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ゆぅ。
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やる気が起きない
mtk side
若井とお揃い、というのがなんだか嬉しくて
余計に機嫌が良くなった。でもまだ心の奥底に沈んだ悲しみは消えていない。
「 若井 バレンタイン もらった ? 」
「 まあ 、一応 」
「 うーわ 、すご 。何個ぐらい ? 」
「 今んとこ … 3個 ? 」
顔もかっこよくて高身長で、運動ができる陽キャは彼は当たり前にモテている。友情は狭く深くタイプの僕とは大違いだ。
「 … やっぱモテるよねえ 。 」
「 そう ? 元貴もモテそうじゃん 、かわいいし 」
「 … ど 、どこが ? 」
さらっと「可愛い」と言ってのける若井に驚いて、咄嗟に聞き返してしまった。「ここがこうだから可愛い」だなんて丁寧に説明されてしまったら顔がほんのり赤くどころか、まっかっかになると思う。
…そもそも好きな人に可愛いと言われて正常でいられる人がいるのだろうか。
「 うーんとね 、ほっぺがもち … 」
「 大丈夫 。大丈夫 言わないで 」
僕が若井の説明を必死に止めていると、教室の扉がガラリと開いて担任が入ってくる。
『 はーい 席ついて 。 』
二人で一緒に「はーい」と軽く返事をして、席につく。まだ「かわいい」と言われた余韻が心臓の鼓動を早まらせている。
朝のホームルームが終わると、次の家庭科のために被服室に移動する。
「 元貴 、一緒に行こう 」
「 うん っ 。 」
ふたりで肩を並べて廊下を歩く。若井が女子に声をかけられ、にこりと笑うときゃっと小さく悲鳴が上がる。
あぁ、やっぱり僕とは違う。そう思った。
若井に対しても、気軽に声をかけられる女子に対しても。
なんやかんやで7限までの授業が終わり、ひとりで帰りの支度をしていると後ろから肩を叩かれる。びくりとして後ろを振り返ると、そこに居たのは若井だった。
「 びっくりした … なに ? 」
「 一緒に帰ろ ? 」
「 ん 、いーよ 。 今日サッカー部休み ? 」
「 そ 。 」
持つよ、という言葉に甘えて、自分のスクールバッグを若井に渡す。靴を履き替えようと若井が下駄箱を開けると、ごとごとと音を立てて数個のお菓子箱が落ちてきた。
「 うわ っ 、まじか 、 」
「 なにその 量 … やばいって 。 」
若井が苦笑いをしながら落ちてきたものをバッグに詰め込む。その様子を見ていて、ふと思い出した。若井にバレンタインをあげる予定だったのに、あげられていないこと。
「 あ … 若井 、これ … 余り物だけど 」
「 なにこれ 、マカロン ? 手作りじゃん 」
「 えへへ … 家で作ったんだよね 、
あ 、余り物だからね ! 余り物 ! 」
「 うん 、ありがとう 笑 」
若井がくすくす笑いならそういうと、ポケットから小さいキャラメルを取り出す。
「 これお返し 」
「 あ 、ありがと … 」
若井に手渡されたキャラメルを見て、どきっとした。キャラメルの意味はたしか…「あなたといると安心する」だったはず。いや、でもそこまでの意味は込められていないか。流石に、うん。
「 … なんでキャラメル ? 」
「 え 、いや … 別に 。 」
「 そうだよね 、 」
勝手に期待した自分が馬鹿だった。
wki side
「 … なんでキャラメル ? 」
そう元貴に聞かれて、どきっとした。やばい、バレたかも、と。
お返しはもっとちゃんとする予定だったが、ポケットにキャラメルが入っているのを思い出した。「あなたといると安心する」伝わって欲しいけど伝わって欲しくない。だから「持ってたからあげる」を装って渡した。
「 え 、いや … 別に 。 」
「 そうだよね 、 」
少し眉を下げて言う元貴を見て、きゅっと胸が締まる。なんでそんなに悲しそうな顔をするんだ。マカロンの意味も「あなたは特別な人」だし…
いや 、余り物って言ってるし。
勝手に期待した自分が馬鹿だった。
コメント
1件
読んだよ〜!!第3話、もう両片思いすぎて心臓がきゅんきゅんした😭💕 マカロンとキャラメルの意味をそれぞれ知ってるのに「余り物」「持ってたから」って素直になれない感じ、リアルすぎて苦しい…! 最後の両方の「勝手に期待した」が重なるの、ずるすぎるよ〜!次どうなるか気になって仕方ないよ!🌸✨