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😋side
やっと静かになった。
ゆうまくんが眠っている寝顔を見下ろしながらそう思う。
反抗しなくなった。
怒鳴らなくなった。
俺の顔を見て怯えなくなった。
——成功だ。
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誤解されがちだけど俺は衝動で動くタイプじゃない。
むしろ逆だ。
考えて、考えて、
どうすれば一番確実かを選ぶ。
だからここに来るまでにも時間がかかった。
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最初にゆうまくんを好きになったのは本当にただのきっかけだった。
笑い方とか、
声とか、
周りを和らげる空気とか。
でも気づいたときにはもう遅かった。
「欲しい」じゃない。
「いないと無理」だった。
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でもゆうまくんは俺を見なかった。
俺はただの年下のメンバー。
それ以上でも以下でもない。
だから普通の方法は最初から捨てた。
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距離を詰める。
頼らせる。
安心させる。
ゆうまくんが無意識に「ふみやがいれば大丈夫」って思うところまで。
そこまでは完璧だった。
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問題は外の世界が強すぎたこと。
メンバー。
仕事。
過去。
俺以外の居場所が多すぎた。
だから切り離す必要があった。
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薬を使ったのは正直、最後の手段だ。
暴力もできれば使いたくなかった。
でも逃げられる可能性があるなら潰すしかない。
失うくらいなら壊すほうがいい。
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ゆうまくんはちゃんと反抗した。
怒鳴って、
睨んで、
噛みつくみたいな目で見た。
それを見て少し安心した。
——壊れてない。
だから壊しすぎないように調整した。
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限界の一歩手前で必ず優しくする。
抱く。
撫でる。
名前を呼ぶ。
ゆうまくんが「俺しかいない」って錯覚するまで。
これは調教じゃない。
教育だ。
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身体を重ねた夜、ゆうまくんは泣いてた。
嫌悪と混乱と、
それでも離れられない感情。
——最高だった。
だってそれはもう俺から切り離せない証拠だから。
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今のゆうまくんは自分で選んでるつもりで何も選んでいない。
逃げないのも、
拒まないのも、
全部「楽だから」。
そこまで連れて来たのは俺だ。
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ym「……ふみや」
寝言みたいに名前を呼ばれる。
前は反抗の中で呼ばれてた名前。
今は縋るみたいな声だ。
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耳元で、
静かに囁く。
fmy「大丈夫。全部俺の想定通り」
聞こえなくていい。
理解しなくていい。
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愛してる。
誰にも渡さない。
ゆうまくんが俺を恨んでも、
依存でも、
それでもいい。
一緒にいられるなら正解だ。
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この世界に救いがあるとしたら。
それはゆうまくんが俺を必要とし続けること。
ただそれだけ。
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ゆうまくんの髪に口付けて俺は目を閉じる。
明日も同じ朝が来る。
同じ部屋で、
同じ距離で。
逃げ道のない完璧な日常が。