きょもside
その日、何気なく事務所の廊下を歩いていた。
??「…京本くん?」
後輩から声をかけられることは滅多に無かったので
少し驚いてしまった。
振り返ると、どこかで見た事のある顔───
誰だっけ…
北斗「あ、いきなりごめんなさい。
松村北斗っていいます。京本くんのことよく周りから聞いてたのでつい…」
…そうだ。振り付け師さんが言ってた空手の子だ。
律儀な子だなと思いながら返事をした。
「大丈夫だよ。
…あ、北斗って呼んでいい?」
と俺が言うと、北斗は、はい…!と目を輝かせながら
嬉しそうに返事をしてくれた。
振り付け師さんが、ライバル登場だなんて言うから
どんな子か気になってたけど
どうやら俺の事は知っているようで、素直でまっすぐそうな子だ。
「北斗のことは担当の振り付け師からよく聞いてたよ
空手凄い子だーって。」
北斗「えっ!?そんなこと言われてたんですか?」
「うん笑
結構噂なってたんだよ、しかも入所2日目で少クラ出たんでしょ?」
なんか恥ずかしいなぁ…と照れ笑いする北斗は、
まだこの芸能界(せかい)に慣れてないのが見てとれる。
それから俺らは10分くらい談笑した。
この日を境に北斗は、俺によく話しかけてくれるようになった。
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