テラーノベル
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テラー限定番外編です。
カンタロー→貧ちゃん
苦手な方はご注意下さい。
タボちょん要素はかなり少ないので読んでいただかなくても大丈夫です。
◇
ターボーが迎えに来てちょんまげを任せたあと、店に三人が残る。
「なぁ貧ちゃん」
「何だよ」
「…送るわ」
「は?」
「心配だから」
キングと今國が顔を見合わせる。
(気づいてないの、貧ちゃんだけだな)
キングと別れ、二人で静かな道を歩く。
夜風が冷たい。
「ターボーもちょんまげも幸せそうだな」
貧ちゃんがぽつりと言う。
「……貧ちゃんはさ」
カンタローは低く呼ぶ。
「ん?」
「もし好きな人がいて、そいつが他の奴に取られそうになったらどうする?」
貧ちゃんは笑う。
「奪う」
即答だった。
「好きなら奪うだろ」
その無邪気な強さに、胸が締めつけられる。
「…そっか」
「なんだよ急に。カンタロー好きな奴いんの?」
カンタローは一瞬、視線を逸らす。
「さあな」
「なんだよそれ」
貧ちゃんが肩を軽くぶつけてくる。
その距離。 その体温。
(奪う、か)
カンタローは小さく息を吐いた。
「…貧ちゃんってさ」
「ん?」
「モテる自覚、あんまないだろ」
「は? あるけど?」
「ないよ、だって…」
ーー俺の気持ちには全然気付いてないし…
なんて続けようか悩んでいたら、貧ちゃんは笑う。
「だって、なに?俺のこと好きな奴知ってんの?」
その笑顔にどうしようもなく惹かれている自分を、もうごまかせない。
「……別にそんなんじゃないけど」
ネオンが消えかけた夜。
ターボーのことで悩むちょんまげや、ちょんまげの身体を愛おしそうに支えるターボーを思い出し、ふと羨ましくなる。
ーーあぁ、いつかああなれたらな。
密かな想いは本人に届くことなくカンタローの心に留められた。
END
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