時にふと
人とは何かしら新たな空想を作り出す
それは今この瞬間1秒1秒もだ
無意識なうちに生成される
特に子どもはよく無意識に空想を作り出す
ただ大人になるに連れそれはより具現化される
子供の頃は脅威になりにくいが
大人になればなるほど更に強くなる
だがもっとも空想が生まれるのは…
ut「あ…(やば、これ死ぬやつや」
mb「きゃぁ゙ぁ゙!人がぁ゙ッ!」
mb「おいッ!誰かッ~~~~!」
ut「(あぁ~…これからレミちゃんとデート行くとこやったのに…」
ut「(ろくにまともに人生生きてなかったからなぁ~…」
ut「(きっとこれは神さんから罰なんやろう…」
ut「あぁ゙ッ…wでもまだッ…スッ…」
ut「この世界に…天使様がおったらなぁ…ボソ」
まるで時間がゆっくりに感じる
ゆっくりと落ちていく
スピードは更に遅くなっているように身体は感じていた
そしてふと高校時代の窓ガラスを思い出す
真夏で暑い日差しが俺を焼き殺そうとしてくる
クーラーのない教室は蒸し暑く
蝉の鳴き声が先生の声を消していくあの感覚
入道雲を見ると傘を持ってきたか心配する
そうやってどこまでも広がる青空を眺めていると
いつも頭の中で俺は無意識に誰かを描いていた
特にそれは苦しい時にほどよく思い浮かぶ
子供の姿に幼い笑い声
でも何処か子どもとは違う
本来の子どもとはかけ離れているなにかがある
でも神秘的で
後ろには2対の羽がよく見える
黒に染まるまいというほど真っ白な羽
自分で作り上げたのに
いつもそれに見惚れていた
あぁ…こんな美しい少女が存在したら…
彼女はいつも笑っている
どこでもいつでも…
ut「……は?」
__「最後の最後で私を思い浮かべるとはとても賢明な判断だよニコ」
__「ここじゃなんだ、場所を変えようフワ」
ut「ちょッ!!」
mb「こッ、こっちですッ!!」
mb「って…あれ…?」
ut「はぁ゙ッ…ぅ゙ッ…ぉ゙えッ!」
__「大丈夫?」
笑顔を崩さないまま少女はそういった
その彼女の背中には天使の羽がついていた
まるで高校時代によく見た少女と似ている
ut「アンタッ…誰なんッ…?」
そうやって彼女に質問を投げた
子供ながら何処か落ち着く声を持っていた
少しながら光る黄金色の瞳に吸い寄せられて
俺は魅了されていた
__「申し遅れたね、私は君が作り出した”空想の天使”だ」
ut「空想のッ…天使ッ…?」
__「そう…人とは空想を作り出す天才でね~…」
__「助けて欲しい人ほど…特にそれは多くなる」
ut「じゃあ俺は…今君に助けてほしいって思ったから出てきたん…?」
__「というよりは…君が死ぬ寸前に”私を思い出した”…という方が正しい」
__「昔に見た一番美しく儚いもの…そして会いたいと思うもの…」
__「それが私だった、いや~wとても照れてしまうね…w」
そうやって無邪気な顔が笑う
細めでこちらを見つめて
感情の読めない瞳をどうにか読もうと試みる
けれど彼女はすぐに真っ暗闇の海を見つめた
__「でも良かった、君が死なれたら私も死んでしまうとこだったからね」
ut「ぇ゙ッ?!どういうことッ?!」
__「あぁ、安心してよ」
__「君が死んだら私も死ぬけど」
__「私が死んでも君は死なない」
何を言っているかが分からず
少し頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされる
そして彼女は歩み寄ってこういう
__「これから君は命を狙われるだろう…」
ut「はいッ?」
__「今までの普段の生活は出来なくなる」
__「女と遊ぶことも誰かを騙すことも」
改めて今までやってきたことを子供に言われると
とても心にぐさりと刺さった
けれど彼女は真剣な眼差しをしていた
__「そこで!君をその脅威たちから守るのが私の役目だニコ」
__「君はただの人間だけど…想像力だけは誰よりも長けている」
__「そして…私はきっとどんな空想よりも強い…スッ…」
其の少女は自分の胸に手を当ててそういった
ut「でもッ…俺だけやないんやろッ…?」
__「もちろん、この世界には私と同じ空想なんてくさるほどいる」
ut「ほんならッ…其の人によって空想がちゃうねんから強いとかッ…」
__「無いと思うでしょ?けど一つあるんだよ…」
__「空想を強くする方法…ニコ」
不気味なほどに笑顔な少女に
本能が逃げろと告げた
ut「どうッ…すんのッ…?」
__「それはね…クスッw」
そうやって言おうとした瞬間に
トラックのクラクションで彼女の音がかき消された
ut「ごッ、ごめんッ…何言ってるか全然ッ…」
__「今日は気分じゃないからニ度は言わないよ~♪」
__「それより…君の家に案内してよ!」
__「こんな寒いところで野宿なんて死んでしまいそうだ…」
わざとらしく寒そうな振りをして
僕の方をチラチラと見てきた
ut「…はぁ゙…分かった…ほな取り敢えず後でもう少し詳しく聞かせてやぁ?」
__「もちろん♪」
次回→喫 茶 店 の 上
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