注意:阿呆鳥が病んでいます。自傷行為、自殺未遂あり。
「嗚呼、僕って疲れてたんだなぁ。」
そう深く溜飲を吐き捨てた
指一本すら動かせない。まるで地球の重力全てが僕の事を圧死させようとしてるみたいに。
身体が重い、何をするのにも億劫で、心ばかり苦しくなってしまう
ぼんやりとフェードアウトする視界の中には書類作業用のカッターがあった。
ふと、思ったのだ、
これで頸椎を掻っ切って死ぬ事が出来たならばどれだけ楽なのだろう。
とそんな事したらいけないのは頭では分かってる。
でももう希望なんてちっとも湧かない何時ものハイテンションで明るい太陽みたいな僕はどこへ行ったのか。
自室に戻れば項垂れてばかり、こんな僕が嫌いだ
「………痛いだけで、結局、何にも変わんないじゃん、」
自分を傷付ければ、楽になれるのだと思ってた。
でも何にも変わんなくてずっと心が曇った儘で呼吸するのすら億劫になってしまう。
眠たい、途轍もなく眠ってしまいたい、
でも目が冴えてしまって生殺し状態でどくどくと無惨に切り刻まれた腕は脈を打つ。
「さっきから、でもでもばっかじゃん、」
生きるのも、死ぬのも何も変わらないや。苦しいのがずっと続くのか、一瞬で終わらせてしまうのか。みんなと比べて数字に疎く余り頭の良く無い僕でもわかる事だ
そういえば新しい銃を仕入れたんだっけ?朦朧とした意識のまま引き出しの中を漁り、書類の下に埋もれたデザートイーグルを手にした。
重厚感のあり、黒く輝く其れを割れるように痛む頭に突き付けてほっとした。やっと楽になれるんだ。そう思った
ただ引き金を引いたはずなのに意識がはっきりしていて何故か壁に銃弾がめり込んでいる
「駄目ですよ。阿呆鳥さん、ほら腕の治療しますよ。」
気がつくと銃を取り上げられて、僕の隣に外科医がいた。いつも不気味に微笑んでいる彼だが今ばかりは至って真面目で真剣な表情で目の前の患者に治療を施していた
あんぐりとした僕に目を遣らずテキパキと応急処置を続ける彼はまさに圧巻だった
自分の考えていた事が莫迦らしく見えてしまって、つい笑ってしまった。そこでやっと外科医が口を開いた
「阿呆鳥君、随分と傷が深いですが何か思い悩む事でもありますか?いっそ此処で吐き出してみたら楽になるかも痴れません。」
「え。………わかんない、」
………あの外科医がこんな事を言うとは珍しいと自分の耳を疑った。彼は途轍もなく優秀な医者だ
「……大切な人ですから、自分の手で治したいと思うのは医者として当然でしょう。兎も角、これから一緒にその理由を見つけていきましょう。」
だからこそ気付くこともあるだろう。だが其れを口に出したのが途轍もなく珍しく思えた。
「え、うん?」
何故そんな気を使ってくれたのは分からない。
「約束ですよ?」
「うん」
だけどもうちょっとだけ、いや…もっともっと生きてみようと思った
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