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見失った自分

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見失った自分

1 - 見失った自分

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2024年11月03日

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暗い話なので、読みたくなかったら見ないでください。




私の名前は石原美優姫(いしはらみゆき)

私はある日好きな人が出来た。

好きな人というか一緒に居てたのしいからきっと好きなんだと思い込んだ。

好きという感情があった訳では無い。

そして私は好きな人と思い込んで積極的にこうどうするようになった。

そうしているうちに付き合う事になった。    その時も私は嬉しいと思い込んだ。

その人とは付き合ってから好きと言われたこともないし、そもそも自分のこと好きなのかもわからない。何か恋人らしいこともしなかった。普通の友達だった。

やがて私は自分の洗脳にきづいていく。

本当にこの人が好きなのかと疑うことも多かったが、この人が好きなんだ!と言い聞かせて付き合っていた。

付き合ったのだけど、私の事好きなのかわからないので、ある日好きな人誰?って聞いてみた。彼は当ててみて、といった。だからまず同じ学校?と聞いた。私とその人は同じ学校だから同じ学校と言うと思っていた。しかし、その人の答えは違う、だった。ということは確実に私では無いことになる。私はその時完全に糸が切れたようにふと思った。

私はこの人の事好きなんじゃないんだ、と。

そして私はそこで別れよう、と伝えた。彼はあっさり許可した。やはり自分が好きではなかったのだろう。そして別れてからすぐにクラスの岩橋優くんが私の事好きなのでは無いかと思った。なんとなくだ。もちろん噂もあるのだけども。

すると案の定告白してきた。私は悩んだ。

ここでOKしてしまうと別れてすぐだから周りから軽い女だと思われそうだったから。周りからの評価は大事にしていたい。評価が悪くなると色々大変だから。

そして私は友達に相談してみた。友達は付き合えるものは全部付き合っとけ!嫌になったら別れればいいんだよ、といってきた。なので私は付き合ってすぐはあまり付き合ったことを周りに広めるな、といって付き合った。もちろん私はその岩橋が好きな訳では無い。彼は私の事がすごく好きらしく、毎日好きとか可愛いとか言ってくる。ここで何も言わない訳にも行かないので、私は彼のことが好きという恋人役を演じ続けた。好きでもないが優のことが大好きとかかっこいいとか伝えた。

ある日いきなり頭を撫でられた。そしてハグされた。私は驚いた。そしてわざと照れたふりをした。岩橋は幸せそうな顔をしていた。これでいいんだ、と私は思った。

そしてしばらくたつと次はキスを求めてきた。私はキスなんてした事ないのでやり方がわからないが、とりあえずOKしておいた。そしてファーストキスをした。

その後も何度もそういった恋人らしいことをした。私は毎回照れた振りをした。なんとも思わなかった。もしかして自分には恋愛感情が存在しないのではないかとまで思った。

なんだか自分はすごい裏切り者の最低なヤツだなとおもった。そう思うと自然に馬鹿らしくて笑えてきた。

そうこうしているうちに交際して1ヶ月たった。その頃には学年のほとんどの人に付き合ってることが広まっていた。今更別れれないな、と思った。

ほんとは好きでもないのに付き合って、恋人役として恋人らしいこともして、自分は何をしているんだろうか、と思うようになってきた。何がしたいのか全く分からない。そして未だに岩橋の前では好きとかいいあっている。本心でもないことを言って。そろそろ疲れてきたけど。

しばらくすると彼は毎晩電話をしてくるようになった。私はそれに応じた。毎晩の電話はいつも彼からかかってきた。今日可愛かったねとか愛してるとかほんなことを色々言われた。私は私も愛してるとか優のほうがかっこいいし可愛いとかいって返した。なんだか同じことばかりいって馬鹿らしいとおもった。でも元の関係に引き返すのもな、と思って演じ続けた。自分は愛されて嬉しいのだろうか。なぜ続けるのだろうか。

しばらくして岩橋は愛が重いのだな、と思うようになった。めっちゃ会いたいとか会えなかったから寂しいとか、ずっとみゆきのこと考えてるとか、とられたくないとかいっている。元彼とは何もしていないから普通がわからないが、恋人とはこんなものなのだろうか。私も相手に合わせて私もとかとられないよ!優しか見てない、とかそんな嘘を吐いて吐いて吐きまくって生きている。

また私はとんだ裏切り者だなと思って笑えてきた。これを知ったら岩橋はなんて思うだろうか。悲しむのか。それと同時にこんなことして生きてる私に生きている価値などないだろ、とおもった。

もう辛かった。そして思った。

死んだら楽になれるかな、と。

こんなに色々考えて生きるのも疲れてきた。嘘をつくのがしんどいのかもしれない。でもみんなは私が岩橋のことが好きだと思ってるから誰にも相談できない。そもそも周りの人が信じられない。すぐにバラすと思うし、引かれるとおもった。だから私は隠し通した。本当の自分を自分の中に閉じ込め続けた。なんだかしんどくなってきて、次第に本当の自分を見失ってきて、感情というか自分の考えがあまり出てこなくなった。前まで感動してた動画も本も泣かなくなったし、怖かったものも怖くなくなったし、嬉しいはずのこともなんとも思わなくなった。

なんだか息がしずらくなってきた。体を周りから押さえつけられてるみたいだった。自由に動けない。なんだか…辛い。そう思うとなぜだか涙が溢れてきた。なんでだろう。最近カラカラだった目が一気に涙で潤っていく。

私はその頃にリスカを知った。そして私はリスカをするようになった。リスカしてもあまり痛いと感じなかった。ただただ作業のように自分の手を切り刻んでいく。そして血が滲んでくる。そうしていると、ふと家族に相談してみようかと思った。でもやっぱり家族は昔から自分が頭がおかしいとかちゃんとしろ、普通にしろといってきた。ほんな人に言えるか!と思ってやめることにした。そんなことを考えていたら自分は普通じゃないんだなぁと思って余計苦しくなってきた。そんな馬鹿らしい自分に自嘲しながら今日もいきる。もう生きるのが精一杯。

たどひたすらに生きるのがしんどかった。死んだら楽になれると思った。どうせ死んでもなにもないし。だから1回屋上で飛び降りようと思って屋上の端にたった。死んだら楽になれる。

そう思ったのに。

体が思うように動かない。心が死にたくない、と叫んでいる。

その時思った。自分は本当は生きていたいのだ、と。

これが久しぶりに感じた自分の感情だった。そして苦しい日常へと踵を返した…。

そして今はいつものように辛い日常を生きている。毎日学校に行き、明るく振る舞い、岩橋といい感じを装って恋人役をして、真面目に勉強し、家族の機嫌取りをして、今日あったこと・思ったことをテラーノベルに書き記す。みんなからポジティブでうらやましい、悩みなんてなさそうといわれ、心がちくりとする。心が辛いと叫ぶ

そして今の私に至る。





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