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〜第五章〜
メロンに支配されたことを悟りながらも、ちょこぺろは彼の隣でガチマッチのルームに入った。ステージはバッテラストリート。ルールはガチヤグラだ。
「よろしくね、ぺろさん」
ブキの調整をするメロンが、耳元で囁くような優しい声で言った。だが、その声は、ちょこぺろの耳には冷たい命令のように響いた。
バトルが始まった。
プライムシューターを構え、ちょこぺろは前線に出る。いつも通りの立ち回り、いつも通りの冷静さで、ヤグラ上の敵を狙う。だが、今日のちょこぺろは、全く集中できていなかった。
(いつ、くる…)
敵のインクが飛んでくるより、メロンが人形に触れる瞬間のほうが、よほど怖かった。
ヤグラが中央を過ぎ、緊迫感が高まった瞬間。
ドクン、と、下腹部が強く跳ね上がった。
「ッ…!」
プライムシューターを握る手に、一瞬、力が入りすぎた。エイムがブレる。危うく敵インクに足を取られそうになるのを、何とかこらえた。
来ている。
メロンは、戦場のどこか、おそらく有利な高台で、冷静にヤグラの状況を把握しているはずだ。そして、ちょこぺろからは見えない場所で、あの人形を手に持っている。
その手の動きが、今、ちょこぺろの下半身に集中している。
太ももの付け根から、股間の奥へ向かって、誰かの指の腹が、優しく、しかし執拗に、擦り上げられている感覚。
「ひゅッ…ん…」
ちょこぺろの呼吸が、大きく乱れた。ヤグラに乗る敵を仕留めることができない。
「ぺろさん、中央のヤグラ、クリアリングが甘いよ。ごめん、僕が行くね」
冷静沈着なメロンの声が、ちょこぺろのインカムから聞こえる。その声は、ちょこぺろのミスを咎めているが、彼が何をしているかを、周囲には悟らせていない。
メロンの52ガロンが、鮮やかなキルログを生み出し、ヤグラは敵から奪還された。
(ダメ、ここで負けたら、メロンの思い通りに…!)
ちょこぺろは、歯を食いしばり、プライムシューターを再び構えた。
ちょこぺろがインクをチャージし、前線へスライドしようとしたその時、メロンの手つきが変わった。
擦り付ける力が、強くなる。
そして、皮膚の上からではなく、布の摩擦を伴って、より直接的な場所を、まるでそこに肉の塊があるかのように、揉みしだき、擦りつける。
「あ、ああッ…!」
ちょこぺろの全身から、インクが流れ出たように、力が抜けた。彼の腰が、ガクンと落ちる。
「…ふ、ぅ…んんッ!」
口から漏れるのは、もはや喘ぎ以外の何物でもない。プライムシューターが重い。目眩がする。身体の中心が、熱いインクで満たされ、爆発しそうだ。
ちょこぺろは、咄嗟に物陰に隠れ、丸くなった。
(やだ…やめて…っ、お願い…!)
メロンは、止めない。
むしろ、人形に対する彼の行為は、さらに大胆になった。まるで、ちょこぺろが屈服するのを待っているかのように。
「は、ぁ…ッ、や、めて…ッ…ひぁ…」
ヤグラは、自陣ゴールへと向かっている。残りカウントは「10」。
このままノックアウトされれば、ちょこぺろはメロンの完全な支配下に落ちる。
(…こんなことで…)
ちょこぺろのプライドと、身体の快感が、激しく葛藤する。
「ねぇ、ぺろさん」
メロンの声が、いつもよりもさらに近く聞こえた。
「ちょっと、ヤグラの上を見てごらん」
彼の言葉に、震える手でカメラを動かす。ヤグラの上には、敵のローラーが一人。そして、そのローラーを、メロンの52ガロンが、援護もなしに正面からねじ伏せていた。
彼の横顔は、いつものように冷静で、美しい。
「完璧でしょ?」
メロンが言った。そして、その直後。
「ッッ!!!」
人形の下腹部、最も敏感な一点に、強い圧迫と、グリグリとした指の感触が、一気に押し寄せた。
「ああああッ…!」
それは、理性を完全に吹き飛ばす、強烈な快楽だった。ちょこぺろは、悲鳴を上げながら、その場で身体を弓なりに反らせた。
(もう、だめ…)
全身のインクが、ちょこぺろの意志に反して、下半身へと集中していく。
「…ふ、ぅ、んッ…ひ、ッ、んん、ああ…」
彼のブキから、虚しくインクが漏れ出す。
「ノックアウト、だよ」
メロンの声が、優しく、勝利を告げた。
彼の指は、人形のその場所から離れない。そして、さらに深く、ねっとりと、ちょこぺろの身体の核を、優しく、嬲り続けている。
「…ごめんなさいね。僕の勝ちだ」
彼は、戦場で誰よりも冷静に敵を倒し、同時に、ちょこぺろの理性と身体を、完璧にノックアウトしたのだ。
その夜、メロンからメッセージが届いた。
🍈メロン:
今日のバトル、お疲れ様。
ぺろの本当の喘ぎ声は、とても甘いメロディだったよ。
人形は、もう少し僕が預かるね。
〜第六章〜
その日、ちょこぺろは自分の意志を取り戻さなければならないと強く決意していた。このままでは、自身の全てがメロンに握り潰されてしまう。
ちょこぺろは、バトルのマッチングを待つメロンをロビーの端で見つけ、意を決して声をかけた。
「メロン。ちょっと、話がある」
「うん、いいよ。どうしたの?」
メロンは穏やかな笑顔で返したが、ちょこぺろは知っていた。その瞳の奥には、すべてを見透かすような冷たい光が宿っていることを。
「ここでじゃなくて、裏で…」
ちょこぺろが指差したのは、ロビーの奥にある、滅多にイカが通らない資材搬入口の裏手だった。メロンは一瞬戸惑ったふりをした後、優雅に頷いた。
「わかりました。大事な話なんですね」
人気のない裏路地に入ると、途端に周囲の喧騒が遠ざかり、二人の間の空気が重くなる。
ちょこぺろは迷わず本題に入った。
「あの人形、返して」
メロンは、持っていた52ガロンを背中に回し、両手をポケットに入れたまま、優しく首を傾げた。
「どうして急に?持ち主が見つかりましたか?」
「持ち主なんて、最初からいないだろ!あれが俺のと繋がってること、気づいてるんでしょう!バトル中に、俺を……っ」
恥ずかしさと怒りで、ちょこぺろの声が震える。メロンは、まるで幼い弟を宥めるかのように、ゆっくりと話した。
「ああ、バレちゃったか。でも、別に隠してたつもりはないですよ。ぺろさんの真面目な顔が、僕の指先一つで、あんなに乱れるのが、すごく興味深くて」
その言葉が、ちょこぺろの理性の上限を突破した。ちょこぺろは一歩踏み出し、ポケットに手を入れようとするメロンに向かって、跳びかかった。
「返してッ!!」
メロンのポケットから、目的の人形が顔を覗かせる。ちょこぺろは、その小さな身体を掴み取ろうと、彼の腕に食らいついた。
XマッチのXP4996.4の実力は、伊達ではない。しかし、メロンは5000越えだ。彼の身体能力は、ちょこぺろの動きを冷静に予測していた。
メロンは、人形を掴もうとするちょこぺろの手の甲を優しく押さえつけ、そのまま人形をポケットから引き抜いた。そして、咄嗟に、人形を自分の胸元とちょこぺろの身体の間に、押し当てるような形にした。
人形は、まるでちょこぺろの身体の一部であるかのように、二人の間で圧迫された。
「ッ!?」
「んぁッ…!!」
その瞬間、人形の下腹部が、メロンの胸元の硬いシャツの上から、グッと強く押し込まれた。
ちょこぺろの全身が、電撃を受けたように固まった。身体の奥から、熱いインクが逆流するような、制御不能の快感が一気に頭頂部まで駆け上がる。
「ん、んんッ…あ、ああッ…!」
あまりの刺激に、ちょこぺろの腰が勝手にククッと痙攣し、メロンの身体に押し付けられた。奪おうとした力が、一瞬で快感による脱力へと変わる。
メロンは、そのちょこぺろの様子を、冷たいほどの冷静さで見つめていた。
「ほらね。あなたは、これを欲しがってる」
彼は、人形を握ったままの手を、ちょこぺろの震える腰に回し、優しく囁いた。
「そんなに、乱暴に扱わなくてもいいじゃないですか」
そして、そのまま人形を、ちょこぺろの股間に向かって、そっと、擦り付けるように、引き下ろした。
「ッッッー!や、めてッ!う、ぅん…!!」
ちょこぺろの口から、悲鳴のような喘ぎが漏れた。周囲に誰もいないとはいえ、ロビーの壁の向こうは、熱狂的なイカたちの世界だ。
ちょこぺろは、顔を真っ赤にして、メロンの胸に顔を埋めた。自分の声が、誰かに届いてしまう恐怖。そして、快感に溺れて、メロンに抱きついている形になっていることへの、屈辱。
「…ぺろさん」
メロンは、その美しい顔を、ちょこぺろの耳元に寄せた。
「あなたは、頑張り屋さんだ。だから、気持ちを我慢するのも上手。でも、もういいんですよ。僕の前では、素直になって」
彼は、人形の太ももの内側を、親指でゆっくりと撫でた。
「ふ、ひゅ…ッ…ぅあ…」
全身が、溶ける。奪い返そうとしたはずなのに、快感で身体が動かない。彼の冷戦なコントロールの前に、ちょこぺろの素直な身体は、完全に敗北した。
「返してあげたいんですけど、今、ぺろさんのその反応が、僕にとってはランキング1位の証なんだ。もう少し、預かっておくよ」
メロンは、満足げに笑うと、人形をポケットにしまい、ちょこぺろの身体をゆっくりと解放した。
「さ、次はオヒョウ海運でガチヤグラだよ。気持ちを切り替えて、頑張りましょうね」
背を向け、悠然とロビーへ戻っていくメロン。
ちょこぺろは、その場で崩れ落ちるように壁にもたれかかり、自分の熱い身体と、震える手を見つめることしかできなかった。
ここまで読んでくださりありがとうございます😊
メリークリスマス!!
コメント
2件
えもう最高なんだが
まっじでこの書き方大好きです!!!スプラの世界の物語いいですね…….。 🍈🍫尊…、