れいしゃです。
実は初めてではないのですが、今回はノベルで書いてみようと思います。
操作に慣れていないので、改行等おかしい部分が多々あると思いますが、大目に見ていただけたらと思います。
追記:ちまちま進めてたら投稿遅くなりましたごめんなさい
注意
赤水要素、死ネタ、年齢操作、関係操作あり
また、当小説には多大なキャラ崩壊が含まれます。
苦手な方は閲覧をお控えください。
水→『』
赤→「」
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「…おかえり。」
君が、そう言い微笑んだ。
君は後悔しているかな。
刹那的な君の笑顔は、どこか悔しさを宿した瞳が目立っていた。
『…ね、好きだよ。』
九月一日。
初恋の日と、初恋の人。
全てを失い、全てを取り戻した日____。
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九月一日。
まだまだ暑い夏の日だった。
今日も一人、憂鬱な顔で校舎に赴く。
たちまち辺りから人は消え、
後ろからは痛いのほどの視線と、酷く冷たい言葉が刺さる。
やっとの思いで教室に着いたかと思えば、机の上には綺麗な花が飾られている。
慣れたものだ、なんて言えるほどの度胸はない。
いつもと変わらず、一人黙って席につく。
再び刺さる痛い視線。
どうして来たんだ、お前なんか死ねばよかった。
そう呟くクラスメイト。
毎日繰り返す、悪夢のような現実。
目を逸らしたいほどに酷な現実は、
どこを見ても、どこまで逃げても付きまとう。
空を飛べたら、
きっとこんな思いなんか忘れてしまえるのに。
「俺に着いておいでよ。」
『……?』
どこからか聞こえた、不思議な声。
気がつけば、教室を飛び出して廊下を走っていた。
どこへ行くのだろう。
目的地も分からないまま、ただ走っていた。
まるで、勝手に足が動いているようだった。
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『はぁ…っ、はぁ…』
屋上に入る一歩手前で足を止め、
乱れた呼吸を整え深く息を吸う。
そこから二歩下がり、一度冷静になって考える。
これほど息を切らして屋上まで走ってきたのに、きっとここの鍵は空いていない。
無駄足だったというわけだ。
『…じゃあ、あの声はなに…?』
きっと疲れすぎて幻聴が聞こえていたんだ。
本当は何も無かったんだ。
そう無理やり自分に言い聞かせ、
階段を下りようとしたとき
「幻聴なんかじゃないよ。」
屋上と校舎を繋ぐ扉の向こうから、
さっきと同じ声が聞こえた。
振り替えると、
閉まっていたはずの扉は空いていて
その向こう側にいるはずの誰かの姿は見えなかった。
そこから、
無意識に一歩前に足を踏み出し、その後更に二歩進む。
そして気がつけば、
屋上の中心でどこまでも続く蒼穹を見つめながら立っていた。
「ずっと待ってたよ。」
「ほとけ。」
『え…?なんで…名前…』
目の前に立つ赤髪の少年。
優しそうな瞳の彼は、何を考えているのか分からない。
「俺の名前はりうら。ほとけの友達だよ。」
そう語るりうらは、
まるで僕の全てを知っているようだった。
『……….』
僕は、りうらの方に足を運び、前に座り込む。
目の前のりうらが何者なのかは分からない。
なのに、僕は無意識に泣いていた。
本当に分からない。
なんで泣いているのかも、なんでこんなに安心するのかも。
ただ、目の前に立つりうらの視線が優しくて。
ただそれだけで、泣いていた。
「…いいよ、りうらのことは気にしないで。」
「今は……誰も、いないから。」
りうらの心は、まるで大空のようだった。
とても広くて、暖かくて。
それで時々、残酷だ。
『ねぇ、僕と、友達になってくれるの…?』
「…今日だけはさ、誰の目も気にせず弱音を吐きなよ。」
友達になる、という質問に対するアンサーはくれなかった。
だけど僕は、なぜか安心していて。
きっとこの辛さは、今日で終わるかのような気になっていた。
りうらが僕を抱き締める。
しっかりと抱き締めているはずなのに、
腹や肩に重みは一切無い。
まるで、そこには誰もいないようだった。
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「…落ち着いた?」
『うん…、ありがとう…。』
誰かの前で泣くのは、
学生になって初めてのことだった。
笑われても、叩かれても、ずっと、強くいなきゃって。
きっと自分が弱い事実から逃げるために、我慢してきた。
『ねぇ、りうらは何者なの…?』
不意に口にした言葉。
だって、不思議でたまらないんだ。
異様なほどの優しさも、謎の残酷さも。
全部全部、分からないんだ。
「ほとけの友達、だよ。」
『だってさっき、濁したじゃんか…っ』
「……友達になる、って言い方じゃ、泣いちゃうよ…」
悲しそうに微笑むりうら。
いまにもどこかへ消えてしまいそうな声色で、
大丈夫、大丈夫だよって。
「…そんなに知りたい?」
気がつけば、僕はりうらにしがみついていた。
『だって…りうら、寂しそうだよ…。』
「へ…っ?」
そうだ。
りうらの瞳に宿した優しさと、ほんの少しの悲壮感。
気づいて、って。
無理しているように見えたんだよ。
「はぁ…、同じ境遇に立つ人にはやっぱバレちゃうね」
呆れたような、喜ぶような。
本当に何を考えているのか分からない人。
「俺はね、昔いじめられて死んだんだ。」
『え…、え…?』
「だって、変だと思わない?いきなり声をかけたり、屋上の鍵が開いたり、名前を知ってたりさ。」
「他のは分かんないけど、名前なんかは会ったこともないし、もともと見られてたって考えなきゃ辻褄があわないでしょ。」
『まぁ……うん…?』
「あは、分かんないって顔してる」
思いもしなかった言葉の数々に、呆然としてしまう。
りうらが死んだ人?僕のことを見てた?
ますます分からない。
そもそも、知ってたと言ってもなんで今日なんだ。
考えれば考えるほど分からなくなる。
「…まぁ、ほとけを選んだ理由はいろいろあるんだけど」
「一番は一目惚れかな~って」
『え、』
そして、突然のカミングアウトにより更に分からなくなる。
りうらの言っていることが正しければ、りうらは幽霊。
しかも死因はいじめ。
そんなりうらが、僕の前に現れた理由は一目惚れ。
『え…っと…?』
『つまり…?え?付き合えってこと…?』
「ああいや、そういうのじゃないんだよ。本当に自己満足だからさ、ただ話したかっただけなんだ。」
「……それに、好きな人があんな辛い思いしてるなんて、見て見ぬふりなんかできないよ…。」
『………。』
りうらも、僕と同じだったから。
だからきっと、不自然なほどに優しくて、安心できたんだ。
「…ねぇほとけ、俺ね、本当に好きだよ。」
「……….やっと言えた。」
心底安堵した表情で僕に笑いかけるりうら。
…あぁ、なんだ。
結局どこまでいっても僕らは似た者同士なんだ。
『…僕も好きだよ。』
「…ありがとね」
『お世辞じゃないの。本当に今、りうらのこと好きになっちゃった。』
『一目惚れ、かな。』
きっとりうらは、近いうちに僕の前から消えてしまうんだろう。
友達になることが無理な理由が、なんとなく分かったよ。
「…あーあ、せっかく幸せなのになぁ…」
「もう、いかなきゃいけなんだよ…」
空を見つめそう呟くりうら。
この瞬間が終わればきっとまた嫌われるんだって。
そう思うと涙が出てきそうだった。
…空を飛べたら、
きっとこんな思いなんか忘れてしまえるのに。
『…僕も、いく。』
「ダメだよ、りうらはほとけに生きてほしい。」
『嫌だ。りうらと一緒にいたいの。』
りうらをまっすぐ見つめる。
今まで、どんなお願いにも頷いて、従順に生きてきた。
そんな僕の、
最初で最後のわがまま。
「ズルいよ…。」
「りうら、好きな人のお願いには弱いみたい…」
力なく笑うりうら。
きっと、僕に生きててほしいのは本心なんだ。
だけどね、ごめん。
僕がりうらと一緒にいたいっていうのも、本心だから。
『…きっと、りうらのもとに辿り着いてみせるから。』
『…待ってて。』
「…________」
返事をするまえに、どこかへ消えてしまったりうら。
屋上に一人、僕がいる。
『…生きてる時間よりも、死んだ後のほうが幸せそうだ…なんて。』
『神様は、いじわるだね。』
また一歩進み、下を向けばそこには車が走っている。
恋をしたなんて、初めてだ。
それも、幽霊に、なんて。
柵から足を外し、体が浮くのがよくわかる。
そうだ、目を瞑ろう。
怖がりな僕には、難易度が高すぎるから。
地面に足がつく感覚がない。
自分は死んだのだと実感する。
そして、初恋の人に挨拶をするんだ
『…りうら、』
ただいま、初恋の人。
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以上です。
小説って語彙力必須なんですね。
語彙力ほしい。
書いてる途中で話こんがらがってよう分からん小説になりました。
赤水書きたい欲が抑えきれなかった。
表紙は描けたら変更しときます。
描くかは分かりません
ありがとうございました~
コメント
8件
ノベルこれで初めてなのですか...めちゃめちゃお上手ですね。水さんの気持ちが痛い程伝わってきて物凄く切ない気持ちになりました。投稿ありがとうございます!