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母が亡くなって2日が経った。
学校には連絡を入れ、1週間の休みを貰った。
今日は葬式の日だ。
僕は気持ちの整理がつかないまま向かった。
葬儀場では母の職場の人達が多く来ていた。
だが、僕はそこに違和感を覚えた。
1人だけ隅の方で大人しくしている人が居た。
(まぁ1人が好きな人も居るか)
そう思い気にしない事にした。
そして、葬儀が始まった。
と言っても、何の変哲もない普通の葬儀だった
何事も無く葬儀が終わり、帰ろうとした時
「すみません…ちょっと良いですか?」
振り返ると、そこには女性が立っていた。
「どうされましたか?」
「私、昔宮西さんにお世話になったんです。だからそのお礼をしようと思ったんですが…」
「母に…ですか?」
「はい。しかし、亡くなってしまったと聞いて…せめて葬儀には参列しようと思って 」
「そうだったんですね…」
母は昔から困った人を見過ごせない性格だったので別に不思議では無い。
「また後日、宮西さんのお家に伺っても良いですか?」
「全然大丈夫ですよ」
「ありがとうございます!」
そう言って、その女性はお礼をして早足で去っていった。
「そういえばいつ来るか聞いてないな…まぁ良いか」
また聞けば良いかと思い家へ踵を返した。
葬式から3日経った。
相も変わらず僕は機械的な毎日を過ごしていた
「こりゃ天国行ったら叱られるだろうな」
独り言を言っているとチャイムがなった
ドアを開けると、葬儀で会った女性が立っていた。
「こんにちは、上がっても大丈夫ですか?」
「全然大丈夫ですよ。どうぞ」
僕が促すと 女性は袋を持ちながら部屋へ入っていった。
そして女性は居間にあった椅子へ腰掛けた。
僕は女性に麦茶を入れ、手渡してから椅子に座った。
葬儀の時は特に気にしなかったが、女性はすらりとした体型で身長は僕よりも高く170は超えているだろう。
沈黙が続き、気まずくなって咄嗟に口を開いた。
「そういえば、お名前はなんて言うんですか?」
「黒瀬優花って言います。一応聞きますけど貴方の名前は?」
「宮西白花って言います。一応高校2年生です」
自分で言うのもなんだが、女性らしい名前なのには思うところがある。
「そうなんですか?実は私も高校2年生なんですよ!」
意外だった。このスタイルなら大学生とも見惑うレベルだった。
「そうなんですね。じゃあお互い敬語もあれですし、タメ口で話しませんか?」
「…分かった。そうしようか」
優花は承諾してくれたものの気まずくて会話が続かない。
そう思っていると優花がつけていた装飾に目が止まる。右耳には赤い薔薇のピアスが、左耳には黒色の薔薇のピアスがそれぞれ付けられていた。
「優花、そのピアスは?」
「あぁこれ?これはね、私が薔薇好きだから付けたんだよ。」
「そうなんだね。」
「宮西君も下の名前白花だけどはっかって読むんだよね?」
「ああ。はっかにも花言葉があるらしくてね、「美徳」とか「思いやり」とかって意味があるらしいよ」
「へぇ~!そうなんだね!」
「じゃあさ、薔薇の花言葉って知ってる?」
「もちろん!貴方を愛していますって意味でしょ?」
「まぁ赤い薔薇はそうだね。でも、薔薇は色や本数によって意味が変わるんだよ。例えば黄色だったら「友情」だったり白だったら「純粋」だったり色々あるよ。それじゃあもう1つ質問してもいい?」
「どうしたの?」
「黒色の薔薇の花言葉って知ってる?」
「うーん…分からない。何ていう意味なの?」
「それはね」
何故か一瞬だけ優花がニヤリと不敵な笑みを浮かべたような気がした。それと同時に嫌な予感が込み上げてくる。
優花が袋から何かを取り出す。それは、居間の電気の光を反射して輝いていた。
咄嗟の事に驚いていると優花が勢いよく立ち上がり、僕の前に立ちこう言った。
「黒色の薔薇の花言葉はね」