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1 - 007n7 あいえふ

♥

352

2025年09月04日

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いつも通りだったんだ、本当に。

外はいつも通り暗くって、

皆はいつも通り次のラウンドの話をしてて、

いつも通りラウンドが始まっていく。


何もおかしな事はなかった。

なかったはずだったんだ。


007n7「ねぇ、Elliot。」

Elliot「何、007n7?ピザ屋の件なら許してないよ。」

007n7「あれは…本当にごめん。でも今回は本当に違うんだ。」

Elliot「ふぅん…それで、何?」

007n7「もしも、もしもの話だよ。」


「また息子と親友と一緒に過ごせたら、

どれだけ幸せだろうなって。」


Elliot「……それは、そうだけどさ。無理な話だよ、それは。そんな事考えてる暇があるなら、この地獄みたいな生活から抜け出す方法を探してよ。」

007n7「そうだよね、ごめん、変なこと言って。」


007n7の言葉は僕の心をみちみちと蝕んでいった。

それは寄生虫のようで、

それは気持ちの悪い感覚で、

それは呪いで、毒で、とにかく最悪な、


美しい花のようだった。

少しでもその言葉に興味を持ってしまった自分が、本当に、本当に、恨めしい。



Elliot「007n7!!キラー来てるって、ぼーっとしてないで逃げないと!!」

007n7「………」

Elliot「チッ、ああもう!!」

007n7の手首を掴んで一緒に逃げた。

とにかく走って、走って、走った。

少ししてから気がついた。


はっと後ろを振り向くと、そこには両手を広げ、

キラーを待ち構える007n7が居た。

虚ろな目をしていて、何も考えていないような。

それでいて、希望を見出したような笑顔で。


c00lkidd「パパ、逃げないの?鬼ごっこなのに!」

007n7「うん、なんか、疲れてしまったんだ。」


キラーが007n7の首を絞める。いつも通り、007n7は死んだ。

でもまぁ、大丈夫だろうと。いつも通りロビーに戻っているだろうと。

そう思い、また逃げようとしたんだ。


雷が落ちるような、鋭い音がした。

不快な音だった。発泡スチロールが擦れるような、爪で金属を引っ掻くような、そんな不快な音。

一瞬だけそんな音が聞こえた。

今まで聞いたことのないような音に、思わず振り向いた。



007n7の死体が、c00lguiのようなもので埋め尽くされてゆく。

なんだ、これは?違う、今までとは圧倒的に違う。

思わず立ち止まってそれを見てしまった。

目が離せなかった。


007n7はむくりと起き上がった。

死んだはずじゃ?どうして?

そしてはっと気がついた。007n7の額に、昔と同じような角が生えている。おかしな点は、顔の左半分がc00lguiのようなモザイクで埋め尽くされている事だ。


007n7は、笑顔だった。心から嬉しそうな、純粋な、そんな笑顔。

他のサバイバー達も、唖然としながらその光景を見ていた。


「…c00lkid、これからはもっとたくさん遊ぼう。」

「…ほんと!?もっとたくさん!?」

「ほんとだ。今まで寂しい思いさせたな。」


それはとても、優しい声だった。


ラウンドがいつも通り終わって、

外はいつも通り暗くって、

皆…ラウンドの話をしてる。

違うのは、007n7がロビーに帰ってきていない事だ。


何もおかしなことはなかった。

なかったはずだったんだよ、なかったよな?

この作品はいかがでしたか?

352

コメント

2

ユーザー

♡100ありがとうございます!正直シリアスものは伸びないかなと思ってたんですが…凄く嬉しいです!本当にありがとうございます!

ユーザー

シリアスものなので書き方を少し変えてみました!シリアスものって難しい…書いてる人尊敬するぜ…

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