時、手の皮が剥がれるよりも恐ろしいことが起こってしまった。
後ろを振り向くと、そこには金髪で前髪を左右対称に分けていて耳にギラギラと光るピアスらしきものがいくつも開いていて僕とは真反対の完全なる陽キャとぶつかってしまった。
「あっ、ご、ごめんなさい。わざとじゃないんです…っ」
必死にそのぶつかった人に謝ろうとして頭を下げた。
すると、僕の頭の上に少し温かみのある平べったいゴツゴツとしたものが置かれた、と思いきや急に頭をゴシゴシと撫でられた。「えっ‥」と僕は衝撃と疑問でいっぱいだった。
「別に怒ってねぇよ。でも、次は気をつけんだぞ」
そう言われ、頭をガバっと上げると相手は驚いたのか少し目を見開いた。
「名前、、名前なんですか?‥」
僕は何故か咄嗟に名前を聞いていた。いつもの自分なら人との関わりが一番嫌いだ。それも陽キャが特に。でも、聞きたかった。
「水居奏斗だけど」
みずいかなと。彼はそういった。漢字も教えてくれた。顔がとにかく周りよりも整っていて輝いていた。男の中で1番かっこいいと思った。まず、僕は男の人にかっこいいなんて感情湧くはずもない。なのに、その気持ちが溢れた。
あ、僕は水居くんのことが好きなんだ。
本当の気持ちに気づいた瞬間、僕はとても驚いた。だって、だって……あの僕が好きになってはいけない陽キャ‥さらに同性に恋をしてしまった。
後で、友人にそれを話すと「お前が人を好きになるなんて……俺泣きそうなんだけど‥」と、親でもないのに泣かれそうになった。そして、「…うん、応援するよ」とまで言われてしまった。だから僕は頑張ろうと思う。この恋がどんな結果を待っていようと。
こんな僕だけど恋をして良いですか?