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気づいたら朝だった。
あんなにどきどきしてそれどころではなかったはずなのに、つかれていると案外すぐに寝れてしまうものだ。
俺が布団から出て、何気なく窓の外を眺めている時だった。
ピンポーン
誰かが俺の部屋を訪ねてきたらしい。
まあどうせシェリーとか、ヴィーとか、アストロとか、会議についてのことだろうな。
俺はあくびをしながら玄関へ向かった。
「はーい…ぇ?コスモ?」
「えへへ…ごめん、起きたばっかりだった?」
俺がドアを開けると、コスモが立っていた。
俺は多分間抜けな顔を見せてしまったと思う。
冷静に考えて、たった今起きた俺は髪ボサボサでぽけーっとしているのに、それを見られた???
コスモの起きたばっかりだった?で、今の俺は最高にだらしないことがわかる。
最悪最悪最悪最悪最悪!!!!
恥ずかしさで口を金魚みたいにぱくぱくさせてしまう。
寝起きでもコスモは可愛いとそこだけはっきり意識できている自分を殴りたい。本当に。
「えーと、心配できちゃったんだ…昨日のこと!大丈夫?」
「あ、ああ!うん、全然!!全然大丈夫!!!なんかもうすぐ治ったし!し、心配してくれてありがとう!!!」
自分でもきごちないとわかった。
だけど、好きな人相手にどんな話し方をすればいいとか、まっっっったくわかんないから!!
「よかった!スプラウトが大丈夫なら、ぼくも大丈夫!」
いたずらっぽく笑うコスモにぎゅん、と心が締め付けられる。
でもごめん…俺はコスモと友達でいたくないんだ…。
コスモの純粋無垢の笑顔に若干の罪悪感を持ちながら、俺はコスモに別れを告げることにした。
ところだった。
なにかが俺の視界に映り込んで、俺は意識を失った。
朝、珍しく早起きをした。(10時)
僕は寝るのが大好きだけど、今日は大事なみんなとの作戦会議の予定があったから、早めにみんなと合流して、三人でスプラウトの部屋に向かった。
スプラウトの部屋まで着いたけど、ここでアクシデントが発生した。
なんと、スプラウトとコスモが玄関で話していたのだ。
僕らはその一瞬ですべてを察して、すぐに影に隠れて耳を澄ました。
「心配で………たんだ……大丈夫?」
コスモはたぶん、スプラウトのことが心配で、部屋まできたのだろう。
また耳を澄ました。
「あ、ああ!うん、全然!!全然大丈夫!!!なんかもうすぐ治ったし!し、心配してくれてありがとう!!!」
落ち着いて、言葉全てをきけるようになった。
やっぱりスプラウトは混乱気味で、ずっとアセアセしていた。
「よかった!スプラウトが大丈夫なら、ぼくも大丈夫!」
コスモがそう笑ってるのを見て、胸を撫で下ろした。
ここで違和感に気づかれてしまってはすべてが台無しだ。
「……ん?」
ここでお別れの流れかと思ったところだった。
なぜかスプラウトは一瞬ぼーっとして、そのあとにさっきとは違うハキハキとした声色でコスモに話しかけた。
「ねえ、コスモ!おれと一緒に午後出かけようよ!」
…はい?
一瞬思考がフリーズした。
僕だけではないようで、ヴィーもシェリーもコスモもぽかーんといった感じだった。
急にスプラウトがそんな積極的になるはずもないし、まだこれから話し合うはずだし、これはきっとなにかの間違い…と考えたところでヴィーが異変に気づいた。
「…なるほどね」
「えっ!?なに!?何が起きてるの!?」
シェリーの声が大きくて、気づかれてしまいそうになる。
「しー…ここにいるのバレたら終わりなんだから…」
そう言うとシェリーは手で口を塞いで小声でごめんと言った。
「…コニーがスプラウトに憑依している。」
「!?!?」
まさか。何のために…?
僕がそう聞こうとしたところでヴィーは静かにと釘を打った。
僕もむっと黙って、話に耳を澄ました。
「…うん!ありがとう!じゃあ、ロビーの木の下に2時に集合ね!」
「…わかった!楽しみにしてるね!」
待って、コスモも同意してしまったの?
どうやってスプラウトに説明すれば…。
コスモはスプラウト(コニー)に手を振って自分の部屋に帰っていった。
コスモが見えなくなって、スプラウトからコニーが姿を表した。
「コニー!!」
僕たちは隙を与える暇もなくコニーに突っかかる。
「きゃあっ!…あなたたち見ていたの?…」
一瞬驚いてからめんどくさそうに僕らを交互に見た。
「当たり前でしょっ!で、なんでこんなことしたのさ!」
「あー確か次の日も会議する予定だったのよね…まあいいや」
コニーが気になる発言をする。それを追求する暇もなく、コニーは続けた。
「実は私、あなたたちの昨日の会議聞いていたの。」
えっ、とみんなが驚く。
そんなのわからなかった。
「盗み聞きとは…なんとも陰湿な…」
「それは悪いとわかってるよ…ごめんってば…それで、今日のスプラウトを見て、不器用すぎて 居た堪れなかったの…」
コニーが100悪いとして、でもスプラウトが不器用でじれったいのは共感だ。
「私が手伝ってあげようとしたの…えへへ…」
コニーがいたずらっぽく笑うとずっと目を閉じていたスプラウトは目を開けた。
「…うわっ、みんな!何?なにがあったの…??」
スプラウトが慌ててみんなに聞く。
渋々僕らはスプラウトに事情を伝えた。
「…え」
「はあああああああああ!?!?」