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余はイリスに求婚した。
彼女が言うには、余は変わり者らしい。
「余が変わっているだと? なぜそう思う?」
「だってそうでしょう? 普通なら、竜種であるわたしなんか選ばないはずですよ? 今は変化の魔法で魔族の女の子のような姿になっていますが……。わたしの本当の姿はディノス陛下もご存知ですよね?」
彼女の本来の姿は、巨大なドラゴンである。
「それは当然知っている。イリス……。お前は、魔王というものをよくわかっていないようだ」
「どういうことです?」
「魔王とは、全てを掌握する絶対強者だ。余の前では、外見が魔族か竜種かどうかなど、些細なことよ。余はお前の本質に惚れているのだ」
「本質……ですか」
「ああ。イリス。お前は強い。お前ほどの強さを持つ者はなかなかいない。だが、それゆえに孤独だったはずだ。余は、そんなイリスを放っておけない。イリスを幸せにしてやりたいと思う」
「……」
イリスは黙り込む。
そしてしばらく経って、口を開いた。
「……わかりました。ディノス陛下のお気持ちはよく理解しました。……わたしも、あなたのことをとても信頼しています。ディノス陛下の傍にいると安心できますし、心が温かくなって幸せな気分になります」
「ふむ。それなら……」
「ただ、1つだけ。わたしの本当の姿を、愛してくれますか?」
イリスが真剣な眼差しを向ける。
「……うむ。もちろんだ。イリスならば、どんな姿をしていても愛する自信があるぞ」
「では、改めてお見せします。わたしの真の姿を……」
次の瞬間、彼女の体が光に包まれる。
光が収まったあとに現れたのは……。
「これは……」
赤い瞳をした黒い竜だ。
フレアやシンカに見せた半竜形態ではない。
正真正銘の本来の姿である。
体長は数十メートル以上。
そこらの魔族や人族が束になって掛かっても、到底敵わぬであろう。
生物としての格が異なるのだ。
レッドアイズ・ブラックドラゴン。
それが彼女の種族名である。
彼女は世界にただ一竜しかいない、同族最後の生き残りだ。
「これがわたしの真の姿です。……どうでしょうか? 怖くはないのですか?」
恐々と尋ねるイリス。
声帯が変化しているので声質も変わっているが、魔力に意思を乗せているので意思疎通は問題なくできる。
「何を言う。余が恐れるものは何もない。美しいではないか」
余はそう言って笑いかける。
「ディノス陛下……!」
イリスが感極まった様子でそう声を漏らす。
「……これが最後の確認です。わたしの真の姿に対しても、変わらず愛してくださると約束していただけますか?」
「無論。余はお前を愛し続ける。誓うとも」
「では、この状態のわたしを抱いてください……」
イリスが腹を天に晒した。
「イリスよ。その姿のまま抱けというのか?」
「はい。ディノス陛下の愛をわたしに見せてください。わたしはこの世界で一人ぼっちではないのだと、示してください」
竜種としての本来の姿のイリスを抱く……。
少々想定外ではあるが、この程度の事態に対処できない余ではない。
むしろ望むところだ。
「竜化(ドラゴノイア)」
余は竜化する。
イリスと同じ、赤い目の黒い竜である。
余はそのまま、イリスに覆い被さった。
「ああっ! ディノス陛下ぁっ!!」
イリスの叫びにも似た歓喜の声が上がる。
「ん……、ちゅ……、れろ……。ディノス陛下……。もっと強く抱きしめてぇ……」
イリスの望み通り、彼女を力一杯抱き締めた。
「ああああああ!!!」
イリスが大きな悲鳴を上げる。
余たち2人の影が1つになる。
……だが。
ドゴーン!!!
あたりに轟音が響いた。
敵襲ではない。
これは……。
「しまった。余とイリスの交わりに、大地が耐えられぬか」
体長数十メートルのドラゴン同士の交わりともなると、周囲の地形が大きく変動する。
自然も破壊してしまうだろう。
「ディノス陛下……。ここは竜種の作法でいきましょう」
「うむ。そうだな」
余たちは交じりあったまま、大空へと飛翔した。
竜種は、空を飛びながら交わるのである。
強大すぎる力で、周囲を傷つけないように。
村のはるか上空まで達した余とイリスは、あてもなく高速飛翔を始める。
周囲への被害を気にしないで済むようになった今、今度こそ余はイリスを力いっぱい抱きしめる。
彼女も、余を抱きしめ返してくる。
「ディノス陛下!! わたしは今、幸せを感じています……!! あなたのおかげです……!!!」
イリスが涙を流しながらそう叫ぶ。
「余も幸せだ。イリスよ。お前が魔王の側近になってくれなければ、今の余はなかっただろう。余はお前に感謝している」
「わたしも感謝しています。わたしは、孤独だったから……。ずっとずっと寂しかったから……。ディノス陛下がいてくださって本当に良かった……。ディノス陛下に出会えて、わたしは救われました……!」
イリスが余の体に手を回す。
「ディノス陛下……。大好き……。一生あなたの傍にいます……。だから、離さないで……。もう独りは嫌なんです……!」
「ああ。余もお前のことを決して手放さん。2人で……いや、フレアとシンカも含めて4人で共に歩んでいこう。これから先、どんな苦難があっても乗り越えられる。余にはお前がいるのだから」
「はい……。わたしも、ディノス陛下を支えていきます……。いつまでも一緒です……」
「イリス……。愛してるぞ……」
「ディノス陛下……。わたしも愛しています……」
2人は互いを求め合い、口づけを交わす。
「くはは。変化状態のイリスもなかなか可愛げがあったが……。今のイリスの方が可愛いな」
余は竜であるイリスの柔らかいところを刺激しつつ、そんな感想を述べる。
「ディノス陛下……、あんまりそんなところばかり揉まないでください……」
「なぜだ? 余はイリスの体にとても愛着があるのだが。柔らかくて気持ちいいし、触っているだけで幸せな気分になれるのだ。もっとよく見せてくれないか?」
「えっと、その……。恥ずかしいですけど、ディノス陛下が喜んでくれるなら……、はい……、どうぞ……」
余は竜化したイリスの体を堪能する。
イリスの体がビクンと跳ね上がる。
「くふぅ……! ひゃうん……!」
イリスが切なげに喘ぐ。
彼女が感じているのがわかる。
「イリス。少し激しくするぞ」
余はそう宣言して、イリスに自分のあれを押しつけた。
「ディノス陛下ぁっ!! 漏れちゃいますぅっ!」
イリスが余の名前を呼びながら、一際大きな反応を見せる。
「構わぬ。余とイリスの愛の結晶だ。存分に漏らすがよい。世界に愛が満ちるようにな」
「んああああっ!!」
イリスは大きな声を上げ、そのまま果ててしまった。
彼女の秘所からは、大量の愛液が流れ出ている。
改めて言うが、今の余とイリスは数十メートルを超える巨竜の姿となっている。
そして、世界を飛翔しつつ交わっているのだ。
イリスが吹いた潮は、人々ににわか雨だとでも認識されるかもしれない。
今のこの場所は……。
砂漠地帯の上空か。
イリスの芳醇な魔力を含んだ愛液が降り注げば、砂漠地帯にも緑が芽吹くかも知れんな。
その後も、余とイリスは飛翔しつつ交わり続けた。
魔族の港湾都市や人族の元最後の都市ノースウェリアの上空にも訪れた。
世界にはまだまだ完全な安寧は訪れていない。
余とイリスの愛で、そしてフレアとシンカとも協力して、世界の人々に安心と笑顔を届けていかなければならぬ。
余はそんなことを考えつつ、イリスの体を堪能する。
「イリス……」
「ディノス陛下ぁ……」
イリスが甘えた声を上げる。
可愛い奴だ。
度重なる絶頂で、少々疲弊気味のようではあるが。
……おっと。
余もそろそろ限界のようだ。
「イリス。行くぞ」
「はい、ディノス陛下……! 一緒に……!」
余はイリスとともに、空中にて絶頂を迎えたのだった。