コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ねぇ、一緒に楽になろ。
夕暮れの橙色に染まった教室に僕の声が響く
いつもは騒がしい教室も2人だけだ。
青色の瞳に僕の姿が映る。
ええよ。楽になろっか。
彼は優しく微笑んで、いつもの優しく声色で言ってくれた。
…ありがと。
僕も微笑んで、廊下に出る彼について行く
夕暮れに染まった誰もいない廊下。
もうこの景色を見る事も無くなるんだろうな。と思いながらただ着いていく。
…なぁ、どこ行く?
上靴から外靴に履き替える彼は手のひらを伸ばして僕の手を掴んだ。
うーん…。どうせなら綺麗な場所がいいな
僕は彼の手を握りながら答える。
綺麗な場所…
彼は立ち止まる
そして少し悩んだ彼は僕の瞳を見て
海とかどう?
いいねそれ。僕は笑って答える。
彼は微笑んで海の方向まで歩く。
僕達は、他愛のない話をしてただ歩く
歩いていたら海が見えてきた。
太陽の光を反射してきらきら光っている海。
うーん、潮風が少し冷たいかな?
そういえば、なんで彼は僕となんかと死んでくれるんだろう。
まぁ、どうでもいいっか。
なぁ、ほとけ。
彼の聞き慣れた声が聞こえた。
…やっぱりなんでもないわ。
彼は笑って言う
えーっ、何それ気になるんですけど!
何言おうとしてたんだろ。やっぱり死にたくない、僕と死にたくないのかな?
ぐるぐる考えてたら
そんな顔せんといてや。ほとけは笑ってる方がええで。
彼は優しく笑って頭を撫でてくれた。
…ほとけ。行こっか?
裸足で波打ち立って優しい声で僕を呼ぶ。
ねぇ。なんで、そんな優しい顔が出来るの?
優しい声で僕を呼ぶの?
いふくんは…怖くないの?
いふくんの手を強く握る
怖くないよ。だってほとけと一緒だもん。
笑っていふくんも強く僕の手を握る
“この言葉は嘘じゃない”
なんでかそう思える。
そっか…っ、ありがと。
彼の手を握り直し、太陽の方向へ歩く。
何故か怖いと思わなかった。
この前1人で来た時は怖くて泣いたのに。
なぁ。
俺はほとけと地獄でも何処でも幸せになれると思うんだ。
僕も。…だからずっといてね。
言われなくてもずっと居てやる
ふふっ、ありがとうね。
僕達はそのまま海に沈んで行った。でも辛くも怖くない。
きっとこれはバットエンドなんかじゃない。
ずっといふくんと居ればパッピーエンドだ。
ご閲覧ありがとうございました