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「父上もカエンもダメだったの!スッゴイ強い知り合いはみ~んな冒険者な上に、面白がって武闘大会に出るって言ってるらしいんだよ~」
…こう言っちゃなんだが、カエンが「強い」と認めるような冒険者に、騎士達が勝てるイメージがわかない。
「もうさ、騎士や兵士の出場、諦めるって選択肢は…」
「ムリ。騎士団長が燃えてる」
あちゃー…。
俺はゼロと顔を見合わせて、二人同時に肩を落とした。
「うう……なんか、考えときます…」
力なくゼロが返事をすると、アライン王子は颯爽と立ち上がり、「じゃっ!頼んだから!」と逃げるように帰っていった。
「あっ!お兄様!…ごめんなさい、本当に」
「失礼します」
慌ててエリカ姫とユリウスも後を追う。
慌ただしく帰っていった三人を見送りながら、俺達はまた、二人同時にため息をついた。
押し付けられたよ…。
完全に。
マスタールームに暗い顔で帰った俺達を見て、グレイが労わるように暖かいココアをいれてくれる。
「どうされましたかな?」
「ん~…1ヶ月後に武闘大会があるんだけどさ、それまでに騎士を鍛えて欲しいって」
「なるほど、騎士も出場するわけですな。出るからには負けられないでしょうからな」
グレイは、それは厄介ですなぁ、と苦笑している。
「しかも、カエンの知り合いの熟練冒険者達も出場するらしくって、強敵揃いかも知れないんだよね」
ため息まじりに言って、ゼロは机に突っ伏した。唸りながら、考えているらしい。
「なぁ、グレイ~。劇的に強くしたり出来ねぇかな。それこそ血反吐はいてもいいから」
自分でも無茶を言っている自覚はあるが、念のために聞いてみる。
「1ヶ月はさすがにムリですなぁ。それに私のスキル自体、基礎はあっても熟練冒険者に勝てる程の教育ができるレベルではないですし」
だよなぁ。
う~ん、明日を思うと憂鬱だ。
するとゼロが、思い切ったように勢い良く立ち上がる。
「だよね!うだうだ考えてもしょうがない!僕明日、カルアさんに正直に言うよ!ムリだって」
おお!男らしい!……のか?
とりあえず気持ちを切り替えたらしいゼロは、今度は俺の方を向いてにっこり笑った。
「もっと大事な特訓もあるしね!」
……スターセイバーだよな、明らかに。
その後晩メシまではゼロにみっちりとしごかれた。それでも覚えられない。
ゼロは「もうちょっとな感じがする!」って、アバウトに褒めてくれるけど、単に慰めなんじゃねぇかな…と疑いたくなる程、手応えを感じない。
自分の覚えの悪さにがっかりだ。
コメント
1件
うわあ…第144話、読み終わったよ〜!!😭✨ アライン王子、逃げるように帰っていったの笑っちゃったけど、騎士団長が燃え上がっちゃったってところがもうね…(遠い目) カエンの知り合いの冒険者たちって絶対化物級だよね?💦 ゼロが「ムリだって言う!」って開き直ったの、めっちゃ勇気あるし逆にカッコよかったよ…! でもその後みっちりしごかれてる主人公が不憫すぎて愛おしい…😭💕 もうちょっとな感じ!って言われても手応えゼロなの、わかるよわかる…!!