コメント
7件
最高だぁぁぁぁぁぁぁぁ!続き楽しみにしてる!
🐈️×⛓️♀
紫視点
「言葉は魔法」
私はそんなことを言われて、育ってきた。
昔、おばあちゃんに言ってもらった言葉。
昔の私はいまいち理解をすることがあんまできなかったけど、学生になって少し大きくなった私にとってはいい言葉だなと思っている。
第一章「言葉は魔法」
*
言葉は魔法。この言葉は知ってますか?
そんな言葉を言われたのは、まだ小さい5歳の頃。
私はものすごくおばあちゃんっ子だった。
おばあちゃんの家が隣だったから、外に出ておばあちゃんと話したりすることをよくしていた。
おばあちゃんは小説家だった。
私は、おばあちゃんが作る物語が大好きだったんだ。
でも、おばあちゃんが病気になってしまった。 おばあちゃんが入院をした。
そのころからおばあちゃんは、白いベッドの上で寝ている。
退屈だったのかな?
お見舞いに行きたい〜って駄々をこねたが、共働き家庭だったから平日は行くことができなかった。
土曜日は習い事があってあんま行けなかった。
行けるのは日曜日。
その頃の私は日曜日を楽しみに一週間を過ごしていた。
でもおばあちゃんは今は亡くなっちゃって、会えることのない存在。
おばあちゃんっ子だった私には悲しくてしかたなかった。
それでもおばあちゃんと話したことは少しだけ覚えている。
そのおばあちゃんと話した話というのは、
5歳の夏、おばあちゃんの病気が少し悪化していた頃。
お見舞いに行って、おばあちゃんと話させてもらった。
「言葉は魔法」おばあちゃんはそう言った。
ちっちゃい頃の私はあんま意味が理解できなかった。
紫「どういうこと〜?」
私はそういった。
おばあちゃんは微笑みながら優しく話してくれる。
「言葉というものはね、時には人を傷つける矢にもなって、
時には人を助ける盾になってくれる。」
「そうなんだね〜!」
私はわかったような顔でおばあちゃんに言った。
他にも、おばあちゃんは優しい顔で言霊について教えてくれた。
「言霊ってのはね…言葉にも魂がある。夢を言葉にして話したら、言葉の魂が叶えさせてくれるんだよ。」
おばあちゃんはまたそうやって話してくれる。
なんだか、すごいなぁと思いながらその日は過ぎていった。
そして、おばあちゃんと話たりする、楽しい日が過ぎていく。
おばあちゃんはまた、お見舞いに行ったときには、「人間とは、いつか命が尽きるものなんだよ。電池みたいにね。だけど命は…変えることができないから。大切に使いなさいね。」
また、話してくれる。
そんなおばあちゃんが大好きだった。
でも、時は進み続ける。おばあちゃんの病気も悪化していく。
私が五歳の秋頃、おばあちゃんは天国へと旅立った。
おばあちゃんが最後に話してくれた言葉。
それは、
「言葉は魔法」
今まで何度も私に言って、私はもう聞き慣れていたけど、涙が出てきた。
私はお母さんに抱かれながらずっと泣いた。
でも、命は変えることができない。
仕方ないんだ。と自分の心に言い聞かせた。
第二章 君はまるで太陽
私はもう15歳。
昔の出来事から、十年ほど立っている。
時は進み続けるとは、このことだろう。
そして、私には幼馴染がいる。
それは、私にとっての太陽の存在で、かっこいい。
橙「しの〜!」
今は朝。
うるが走りながら私の家へと走ってくる。
紫「おはよ〜!うる!」
橙「はよや〜!ってか!作文終わった?」
走ってきたからか、息切れをしながら私に話してくる。
紫「作文終わったよ!」
作文というのは、”大切な人”がテーマで、作文を書いてクラスで発表する。
そして各クラスから一人代表者を出して、全校の前で発表をするらしい。
昨日、担任の先生に作文発表があることを言われて、今日と明日で書き終わってと言われている。
橙「もう終わったん…?うるみや全く終わってないんやけど」
紫「作文は簡単だったからね〜!」
橙「しのはええよなぁ…文の才能あるし」
紫「おばあちゃんが小説家だったから!」
橙「そんなこと言ってたわ…」
うるみやには、話してないことがないんじゃないのかなってくらい話している。
そんなことを話しているうちに学校につく。
橙「あっ!?大切な人って誰にしたん!?」
うるがそう聞く。
紫「んーっとね…おばあちゃん!」
橙「へぇ…おばあちゃんか…」
おばあちゃんには、伝えたいことがたくさんある。ありがとうの気持ちはもちろん、
もっと色々な話を聞きたかった、一緒に笑いたかった…。でも、もうそれは叶わない。
橙「うるみや誰にしよっかな~」
紫「お母さんとかでいいじゃん!」
橙「母さんかぁ…父さんでいいや」
紫「むっ…私がお母さんにすればって言ったのに…」
橙「はいはいごめんな〜」
うるは、よく人をからかう。
うるにからかわれて何度泣いたことか…
歩いていて、教室に着き、席に座る。
うるとはクラスが違って、私が一組、うるが3組。
おばあちゃんはうるのことを知っていて、うるのことを好いている。
うるは、私が三歳の頃、関西から家の近くに住んでる。
昔からずっと一緒だ。
そして、おばあちゃん、私、うるの三人でおばあちゃんが入院する前、少し、
遊んだときもある。
おばあちゃんはうるのことを私の未来の夫と言っている。
そんなわけないとおばあちゃんに私は言う。
だけどおばあちゃんは「絶対夫はうるくんにしときなね〜。お似合いだよ」
とまだ幼い頃の私に言う。
「もうおばあちゃんの言葉に魂入ったからね」
と言ったりもする。
そんなことを考えていると、もうチャイムが鳴る。
みんなが一斉に席に座りだす。
私は朝だけど早く学校終わんないかな〜って思っていた。
授業が全て終わった。私は部活に入ってない。
帰るときには同じく部活に入ってないうると一緒に帰る。
速歩きで三組に向かう。
するとうるの姿が見えた。
友達に手を振っている。
橙「しの〜!!」
紫「うる〜!さっきぶり!」
橙「お願いがありまして…」
紫「急に何…?笑」
橙「作文一緒に考えてくれませんか」
うるが両手を合わせてそういう。
紫「はいはい…でも自分で書かなきゃ意味ないんだよ!」
私はうるにお願い事をされたら断らなきゃいけないけど、
申し訳なくていいよと言ってしまう。
それが私の悪いところだ。
紫「じゃあ一旦帰って荷物置いたららうるの家行くね〜」
橙「はいよ〜」
第三章 言葉は心を刺す矢でもある
橙視点
うるみやは今、泣いているしのの背中をさすっている。
事の始まりは、しのが妹と喧嘩したらしい。
喧嘩したくらいなら泣かなくてもええのになぁと思っている。
でもうるみやはしのが泣きながらうるみやのドアの前に立ってるからビビったわ笑
そしてうるみやの部屋にしのをつれて、一緒にベッドの上で座ってる。
橙「どうして喧嘩したん?」
うるみやは恐る恐るしのに聞いた。
紫「いつも妹がさ…私の服とか、くしとか香水とか勝手に使うのね?」
しのは手で涙を拭き取りながら話す。
うるみやは、ティッシュを取ってきてしのの顔を拭く。
紫「だからもう自分の使いなよって強めに言っちゃったの…」
橙「そして?」
紫「そしたら妹に、別に関係ないじゃん、ブスのくせにって言われてさぁ…(泣」
橙「うんうん」
紫「なんかムカついて出てきちゃって…(泣」
紫「嫌われちゃったかな?(泣」
泣きながらしのはすべてを話した。
橙「泣くことじゃないやん…笑」
紫「だってぇ…だって…(泣」
うるみやはしのを抱きしめる。
しばらくして、しのは泣き止んで落ち着いた。
紫「ご迷惑おかけしました…笑」
しのはすこし恥ずかしそうに言う。
橙「全然大丈夫やで笑」
紫「言葉は矢ってこういうことなんだね…笑」
橙「ああしのの婆ちゃんが言ってたやつ?」
紫「そうそう」
橙「普通にしのが豆腐メンタルなだけちゃうん?」
紫「なっ!違います〜!」
しのは否定をするけど、うるみやには豆腐メンタルにしか見えないんやけど…笑
まぁそんなとこもかわええなと普通に思う。
うるみやも改めて言葉遣いには気をつけようと思った。
次回…言葉も愛情