街に行ってから1週間経った
僕は未だあのスイーツ達を忘れないでいる……
だってしょうがなくない?
僕前世でも勉強ばっかであぁいうの食べてなかったのよ?
あんな色のアイスとかパンとかジュースとかさ
食べてみたかったの!
夢が1個叶ったみた〜い
あと少し体重が増えちゃった……
兄さんも「太ってしまった」って真顔で言ってた
やっぱ甘い物は適度に食べないと肥満になっちゃう
クーリーは痩せ型だからあんまり太らないみたい
全世界の女性を敵に回したね
さてさて、今の時刻は午前5時
少々早く起きすぎたみたいだ
皆ぐっすり寝てるし当分起きそうにない
パジャマだけど靴履いてまた探検しよっかな
扉の下の隙間から光が漏れてる
廊下は明かりが付いてるみたいだ
音を立てないように扉を開く
重たい……
「んしょ、……」
眩しい光が目に差し込む
さっきまで薄暗い部屋にいたから目が痛い
そしてまた音を立てないように扉を閉めたら探検開始だ
「誰か起きてるのかな……、」
小さい足音を立てながら小走りで廊下を進む
キョロキョロと見渡しながら進んでいくと何やら美味しそうな匂いがしてきた
「……なんだろ、」
好奇心で匂いのした方向へ進む
どうやら厨房の方かららしい
近付けば近付く程匂いが増す
厨房に着いた
カチャカチャとかジュージューとか調理する音が聞こえる
チラッ
覗いてみた
マイクがいる!
詳しく言うとマイクとコック達だがマイクはいつもみたいにオドオドしてなくてテキパキと働いている
調理の説明とかきちんと言ってる!凄い!
僕がそあマジマジと見てると、
〔アキト様?〕
マイクがこっちに気付いた
マイクは素早く手を洗うと僕の方へ駆けてきた
〔おはようございます!アキト様、!〕
ふわふわとした赤髪を揺らしてこちらへ来るとしゃがみ込んで目線を合わせた
〔お早いお目覚めでございますね〕
「マイク!おはよう」
「なんだか起きちゃって…だからちょっとした探検に来たの」
〔そうでございますか、!では少しだけ朝食を味見してみますか?〕
「えぇっ!いいの?」
やった!
これは嬉しいな〜今日のご飯は何だろう
〔少々失礼致しますね、!〕
「ぅわっ」
マイクが僕を持ち上げた
僕はまだ身長が厨房の机よりだいぶ下だ
だから食べさせるために持ち上げてくれたらしい
しかし持ち上げられるとは…やはりもっと身長が欲しいなぁ…もっと牛乳を飲まなければ!
〔アキト様、今日のご飯はカットしたフランスパンとベーコンを入れたオニオンスープ、スコーン、フォアグラのオムレツ、サラダです、!〕
〔味見はスープとオムレツで良いですか?アキト様はスープがお好きでしたよね、!〕
「うん!ありがとう!」
好きな食べ物覚えててくれたんだ!嬉しいな
するとマイクが少し底の深いスプーンにスープを掬って口元に寄せた
〔お熱いですからね、少々冷ましますね〕
と、ふーっと息を吹き掛けた
〔どうぞ、アキト様〕
「ありがと!」
すすっとスープを食べる
〔どうでしょう…、?〕
「ん〜! 美味しい!」
好きな味
僕はマイクのこのスープがお気に入りになった
〔ではオムレツも食べますか?大人っぽい味ですがアキト様もきっと気に入りますよ、!〕
「うん!」
するとマイクは普通の小さなスプーンでオムレツを掬った
〔こちらは適温ですので頂けます、!〕
と、またスプーンを僕の口へ寄せた
僕はパクッと食べた
「んっ!これ美味しい!」
フォアグラって前世食べた時ぅげぇ……ってなったけどこれは美味しい!
なんだか味がまろやか?になってる!美味しいなぁ
〔それはそれは、!良かったです…!〕
〚コック長、新しい指示を頂けますか……〛
僕らが話していると厨房のコックの1人が言った
そう言えば今みんな仕事中じゃん、!
「ぼ、僕もう行くね…!味見すっごく美味しかった」
〔おや、そうでございますか…!ではまた後で…〕
「うん!またね!」
やっぱりお仕事の邪魔をするのはよくないよね
僕は少し駆け足で廊下を進んだ
ある程度進んだ時、窓から何か見えた
赤い髪と…、灰色の髪…?あぁ!リックとベリーだ!
2人はもの凄い速さで戦ってる
模擬戦という物か……!
やっぱり訓練って大切なのかな…?
木の剣を持っていっぱい動いてる(?)
そう考えているとベリーがこっちに気付いて手を振ってきた
僕は窓を開けた
《おはようございますアキト様〜!お早いですね〜!》
彼が笑顔で言うから僕も笑顔になってしまう
リックもペコリと頭を下げた
「おはよう!2人共!」
そうして2人が手を振るのを確認すると僕は窓を閉めた
「2人共凄かったな〜やっぱり執事ってそういうのも達者でなきゃいけないのか」
さっきの2人に感嘆しながらまた廊下を進む
着いた先は図書室、暇潰しに本でも読もうかと考えたのだ
重そうな扉に手をかける
ギィィィ…
開いた先にはいつも本を読んでいる図書室がある
毎回この本の多さに慣れずに圧倒されているんだ
「何読もうかな……、」
[おや?]
聞き慣れた声がした
この声はきっと僕の専属、セルだろう
今思うとラッセル・アビントンって名前カッコいい
そんな事を考えているとセルが駆け寄って来た
[アキト様?!こんなにお早く目覚めるなんて珍しい……どうかしましたか?]
「起きちゃって暇だから本を読みに来たの」
[あらら、そうでございましたか………一緒に読みますか?(笑)]
!
願ってもない事だ、!
僕はセルの読み聞かせが結構好きである、なんたって声が良い。そして演技力も抜群だ。
もちろんリックやベリーも上手だが……
リックは読むのが少し早くて、ベリーは優し過ぎる声で眠たくなっちゃう
(でもリックは勉強を教えるのが得意でベリーは体術を教えるのが上手いんだ!)
だからぼくはセルの読み聞かせが一等好き
「いーの、?」
[もちろんでございます!アキト様、今日は何の本に致しますか?]
「えーっと、今日はね……」
こういう時間も良いものだ
たまには早起きもしてみてもいいかもね
おまけ
「、!」
「アキト!アキトがいない、?!」
【はぁ?!ガチかよ…!どこいった?!】
「まさか連れ去られたり……あんなに可愛いから、!」
【それはねーだろ】
「いやあるだろ!アキトだぞ?!」
【取り敢えず探しに行くぞ!】
次からは置き手紙をちゃんと書こうと思った。
コメント
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俺は未だフォアグラのオムレツが食べれません。 ぅげぇ……ってなりました。