※ほぼ愚痴
「……ねむ」
目をこすりながら布団を蹴飛ばして起き上がる。
「ふぁ……かったりぃ…」
ふらつく足取りで扇風機に近づいて、足で強のボタンを押す。
寝間着に強風は少々こたえるが、暑さでくたばるよりはマシだろう。
「あちぃー…」
思ったことをそのまま口から出すのは悪い癖だ、しかも無意識に。直そうと思っても自然と口から出てしまう、おかげさまで気遣いなんてできたもんじゃない。
まあ、嘘つきすぎてあまり発言に信頼ないから問題はないんだが。
「…なんか自分で考えてて悲しくなるなぁ」
一人でいると何故か変なことばかり考えてしまう。昔のことや今日のこと、将来のことも。
過去は乗り越えるべきもの、今日は過ごすべきもの、将来は考えるべきもの。
別に誰に言われたわけでもない。俺の頭が突然思いつくそんな言葉。正直言ってガキっぽいなと思う。
「……ガキっぽい、かぁ」
一人で考えていると痛感する。俺の思考は他と比べても非常に幼稚で、理想しか見てない、現実を見れない馬鹿の思考だ。
自分を被害者に、弱者に仕立て上げ、都合良く記憶を忘れ、書き換える。そんな馬鹿だ、俺は。
どうせ無理に負けない…だったか。いつだったかの授業でやったもの。
頭ではそれの意味をわかっているつもりでも、都合の良い心は言い訳だけを並べる。
才能がないだとか、飽きただとか、やる気ないとか。ましてや他人のせいにすることも度々。
変わろうとしても変わる気がない。
そんなんだから俺は…
「学校の時間だよー!!」
「……はーい」
母親が下の階から呼んでくる。少し憂鬱になりすぎたか。
今日は調子が悪いものだ。
「…きめぇなぁ」
鏡を見ながら自分に悪態をつく。自分の容姿が好きな奴がどれくらいいるのかは知らないが、俺はその中には入らない。
容姿に関しては半ば諦めているが、それでも劣等感というものはなくなりはしない。
容姿で褒められたことがないからそれもそうなのかもしれない。
……そもそも褒められた回数なんて数えられる程しかないしな。しかも内容は頭がいい、そればっか。
「あー…気分転換気分転換」
考えれば考えるほど憂鬱が深まるからな。こんなことに時間を使って学校に遅れるのはめんどくさい。
「学ランどこだ…?」
「あそこだあそこ」
時々最初から知っていることを自分にわざわざ聞いて自分で答えるという行動をするのは自分でもなんでかよくわかっていない。
中学になってからだった気がするが…これを人前でやるとたまに変な目で見られるから正直困りものだ。
ちなみに学ランを着ることはない。基本的には半袖のYシャツを着て過ごしている。
理由は色々あるが…一番の理由は暑いからだ。暑がりにはキツイものがある。
「ふぅ…」
着替え終わったが、ベルトがキツい。太ってるつもりはないんだけどな、なんかずっとキツい。
まあ考えても仕方ないし、学校行くか。
「やほ」
友達A「おはよ」
学校来たらまずなにも考えずに友達に話しかける。席替えで少し遠くなったのが悲しいけど。
そこで他愛もない話や友達と軽い暴言を言い合う。それがいつもの日常。
たまに暴力も起きるけど、別に仲が悪いわけじゃない。多分。
そんなことを考えていると朝の会が始まりそうだった。
朝の会の内容は退屈だ。学校のよくわからないことを言って、気にしたこともない目標を言って、先生の話を聞き流す。
正直、俺はこの時間が嫌いだ。というか、休み時間以外の学校が嫌いだ。
その原因は真面目に授業を受けてない俺にもあるんだろう。それに俺は一人でなにかするのはあまり向いていない。
一人だとすぐ飽きてしまうものあるんだろうが、ただ単に寂しいという気持ちのが強い。
それでも、俺は一人が好きだ。矛盾してるだろうけどな。
一人だと誰にも気を遣わない、人の評価も気にせず、好き勝手できる。誰も巻き込まなくて済む。
まあ、だからこそ一人だと憂鬱になってしまうんだろうな。
さて、俺の学校への評価に話を戻そう。
まず五教科。これは数学以外は嫌いだ。特に英語は滅んでほしいとまで思っている。何故かって?
先生「What day is it today?」
「は…?はぁ……?」
こんな具合で小学生レベルの英語すらわからないからだ。本当に滅んでほしい。ここは日本だぞ。
国語は暗記と読解力、語彙力。社会と理科はただの暗記。俺の大嫌いな分野だ。
昨日の記憶すら曖昧な俺に暗記を求めるとは世の中は鬼か?
あぁ、鬼だろうな。でなきゃ世の中は回らないんだから。
その点数学はどうだ、目の前の壁に立ち向かうような感覚。それをどうにか乗り越える感覚。そのどれもが素晴らしい。
まぁ、そのどれもに先駆者というサポーターがついてはいるがな。
というわけで五教科は数学以外はゴミだ。異論は認める。拳で語り合おう。
次に技能教科。体育は好きだ、体育は。
技術は不器用な俺には少しばかり厳しいものがある。もう自分の指にトンカチ打ち付けるのは勘弁だ。
美術は…昔は好きだったな。最近は絵を描くことすら無理になりつつある。正確には無理ではないんだが、どうしようもない気持ちというものもあるんだ。
家庭科。うん、これは言わずもがなだな。俺に女子力や家庭力を求めるのは間違ってる。ナマケモノに二十四時間労働を求めるくらい間違ってる。
音楽。歌うのは好きだ。でもそれは自分の好きな歌だからであって、たいしてうまくない、それどころか、下手な歌で、酷い声で、知らない歌を歌うのは嫌いだ。
体育は好きだが…中途半端感がある。バレーはサーブとアンダーハンドパスしかできないし、卓球はサーブとスマッシュだけ。バスケに至っては点でだめだ。バドミントンは少しうまいが。
よって、俺は基本的に学校が嫌いだ。行くだけでも機嫌が明確に悪くなる。
そんな俺の癒しが休み時間だ。
友達と他愛もない話をして、暴言をはいて、暴力で語り合って、顔面にボールを叩き込む。
友達とは本当に良いものだ。本音は吐き出さなくても一時の癒しになってくれる。
友達の一人が俺にあだ名つけすぎてそいつしか使わないあだ名が大量にあるのがなんか笑える。
友達は良いものだと思う。それは間違いない。
でも俺は、それに酷く黒い感情を向けてしまっている。あいつらも薄々気づいてはいると思うんだ。
友達「お前がメンヘラなの解釈一致だわ」
この一言に尽きるだろう。俺としてはそんなメンヘラみたいなことしてるつもりはなかった。うまいことやってると思っていた。
具体的にどんなとこがと聞いてもあいつは答えてくれなかったし、はぐらかされた。そういうところは本当にムカつく。
俺がおかしいことは重々承知だ。過去の経験、経験といえるかも怪しいあの出来事。あれで俺は学んだと思っていた。
あの胸を苦しめるドス黒い独占欲と、異常なまでの執着。そして、誰かから認められる『特別』
その気持ちを出してはいけないことくらいわかるようになった。今となってはあいつらに感謝してるくらいだ。
あれがなかったら、きっと俺は友達とまともに会話すらできなかっただろうから。
当然だろう、今でも時々あの気持ちが頭を支配してくるというのに。昔の俺だったら耐えきれたはずもない。
しかも俺は…クズだった。執着、それは個人に向けたものじゃない。別に、誰でもいいんだ。誰が相手だろうと、どんな奴だろうと。
そんなんだからあんなことになった。この話は友達には言えない。言ったら引かれるどころの話ではない。
あれは、本当に酷かっただろ?
返事は返ってこない。それはそうだ、ここは自分の頭の中なんだから。
そんなことを考えているうちに学校が終わる。今日はやけに時間がたつのがはやい。
友達が車に乗って帰るのを見送る。ちなみにこれまでの友達とは別だ。ややこしいから友達A、B、Cにするか。
最初に挨拶したのがA。解釈一致と言ったのがB。そして俺が見送ったのがCだ。
俺が一番特別扱いしてる友達はCだ。そして同時に、醜い感情も一番向けてしまう。
嫉妬、劣等感、恋、悲しみ。そんなおおよそ友達に向けるものではない感情。ましてや同性に。
あいつをそんな特別視してしまう理由はわかってる。
好きなタイプ、それだけだ。
俺の好きなタイプは、頼りになる奴と、俺よりメンタルが酷い奴だ。
賢い奴なら共通点がわかるだろう。
『独占欲』頼りになる奴はどこまでも俺が壊れていける。俺より酷い奴はずっと一緒にいてくれる。
そんな醜く、歪な関係が好きと言えば、キモがられるのは当然だろう。
だって、そうでもなきゃ誰がずっと一緒にいてくれるんだ。こんな奴の近くに。今の友達もいつかは去っていく。離れていく。
みんな俺を置いていってしまう。みんなは先を進んでも、俺は進めない。そんな強くないから。
それが嫌だ。俺は、きっと近いようで遠いんだ。あいつらとの距離が。最近見た小説でも言っていた。
近くに見えるものほど、本当は遠くにあるんだって。
あいつらは人気者で、明るくて、器用で、多芸で、賢い。
俺みたいな、勉強しかできない能無しとはちがう。才能にあぐらをかいて、努力もしたことのない俺とは全くちがう。
あぁ、やっぱり午後は気分が晴れないな。もう日も暮れてきている。
「誰かと、こんな夕焼けを見れるかな……」
到底叶わないことだとわかっていても、流れる涙は止まらないものだ。止めたくても止めれなくて。ただ全てを吐き出してしまいたい。
それで吐き出しているのが『俺』で、代弁するのが名前もない俺だ。
もう止めたくなかった。ここまできたら全部吐き出してしまいたい。別に誰かが困るわけでもないんだから。
俺というキャラクターに『俺』の気持ちを代弁させる。ストーリーすらないこの稚拙な文。黒歴史と言われても仕方ないだろうな。
世間一般では気持ち悪いかもしれない。でもこれが『俺』には楽だった。誰かに代弁させるのが楽だった。それだけのことだ。
よく見る病み投稿の部類に入るかもしれない。いや、入るだろうな。
まぁ、そんなことを気にしてもしょうがない。
日はすっかり沈んだ。ここからの気分は下がる一方。泣き言も増える。
ただ人前でそれを見せることはまずない。見せたらキモがられるから。経験から学んだことだ。
最近ハマったゲームがある。そのゲームはよくできたストーリーで、やってて面白かった。
色々なことがありながらも、完璧とはいえなくても、良い方向に向かうハッピーエンド。それが羨ましく感じた。
ばかみたいな話だ。ゲームに羨ましく思うなんて。理想家のばかがすることだ。
仲間に囲まれて、頼れる人がいて、すれ違いながらも最後は良い方向に向かえる。そんなストーリーが大好きで、大嫌いだ。
理想家のくせに、無理なことを理解してしまうのが苛つく。俺には仲間も頼れる人もすれ違える人もいない。
現実はフィクションとはちがう。夢物語とはちがう。あんなハッピーエンドもない。明確なバッドエンドもない。設定だってない。
きっと俺は青春とは無縁な側の人間だろう。それでいて割り切れもしない。ただ胸の奥底に希望を抱きながら、起きることのない奇跡に縋ってる。
その先、俺はどうなっているだろうか。なに良いことはあるんだろうか。
頭に落ちてきたスマホがそんな考えを遮る。
あぁ、そういえばあいつと話していない。
ネッ友と言っていいのかはわからない。相手がどう思っているかはわからないし。俺は自分勝手だから、嫌われてるかもしれない。
あいつのことを気遣ってるつもりでも。結局はなにもわかっていないんだろう。
ただ、あいつのことを信じていたい気持ちがあるだけだった。あいつと話していると、なんだか自分が幾分かまともに思える。
あいつには笑っていてほしい、例え俺を馬鹿にしていてもいいから、そう思えるほどあいつは俺の中で大事な存在だった。
いつからだろうな、疎遠に感じるようになったのは。返事を少し遅らせるようになったのは。
ああ、もう全部吐き出してもいいだろう。それで嫌われたなら泣けばいい。泣いて立ち直るのには慣れたから。
俺はあいつの思うほど弱くない。平気で嘘を付くし、泣いても次の日にはケロッとしてる。そんな奴だ。
こんなこと言うのはブーメランかもしれないな。
顔文字だけの返信や、語録の返信。そういうのが嫌いだった。人と話してる感じがしなくて。お前が本当にいるのかわからなくなって。
いつもあいつがなにを考えてるのかもわからないで、なにを伝えたいのかもわからない。
伝えたいことなんてないのかもしれないけど、きちんと言ってほしかった。ずっと。
馬鹿にするのは楽しかったし、変な話するのも楽しかった。あいつの反応を見るのが好きだった。
あの時のあいつは本当に俺にとってかけがえのない存在。太陽そのものだった。
あいつも変わったんだろう。仕方ない。そう割り切れると思ってた。
でも、割り切れなかった。俺は自分勝手だよ、本当に。怖かったんだ。お前が変わって、いなくなっていきそうで。
例え遊びでもよかった。ずっとばかみたく話したかった。昔のあいつのスクショを眺めて泣きわめく日々をおくりたくはなかった。
でも、どこまでいっても他人だから、俺にはどうにもできなくて、嫌だった。我儘で自分勝手な奴でしょ、俺って。
あー、そもそもここまで見てくれてるのかな。最初だけでやめたりして。別にそれでもいいけどさ。知らなくてもいいから。こんなこと。
別に俺は病んでるわけじゃないから。ただ何処かに吐き出して、戻ってきて欲しくないだけ。
これも病んでるって言うのかもね。だって結局病み投稿だって同じでしょ。ただ吐き出したいから吐き出す。それだけ。
もう4時だよ、はやいね。今日はオールになっちゃったよ。なんかお前と夜中話してた頃を思い出すな。
あの頃は楽しかったな。俺の人生のハイライトって感じ。もう戻れないけどね。過去はそういうものだから。
きっと俺もお前の言葉をいくつも忘れちゃってるだろうね。記憶力悪いからさ。
ごめんね、こんな奴で。嫌かもだし笑ってくれてもいいけど、お世辞なしでお前は最高の親友だったよ
それじゃ、朝だからさよなら。
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