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コメント
7件
みぅです🥀 完結、おめでとうございます…! 「もう大丈夫」「ずっと一緒だから」——この言葉が本当に響きました。 12年前の約束が、もう一度つながった瞬間、涙が出そうでした。 最初は重くて切なかったけど、最後はみんなの笑い声が聞こえてくるみたいで、すごく温かかったです。 「一人で抱えなくていいんだよ」って言葉が、心に残ってます。 心音さん、素敵な物語をありがとうございました。 これからも、この三人と仲間たちのことをずっと覚えています🌙💫
最終話 「ずっと一緒」
「……ずっと三人を見ていた」
その言葉が、静まり返った事務所に響いた。
静佳は一歩後ろへ下がる。
「……あなた、誰?」
男は答えない。
ただ、静佳を見つめている。
「怖がらなくていい」
「……!」
「私は、君たちを傷つけたいわけじゃない」
「だったら、なんでこんなことしたの!?」
湊音が叫ぶ。
男は少しだけ目を伏せた。
「……12年前、私は君たちを守ろうとした」
「守る……?」
「そう」
「じゃあ、事故は?」
蓮が聞く。
男は黙った。
「事故を起こしたのは、私ではない」
「……!」
「だが、私は知っていた」
「何を?」
「君たち三人を狙っている人間がいることを」
「だったら、なんで助けてくれなかったの!?」
湊音の声が震える。
男は答えなかった。
その代わり――
懐から古い写真を取り出した。
「これを見てほしい」
写真には、幼い三人。
そして、その後ろに立つ大人たち。
静佳の母親。
湊音の母親。
蓮の父親。
そして――
「……この人」
静佳が息を呑む。
「私……知ってる」
「そう」
男が頷く。
「私は、君たちの両親と昔から知り合いだった」
「じゃあ……」
心音が写真を見る。
「12年前、全部知ってたの?」
「……はい」
男は静かに答えた。
「だから、三人を離した」
「でも!」
静佳が声を上げる。
「私たちはずっと、何も知らないままだった!」
「……分かっている」
「寂しかった!」
「……」
「ずっと、なんで湊音と離れたのか分からなかった!」
静佳の目から涙が落ちる。
「なんで蓮くんまでいなくなったのか……ずっと分からなかった!」
「静佳……」
心音がそっと肩に手を置く。
男は静佳を見つめた。
「……すまなかった」
「……」
「守る方法を間違えた」
***
「じゃあ、事故を起こした人は?」
湊音が聞く。
男は首を横に振る。
「もう、いない」
「……え?」
「12年前の事故の後、すべての証拠を消して逃げた」
「じゃあ……」
「二度と君たちに近づくことはできない」
「……」
蓮が一歩前へ出る。
「だったら、どうして今さら俺たちの前に?」
男は蓮を見る。
「君たちが再会したからだ」
「……!」
「三人がもう一度揃ったことで、12年前のことを知る人間が動き始めた」
「だから、写真を送った」
「だから、あのメッセージを?」
「そう」
男は頷いた。
「君たちに、逃げずに向き合ってほしかった」
蓮が拳を握る。
「……でも」
「ん?」
「俺たちが再会できたのは、あなたのおかげじゃない」
男が目を見開く。
蓮は続ける。
「俺たちが、自分たちで会いたいって思ったからだ」
「……」
「湊音も」
「うん」
「静佳も」
「うん」
「俺も」
三人が並ぶ。
「だからもう、誰かに離されるつもりはない」
***
その瞬間。
静佳が小さく笑った。
「ねえ」
「ん?」
「私たち、昔もこうだったよね」
湊音が笑う。
「何かあったら三人で集まってた」
「うん」
蓮も笑う。
「……今も変わらないな」
「変わったよ」
静佳が言う。
「もっと仲間が増えた」
振り返る。
そこには――
莉犬。
るぅと。
ころん。
さとみ。
ジェル。
ななもり。
ばぁう、しゆん、てるとくん、まひとくん。、そうま、タケヤキ翔。
あっきぃ、まぜ太、ぷりっつ、ちぐさくん、けちゃ、あっと。
心音、Lapis、ロゼ、らいと、みかさ、メルト。
ゆたくん、おさでい、らお、やなと、にしき、たちばな、だいきり。
そして――
心音とおさでい。
みんなが三人を見ていた。
「一人で抱えなくていいんだよ」
莉犬が笑う。
「そうそう!」
ころんも頷く。
「三人だけじゃなくて、みんなで!」
「……」
静佳は目を潤ませる。
「……みんな」
心音が笑った。
「家族も、仲間も」
「頼っていいんだよ」
静佳はしばらく黙っていた。
そして。
「……うん」
小さく頷く。
「もう、無理しない」
「……!」
心音が嬉しそうに笑う。
「約束?」
「約束」
***
その後。
12年前の事件については、正式に整理されることになった。
もう誰かに追われることもない。
誰かに離されることもない。
そして――
三人の秘密も、もう秘密ではなくなった。
「えっ!?」
ころんが叫ぶ。
「湊音とおさでいが兄弟!?」
「そう!」
湊音が胸を張る。
「静佳と心音が兄妹!」
「マジかよ!?」
さとみが驚く。
「全然似てない!」
「それ、失礼じゃない!?」
静佳がむっとする。
「いや、でも静佳はめちゃくちゃ心音っぽいよ」
るぅとが笑う。
「え?」
「頑固なところとか」
「……」
「無理するところとか」
「……」
「ツンデレなところとか」
「……るぅとくん」
「はい」
「黙って」
「すみません」
大爆笑。
「静佳、怒った?」
「怒ってない!」
「怒ってるじゃん!」
「怒ってないってば!」
「ほらツンデレ!」
「もー!!」
***
その横で。
おさでいが湊音の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。
「兄ちゃん、痛い!」
「お前、昔から変わらないな」
「兄ちゃんも!」
「俺は成長した」
「してない!」
「おい」
「ははは!」
二人も笑う。
その様子を見ていた静佳と心音も笑った。
***
そして。
数日後。
三人は再び、あの公園にいた。
「……ここ、懐かしい」
蓮が言う。
「うん」
静佳が頷く。
湊音が木の根元を見る。
「秘密基地……」
「あったね」
「箱、まだ残ってるかな?」
「もうないんじゃない?」
「探してみようぜ!」
三人で土を掘る。
すると――
「……あ」
静佳が何かに触れた。
「これ……」
古い小箱。
「まだあった!」
三人で笑う。
蓋を開ける。
中には。
昔の写真。
キーホルダー。
そして、あの手紙。
『大人になっても、ずっと友達』
静佳がそれを見つめる。
「……叶ったね」
「うん」
湊音が笑う。
「まだ12歳だけど」
「それでも」
蓮が言う。
「12年前の俺たちが、一番聞きたかった言葉だと思う」
「何?」
静佳が聞く。
蓮は笑う。
「『もう大丈夫』って」
三人は顔を見合わせた。
「……うん」
「もう大丈夫」
「ずっと一緒だから」
静佳が小指を出す。
湊音。
蓮。
三人で指を絡める。
「約束」
***
帰り道。
夕焼けの空。
三人が並んで歩く。
「ねえ、蓮」
「ん?」
「これから、何したい?」
「……普通に遊びたい」
「それだけ?」
「うん」
蓮は笑った。
「普通が一番いい」
「じゃあ、遊ぼ!」
湊音が走り出す。
「待って!」
静佳も走る。
「二人とも速い!」
蓮も追いかける。
「遅いよ!」
「待ってって!」
笑い声が響く。
12年前。
三人は離れ離れになった。
でも。
12年後。
三人はもう一度出会った。
そして今。
三人の隣には、たくさんの仲間がいる。
家族がいる。
帰る場所がある。
もう、誰にも奪われない。
――幼馴染。
――兄妹。
――兄弟。
そして。
ずっと続いていく、大切な仲間。
夕焼けの中。
静佳が振り返る。
「みんなー!!」
少し遠くにいる仲間たちへ叫ぶ。
「早くー!!」
「待ってよー!!」
「置いてくなー!」
たくさんの声が返ってくる。
静佳は笑った。
「……ふふ」
湊音が隣に来る。
「嬉しそうだな」
「うん」
蓮も隣に並ぶ。
「俺も」
三人は笑う。
そして――
手を繋いで、みんなのもとへ走っていった。
🌸 完 🌸
12年前に途切れた約束は、12年後にもう一度結ばれた。
「ずっと一緒」
その約束は、これからも――
きっと続いていく。