テラーノベル
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o「なぁ若井…」
w「何?」
o「もう一年経っちゃった」
w「…だね」
o「涼ちゃん、どこにいるんだろ?」
「この仕事してても情報、集まんないよ」
「なんで涼ちゃんは…」
「”不可解”になっちゃったの?」
w「わからない」
「わからないから探すんだ」
「涼ちゃんを救うために」
プルルルル プルルルル
o「電話…」
w「俺が出る」
「お電話ありがとうございます」
「こちらは青林檎不可解相談ダイヤルです」
「どうなさいましたか?」
?『……っ』
『…もと……ひ………と』
w「ん?」
o「かして」
?『い……や………しにた………たす」
a『いぃやあぁぁぁぁあぁ!!!』
o「うっ」
w「なになになに?」
ブチッ ツー ツー
o「不可解からの電話」
「たまにあるの」
w「うぇえ」
「こっわ」
「ん?」
「元貴?」
o「さっきの声…」
プルルルル プルルルル
o「お電話ありっ…」
?『モトキ…ヒロト……」
o「っ!!」
「涼ちゃん?」
「涼ちゃんなの?」
?『タス………ケ…テ』
a『いやあぁぁぁぁぁぁ』
『ビシャ ビチャッ ズルズル』
o「涼ちゃんっ?」
f『俺じゃ……俺じゃない…』
『ビチャッ 』
b『不可解っ』
『逃げっ ガタッ』
『ビチャッ ビチャッ』
?『チガ……オレ…………ダレ?』
『ゴトッ』
『ブチッ ツー ツー ツー』
o「涼ちゃんっ 涼ちゃん!!」
w「元貴っ」
「いまの電話」
「涼ちゃんなの?」
o「……たぶん」
w「涼ちゃんっ」
「やっと出てきてくれた…」
「でも…今の音……」
嫌な予感がする
一年前のことを思い出してみる
一年前
side:o
o「ねぇ涼ちゃん」
f「なに?元貴」
o「涼ちゃん大好きっ」ギュッ
f「なぁに」
「今日は甘えん坊だね」ナデナデ
w「外なんですけどー」
「それに俺もいるんですけどー」
f「滉斗も来る?」
w「涼ちゃん大好きっ」ギュッ
f「あははっ」
「こんな日が続けばいいのにねぇ」
o「何涼ちゃん」
「柄にもないこと言っちゃって」
f「ふふっ」
「なんとなく!」
「俺も大好きだよっ」
「2人ともっ」グサッ
は?
涼ちゃん?
血?
c「ハァ……ハァ…」
「やった」
「やっちゃった」
「逃げなきゃ」
w「はっ?」
俺はこの瞬間全てを理解した
涼ちゃんが刺された
w「逃げるなっ!」
f「ひろと……いいよ」
「…もう…いいから」
w「救急車っ」
o「涼ちゃんっ」
「死んじゃうの?」
「ダメだよ」
「僕らを置いて1人だけ死ぬなんて」
「ゆるさないよ」
f「ごめんねぇ」
「ゴポッ」
「もうダメみたい」
「ダメなところ刺されちゃった」
「もう…体痛くないんだぁ」
w「いいから、涼ちゃんもう話さないで」
「もうちょっとで救急車来るから」
f「ごめんねぇ」
「あぁ…」
「生きたかったな」
「もっと2人と一緒にいたかった」
o「涼ちゃんっ」
「手が……」
「黒くなって?」
w「涼ちゃん?」
f「元貴…滉斗………」
「愛してる」
w「涼ちゃんっ」
「涼ちゃん!!」
その瞬間
涼ちゃんはどろどろに溶けて消えてった
ピーポーピーポー
救急車が到着したのは涼ちゃんが消えた後だった
僕らは全てを隊員に話した
すると
そこで初めてあの単語を耳にした
d「不可解になっちゃったのかもですね」
o「不可解?」
w「何それ」
d「超常現象みたいなものですよ」
「妖怪とはまた違う」
「呪いみたいなものです」
「知り合いに詳しい人がいるので紹介しましょうか?」
o「お願いします!」
その人によると涼ちゃんは間違いなく不可解になってしまったそうだ
なぜなったのかはわからない
どこにいるのかもわからない
僕たちは涼ちゃんを探すため
その情報集めとして青林檎不可解相談ダイヤルを作った
たくさんの不可解の話を聞くうちに不可解とはよくわからない存在だと言うことがわかった
ほとんどが闇に包まれている
その中でも名前のついている有名な不可解
「赤い部屋」とか「トイレの花子さん」とかそう言う不可解はいろんな伝承があるが
涼ちゃんは?
偶然不可解になってしまった可哀想な不可解
当然なんの情報もない
目撃情報もない
だから粘り強くこの仕事を続けて今に至る
[速報です]
ow「!」
[○時××分ごろ○○県○○市で15人の人が亡くなっていると……]
o「涼ちゃん……」
w「そんな……」
o「ついに被害が出始めた」
「止めなきゃ」
「一刻も早く涼ちゃんを救わなきゃ」
w「うん」
「でも涼ちゃんどこにいるの?」
o「涼ちゃんにこっちにきてもらうんだよ」
w「どうやって?」
o「俺に考えがある」
待っててよ涼ちゃん
すぐに助けてあげるから
to be continued
コメント
1件
口調迷子 涼ちゃんは 「○○だねぇ」 みたいなイメージ