コメント
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片思いのシチュめっちゃ好きなので助かります🥹💕
nmmn,hb→akになります!
※fwak要素有
※地雷の方はご注意ください。
※ご本人様とは一切関係ありません。
akn→『』
hb→「」
です。
どーぞ!
『ねね、ひばり』
いつからかは覚えてない。
いつのまにかお互い下の名前で呼ぶようになって、1番仲のいい先輩は?と聞かれた際には、名前を挙げてしまうくらいには仲良くなった。
オフで遊んだことだってあるし、 俺の悩みもたくさん聞いてくれて、相談に乗ってくれた。
「ん?なになに明那さん」
明那さんは積極的に人に話しかけに行くタイプの人で、所謂人懐っこいとか人たらしとか言われるタイプの人。
だけど、ある一定の距離まで行くと自分からは踏み込んでこなくなる。近づこうとしても1歩、また1歩って下がっていってしまって、まるで『こっちに入って来ないで』と言われているような、そんな感覚に陥る。
仲良くなってから結構経ったけど、未だにそれは変わらないまま。
自分からは愛を振り撒くくせに、人からの愛は受け取らず逃げてしまう、愛に弱い人。
だから俺はこの気持ちを隠すことにした。
きっと明那さんは俺が抱いてるこの気持ちを知ってしまったら、どこか遠くに逃げてしまう。
男だからとかじゃなくて俺が”渡会雲雀”だから。
そうなってしまうくらいなら、明那さんにとっての”可愛い後輩”で居ようって決めた。
いつでも一定の距離を保ち、踏み込みすぎないようにいつも1歩引いてた。近くに行きたくても必死に我慢した。繋ぎたくなる手も見ないフリをした。
そうしないと明那さんに暴かれてしまう。それが1番怖いんだ。
それなのに、
『雲雀って恋とか…したことある?』
何も知らない明那さんは平気でそんなことを聞いてくる。
またこうやって振り撒いてくるんだ。
明那さんはそれを聞いてどうなのか。何をしたいのか。何の意味があるのか。
単純に、俺に興味を持ってくれて嬉しい。
ただそれだけでいいはずなのに。
どうしてか人間という生き物は、勝手に期待をしてしまうから。
「…流石にあるよ!あきにゃ、俺の事いくつだと思ってんの!!」
『えっごめんごめん!そんなつもりじゃなかった。……でも、そっかぁ…したことあるんだ…』
なに、その反応。期待しちゃうよ?
俺がもしここで言ってしまったら、明那さんはなんて言ってくれるの?
俺が欲しい言葉、言ってくれる?
「あきにゃは?」
別に聞きたくもない明那さんの恋の話。
けど、こうでもしてなんとかこの話を繋ぎ止めなきゃ、次いつ明那さんから恋話をしてくれるかなんて分かんないから。
…こんなことしても、明那さんが振り向いてくれるとかそんなこと無いのは分かってるんだけどさ。
分かってる。本当は分かってるんだよ、俺。
明那さんが誰かを想ってることくらい。俺じゃない誰かを。
だって、誰よりも2人のことを見てきた。
これ以上踏み込んでくるな。と引かれたラインを軽々と飛び越えてしまう人。求めない明那さんが自分から求めに行く人。明那さんに触れられる人。明那さんの唯一無二。
ほら、今だって、俺を見てると見せかけて視線は俺の後ろ。
いつだって明那さんは違う所を見てて、俺の事なんて少しも見てくれてないんだから、、。
『俺はね〜…実は、今してます。』
知ってるよ。
だから、俺の後ろを見ながら言わんでよ。
俺の目を見て言ってよ。俺に恋してよ、明那さん。
もう”可愛い後輩”だけじゃ嫌だよ。俺だって、明那さんの背中じゃなくて横顔が見たいよ。
明那さんの心、俺に頂戴よ…。
『あ!これ内緒ね。雲雀にしか言ってないから』
つまり俺じゃないって。俺じゃない誰かが好きって言ってるようなもので。
口ではこんなにも残酷なことを言って俺の事を突き放したくせに、心は離してくれない。ずっと掴まれたままで。
今も明那さんがやってる仕草に胸が苦しくなってるのに。
どんな時だって明那さんはずるい人だ。少しの期待も許してはくれない。
「もちろん!応援してるからねあきにゃ!」
としか言えないじゃん。
まだ話していたかったのに、明那〜、と呼ばれれば直ぐに行ってしまう。
その腕を掴んで、抱き寄せて、
「やっぱり俺じゃダメすか?」
って言えたら…いいのに…。
それが出来ないのは―…。
今日も君が、わっちさんの隣で笑うから。
―完―