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このストーリー大好きです! 応援してます📣 続きが楽しみです!!
松田side
今日は萩とセリの敵討ちの日。必ずとっ捕まえてやる。
爆弾があるであろう72番のゴンドラ。
「ちょっと!松田くん?!」
「こういうことはプロに任せな」
『ちょっと失礼』
「セリ?!」
地上から離れる直前、セリが乗ってきた。
『はあ…何してんだか。君、担当じゃないでしょ?』
「セリだって違えだろ?!動いてんのは捜一だ」
『ここだけの話、裏で関わってんの』
そう言うとセリは爆弾を一瞥しどこかに電話をかけ始めた。
『もしもし。術式の使用はありません。非術師と乗り合わせました。彼が解体しています。はい。いざとなれば。では』
「術式、非術師ってなんだ?」
爆弾を解体しながら聞き覚えのない単語について問いかける。
『集中しなよ』
「…」
ドンッ
別のところが爆発する。
「チッ…水銀レバーのスイッチが入っちまっ
た」
『犯人はこれが狙いだね。近くにいるな』
解体途中、液晶に文字が現れた。俺は佐藤からの電話に出て、その文字を音読する。
「勇敢なる察官よ…君の勇気を称えて美を与えよう…もう一つのもっと大きな花火の在処のヒントを…表示するのは爆発3秒前健闘を祈る…これがたった今液晶パネルに表示された文字だ…どうやら爆弾を止めてパネルの電源が落ちると、2度とそのヒントは拝めなくなっちまうらしい…つまり奴は最初から警察の誰かをゴンドラに閉じ込めて、この文字を見せるつもりだったってわけだ…」
くじゃあさっきの爆発は…この近くに爆弾犯がいるのね?>
「この人混みの中から奴を特定するのは難しいが、もう一つの爆弾の在処の見当はついてるぜ….」
<え?>
「faxに書いてあったる[我が親友の首]って…円卓の騎士は中世ヨーロッパ!あの頃の騎士は大体、十字架がデザインされた仮面をつけてんだ…もう分かるよな?」
くびょ、病院の地図記号!?>
「ああそうだ!それが何処の病院かヒントを見たら連絡する…」
くれ、連絡するってヒントが出るの3秒前でしょ?>
「おっと、もう電池が切れそうだ….じゃあ
な..」
騒がしい女だ。俺は電話を切った。
『さっすが刑事さん』
緊張感のねえ奴だな。
「セリも分かってたろ」
『まあね。私が爆発直前で止めるから、連絡入れてね』
「ああ…セリ」
「ん?」
「この案件、本当に公安なのか?そうだったら捜一は捜査できねえだろ」
『そうだって言ってんじゃん。私の部署はちと特殊なの』
「何処だ?」
『…公安課』
「嘘つけ」
明らかな嘘だ。隠そうともしてねえ。
『さあ、そろそろ時間だよ』
俺は佐藤に連絡を入れる。場所は米花中央病院だ。セリは爆弾を止める。
『お疲れー』
「ああ」
『どうすんの?爆処戻んの?」
「犯人は捕まえてねえし、まだ居るつもりだ」
『ふーん』
聞いといて興味無さそうにすんじゃねえ。ただそれよりも大事な事を聞かなきゃならねえ。
「…セリ、もし俺が居なかったらどうするつもりだったんだ」
『爆発するつもりだったけど』
なんでもないようにセリは言い放った。
「馬鹿言ってんじゃねえ!死ぬ気だったってことかよ?!!!」
『ブーメランだって分かって言ってる?』
「つ、」
確かにそうだ。でもこいつは、どこか命を軽視している節がある。
『ま、生きてて良かったね』
「そうだな」
観覧車が動き出すまで時間がかかるそうだ。
『私のことは他言無用で頼むよ。何を聞かれても知らないで通してね』
「無理があんだろ」
『頑張って』
こいつ…他人事だからって…
セリのスマホが鳴る。
『はい。爆発は阻止しました。犯人は非術師ですね。人混みから発見できませんでした。ええ。前の爆弾から見られた置換術式の正体が掴めません。そうですね。了解です』
やはり聞きなれない単語。
「なあ、さっきから知らない単語ばっか聞こえるんだが、そりゃなんだ?」
『別に気にしなくていいよ。こっちの専門用語』
「ほおん」
なら知らなくても当然か。
『あ、そうそう。先降りてね。君達が感動の再会をしてる間にささっと姿くらますから』
「なんだ?感動の再会って」
『下の人達は松田が爆死するかもって思ってたわけよ。無事に帰ってきたら嬉しいもんでしょ』
「…そうか」
『そうだよ。そろそろだね」
「セリ」
『何?』
連絡を全くよこさなくなったこいつに1つ聞かなければ。
「…また、会えるよな?」
『…さあ。会えたらいいね」
「会いに行くからな」
『…楽しみにしてる』
「それから…」
これは絶対に言わなければいけないこと。
『ん?』
「死ぬな」
『ふっ…約束はできねーな。でもひとつ、私と約束してくれるなら、私も頑張るよ』
守れはしないかもしれない…そんな案件に今、お前はいるのか。
「なんだよ」
『命は大事にしな』
今まで見た事のない、厳しげで儚げな瞳が俺に向いた。
「…おう」
お前もな。そう言いたかったが、なんだが何も言えなかった。