テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ILoveYou
現在時刻は22時を少し過ぎたあたり
MV撮影が終わり私服に着替えて帰り支度をしていると窓から見える夜空があまりにも綺麗で俺は思わず窓を開けて見上げた
「おつかれ」
「ん、おつかれ」
「雨止んだな」
「ね、月も出てる」
そこへ同じく撮影を終えて私服に着替えた勇斗が隣へとやってきた
入りではしとしと降っていた雨がすっかり止んで、今は多少の雲がありながらも柔らかく光る月が地上を照らしている
いいなぁこういうの
濡れたアスファルトの匂いと、暑さの引いた優しい風、月の光と相まってふぅっと心を落ち着けてくれる
「なぁ仁人」
「んー?」
「月が綺麗だな」
少し震える声でそう言った勇斗の目は月なんて全く見ておらず、ただ真っ直ぐ俺を見つめていた
この目が何を伝えたいか、
さすがに俺だって分かってはいる…
もう何年もこの視線を受け続けてきたこっちの身にもなって欲しい
「手が…届かないから綺麗なんだよ」
俺は月を見上げながら言った
実際このちょうどいい関係が最善だと思う
友達より強くて、
恋人より弱い、
でも当たり前に家族だと思える存在
ちらっと隣を見るとあからさまに悲しそうに眉をひそめた勇斗がこちらを見つめていた
なにか言いたげで、でもなんて言えばいいかあぐねいているようだ
そんな姿もかっこよくて
そして可愛い、なんて思う
出会った時から優しくてかっこよくて、ずっとあたたかくて…
雲が一切無くなったのか、月の光が一層強くなって背中を押されてる気がした
俺だってずっと
「でも、…それでもって、離さないって勇斗が言うなら…」
一呼吸おいて、ゆっくりと視線を合わせるように勇人と向かい合う
「俺にとって、
月はずっと綺麗だったよ」
「 !? 」
勇人は今まで本当に気づかなかったのかな
俺がどんな気持ちでいたか、
勇人にどんな想いを抱えていたか
先程まで悲しそうに下がっていた眉が驚いたように途端につり上がり、目をまんまるにさせて口元を手で覆ってる
珍しく本当に動揺しているみたいで、耳まで真っ赤だ
あぁ、つまりは俺ちゃんと隠せてたんだな
まぁ言っちゃったけど
「………」
だいぶ長い時間沈黙が続き、どんどん恥ずかさが勝ってきた
「なんか言えよ」
ジッと勇人を見上げると、ハッとしたように意識を取り戻し、ガッと俺の両肩を掴む
「ぅわっ!」
「ぁ、ごめん、ぇ、や…えっ、いいの?」
「なにが?」
「ぁっ、その…ぉ、俺と付き合ってください!」
「ふはっ、ドストレート」
全然スマートじゃない、それでいて勇人らしい真っ直ぐな言葉に思わず笑いがこぼれた
「いいよ、
だって俺んが先だもん」
Fin.
----
「あまりにも満月過ぎない?」から妄想スタートしてなんか違うものが出来上がりましたが…
私は隠し事が上手な吉田さんが好きです!!!
でも見破られて欲しい気持ちもあります!!!
読んでくださってる方はどんなさのじんが好きですかね?癖があれば教えてください笑
↓参考
相手の告白を受け入れながらも実は自分の方が先に相手を意識していたということを伝えられるちょっと勝ち気で魅力的な表現になります。
コメント
1件
> ああ、良かった…!もう、雨上がりの匂いと月の光、そして勇斗の震える「月が綺麗だな」っていう告白…すごく良かったです…! 仁人の「手が届かないから綺麗なんだよ」っていう返しも切なくて、なのに最後の「月はずっと綺麗だったよ」で全部ひっくり返す感じ、もうドキドキが止まらなかったです。ラストの「だって俺んが先だもん」が最高にかっこよくて可愛いですね…!隠し事上手な吉田さん、素敵でした。創作お疲れさまです、素敵な夜のシーンをありがとうございました🌙
rito
11
#ysdjnt
apricot
6,660
#snjn
のりもちさん
22,255