テラーノベル
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メロい🍼💛と🍼🩷
仕事帰りの夜。
俺は一人で歩いていた。
ホテル街から少し外れた静かな道。
人通りも少なく、ネオンだけがぼんやりと夜を照らしている。
「疲れたなぁ……」
そう呟きながら歩いていた時だった。
街灯の下に立つ一人の男が目に入った。
黒いコート。
片手にはブラックコーヒー。
そして何かを考えるように遠くを見つめる横顔。
その姿に、佐野は思わず足を止めた。
綺麗だった。
男なのに、なんて言葉では足りない。
色気があって、儚くて、目が離せない。
気づけばじっと見ていた。
すると。
ふいにその人がこちらを向く。
ぱちりと目が合った。
心臓が跳ねる。
その人は首を傾げて微笑んだ。
「どうしたの?」
低くて甘い声。
たったそれだけなのに破壊力がすごい。
佐野の脳内は真っ白になった。
「え、あ……」
「俺、なんか変?」
「いや!」
反射的に否定する。
すると相手はくすっと笑った。
「じゃあなんでそんなに見てたの?」
その笑顔にさらに心臓がうるさくなる。
正直に言ったら引かれる。
そう思ったのに。
気づけば口が勝手に動いていた。
「綺麗だなって思って」
言った瞬間、終わったと思った。
しかし相手は驚くどころか少し笑って。
「へぇ」
「すみません」
「なんで謝るの?」
「いや、急に変なこと言ったから」
「変じゃないよ」
そう言ってブラックコーヒーを一口飲む。
その仕草さえ絵になる。
ずるい。
本当にずるい。
「コーヒー好きなんですか?」
佐野が聞くと、
「好き」
「ブラック?」
「うん」
「苦くない?」
「苦いよ」
「じゃあなんで飲むの」
「夜に飲むと落ち着くから」
そう答えてまた遠くを見る。
横顔が綺麗すぎて、俺はまた見惚れてしまう。
すると。
「また見てる」
「っ!」
「そんなに見る?」
「すみません」
「謝ってばっかりだね」
楽しそうに笑うその人。
俺はもうダメだ。
完全に惹かれている。
会ったばかりなのに。
「ねぇ」
「ん?」
「そんなに見られると照れるんだけど」
「え?」
「だからあんまり見ないで」
そう言われても無理だった。
「無理です」
思わず即答する。
今度は相手が目を丸くした。
「無理なの?」
「うん」
「なんで?」
俺は少しだけ笑って答えた。
「好きな顔してるから」
数秒後。
相手はふっと視線を逸らした。
「それ反則」
「え?」
「そんな真顔で言う?」
少しだけ赤くなった耳が見える。
初めて余裕が崩れた気がした。
「照れてる?」
「照れてない」
「絶対照れてる」
「照れてないって」
二人で笑う。
夜風が吹いた。
不思議なくらい心地いい時間だった。
もっと話したい。
もっと知りたい。
そんな気持ちがどんどん大きくなる。
「また会えるかな」
気づけば口にしていた。
相手は少し驚いてから優しく笑う。
「会いたい?」
「会いたい」
即答だった。
するとその人は手に持っていたブラックコーヒーを揺らしながら言う。
「じゃあ、またここに来るよ」
「本当?」
「うん」
「約束?」
「約束」
その笑顔を見た瞬間。
俺は確信した。
これはもう手遅れだ。
最初は綺麗な横顔に惹かれただけだった。
なのに今は、その声も、笑い方も、視線も全部好きになりかけている。
「またね」
そう言って去っていく背中を見送りながら、佐野は小さく笑った。
たった一言。
「どうしたの?」
その言葉だけで。
俺は、どうしようもなく恋に落ちてしまった。
えびぐらたん
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#ご本人様には関係ありません
コメント
1件
「好きな顔してるから」って真顔で言うの、反則すぎる…!😭💘 街灯の下でコーヒー片手に遠く見つめる横顔に惹かれて、声も笑い方も全部好きになっていく流れがすごく丁寧で、読んでてこっちまでドキドキしました。初対面なのに「また会いたい」って即答しちゃう気持ち、すごくわかる…。続きが気になります!