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うほた
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#ふうりも
ぽよ🍬🦋🍭
1,712
電車を降りた頃には。
もう夜明けが近かった。
始発も動いていないような小さな駅。
人影は一つもない。
風だけが吹いていた。
俺達は行き先も決めないまま歩いた。
ふうはやは相変わらず静かだった。
少しだけ。
顔色も戻っていた。
俺はそんな横顔を見ながら思う。
結局。
俺達は誰にも愛されたことなどなかったんだ。
家族にも。学校にも。この世界にも。
そんな嫌な共通点だけで。
俺達は簡単に信じ合えた。
きっと普通じゃない。
こんな簡単に人生なんて捨てない。
誰かについて行ったりしない。
それでも。 俺は後悔していなかった。
ふうはやの手を握る。
震えてもいない。
さっきまで確かにあった微かな震えも。
もう消えていた。
ふうはやは少し驚いた顔をした。
でも、 手を振りほどかなかった。
俺達はそのまま歩く。
誰にも縛られないように。
朝焼けの中。
二人で、
線路の上を歩いた。
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途中で立ち寄った小さな売店。
ふうはやは黙ったまま財布を見ていた。
残りのお金。
大した額じゃない。
笑えるくらい少ない。
それでも。
俺達は笑った。
金を盗んで。
二人で逃げて。
どこにでも行ける気がしたんだ。
今更。
怖いものは俺らにはなかった。
走った。
何度も。
人の目を避けるように。
追い掛けられてもいないのに。
ただ走った。
額から汗が落ちる。
息が苦しい。 途中でメガネまで落とした。
rm「あ」
思わず声が出る。
でも。
拾おうとして。
やめた。
ふうはやが不思議そうな顔をする。
俺は笑った。
rm「今となっちゃどうでもいいさ」
そう言うと。
ふうはやも少し笑った。
久しぶりに見る。
ちゃんとした笑顔だった。
風が吹く。
朝焼けの匂い。
誰もいない道
俺達だけ。
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。
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線路沿いの道。
朝日が昇りきる頃。
俺達は歩き続けていた。
ふうはやは前を向いている。
俺は少し後ろを歩いていた。
しばらく無言。
そして。
ふうはやがぽつりと言った。
fu「なぁ」
rm「ん?」
ふうはやは空を見上げる。
雲一つない空だった。
fu「いつか夢見た優しくてさ」
ヾ 「誰にも好かれる主人公なら」
俺は黙って聞く。
ふうはやは少し笑った。
寂しそうに。
fu「汚くなった俺らも」
ヾ 「見捨てずに救ってくれるのかな…笑」
風が吹く。
俺は少し考えた。
そして。
小さく笑う。
rm「そんな夢なら捨てたよ」
ふうはやが振り返る。
俺は続ける。
rm「だって現実を見ろよ」
朝日が眩しい。
目を細める。
rm「シアワセの四文字なんてなかったじゃん」
ヾ 「今までの人生で思い知っただろ」
ふうはやは何も言わない。
だから。
俺は続けた。
rm「自分は何も悪くねえって」
ヾ 「誰もがきっと思ってるよ」
静かになる。
ふうはやは俯いた。
それから。
少しだけ笑った。
fu「暗いな」
rm「お前もな」
fu「確かに」
二人で笑う。
でも。
笑ってるのに。
どこか泣いてるみたいだった。
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あてもなく彷徨う蝉の群れ。
容赦なく照り付ける夏の日差し。
水も底をついていた。
視界は揺れる。
足は重い。
遠くから怒号が聞こえる。
誰かが俺達を探している。
きっと。
もう逃げ切れない。
それなのに。
俺達は笑っていた。
バカみたいに。
本当にバカみたいに。
ふうはやが笑う。
俺も笑う。
もうどうにでもなれって。
そんな笑いだった。
そして。
ふうはやが立ち止まった。
rm「ふうはや?」
返事はない。
ふうはやは静かにポケットへ手を入れた。
嫌な予感がした。
心臓が大きく跳ねる。
そして。
ナイフが見えた。
rm「おい」
俺は一歩近付く。
rm「何してんだよ」
ふうはやは笑った。
泣きそうな顔で。
「りもこん」
俺を見る。
「お前が今まで傍にいたから」
「ここまで来れたんだ」
嫌だ。
聞きたくない。
その言葉の続きを。
「だからもういいよ」
rm「やめろ」
「もういいよ」
rm 「ふうはや!」
「死ぬのは俺一人でいいよ…!!」
その瞬間。
肩を掴んだ。
必死だった。
本当に必死だった。
rm「やめろ!!!」
ヾ 「やめろって!!!」
「ふざけんな!!!」
叫ぶ。それでも、俺は肩を突き飛ばされた
そして、…..
ふうはやは首を切った
間に合わなかった。
ふうはやは最後まで笑っていた。
まるで。
何かの映画のワンシーンみたいだった。
俺は信じられなかった。
目の前の光景が。
全部嘘みたいだった。
白昼夢を見ている気がした。
蝉の声だけがうるさい。
世界は止まらない。
俺だけが取り残される。
気付けば、 大人達に取り押さえられていた。
何人もいた。 誰かが俺の腕を掴む。
でも。
そんなのどうでもよかった。
俺は暴れた。
叫んだ。
ふうはやの名前を呼び続けた。
何度も、 何度も… 何度も!!!
rm「一緒に死のうって約束したじゃん…」
気づけば涙が出ていた。
だけど。
返事はなかった。
その夏の日。
俺達の逃避行は終わった。
ふうはやだけがどこにも見つからなくって
どこにもいなくて….
まるで最初から存在しなかったみたいに。
━━━━━━━━━━
そして時は過ぎていった。
ただ暑い暑い日が過ぎていった。
蝉は相変わらずうるさかったし。
空は馬鹿みたいに青かった。
世界は何も変わらなかった。
俺だけ置いていかれたみたいだった。
学校へ行く。 教室へ入る。 先生がいる。
クラスの奴らがいる。
笑い声も聞こえる。
全部ある。
何一つ欠けていない。
それなのに
ふうはやだけがどこにもいない。
朝、 教室に入った時。
無意識に隣の席を見てしまう。
誰もいない。
いや。
正しくは違う。
知らない誰かが座っている。
それなのに。
今でもそこにはふうはやがいる気がしてしまう。
窓際で寝ている姿。 くだらない話をしてる姿とか。 馬鹿みたいに笑ってる姿とか。
全部見える。
見えるのに。
手を伸ばしてもいない。
放課後。
帰り道。
コンビニ。 ゲームショップ。 公園。
どこを歩いても。
思い出だけが増えていく。
ふうはやはいない。
もうどこにもいない。
家へ帰る。 親がいる。 ご飯がある。
テレビの音がする。 普通の日常。
何も変わらない。
何も失っていないような顔をして。
世界は回っている。
それが少しだけ憎かった。
それでも。
俺だけはあの夏から進めなかった。
時間は過ぎていく
ずっと…. ずっと。
俺の記憶の中に取り残されたままだった。
そして気付く。
人は案外簡単に死ぬ。
でも。
忘れることだけは、 どうしてもできなかっ た。
━━━━━━━━━━
九月の終わり。
少し肌寒くなった帰り道。
ふいにくしゃみが出た。
そして、 何故か。
六月の匂いを思い出した。
雨の匂い。 濡れた制服。 震える肩。
部屋の前で泣いていたふうはや。
あの日から、 何も変わっていない気がした。
俺だけ、 ずっと。
あの日のままだった。
君の笑顔は…. 君の無邪気さは。
頭の中を飽和している。
忘れようとしても。
忘れられない。
教室の窓際。 くだらない会話。
馬鹿みたいに笑う声。
全部。 全部残っている。
そして。
最近になって。 ようやく気付いたことがあった。
ふうはやは。
最後まで。
自分が悪いと思っていたんだ。
人を傷付けたから。
みんなに迷惑を掛けたから。
自分なんていなくなった方がいいから。
ずっと…. ずっと、
そう思っていたんだ。
俺は気付けなかった。
隣にいたのに。
本当は、 言わなきゃいけなかったのに。
誰も何も悪くないよ。
ふうはや。
お前は何も悪くないよ。
そう言わなきゃいけなかったのに。
俺は言えなかった。
励ますことばかり考えて。
笑わせることばかり考えて。
一番大事な言葉だけ。
最後まで言えなかった。
もういいよ。
投げ出してしまおう。
本当は。
俺に。
一度だけでも。
「悪くない」 って。
違う言葉を。
求めていたんだろう?
なあ。
ふうはや。
お前。
ずっと。
そう言って欲しかったんだろう?
━━━━━━━━━━
終わりです!完結😭😭🫶💖
最後まで見てくださりありがとうございます!︎💕︎
書いてる時もうわぁぁぁ😭︎💕︎みたいなテンションでした笑笑
ではまた🍀*゜
コメント
1件
ああ……読んでて涙が出ました。 ふうはやが最後に見せた笑顔が、どうしても頭から離れないです。 「一緒に死のうって約束したじゃん」っていう言葉、すごく重くて苦しくて。 でも、その前にふうはやが「お前がいたからここまで来れた」って言ったのが、どれだけ本心だったかと思うと…。 最後の後悔のシーンも、胸がぎゅっとなりました。 本当に、読んでよかったです。お疲れ様でした🌷