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ジェルくん推しにはたまらないです! フォロー失礼しますッ
「よぉし!そろそろ事務所行くかな」
俺、ジェルは事務所に行く準備を済ませて玄関に立った。
今日は実写動画の収録と歌ってみたの録音。
それと遠井さんの、、
「にしても遠井ちゃん!ジェルの家って割と綺麗なんだね!」
「ね〜。もっと散らかってるのかと思ってた」
えっ?
慌てて振り向くとそこには、
「あっ!ジェル!」
「やあジェル!初めましてだなァ!このボクが魔界から来てやったぞ!」
「ぇ、…………へっ?……う、うわぁあああぁぁあぁ!!!!」
飽きるほど見てきた彼女らの姿があった。
「いや!ないないないない!と、遠井さん、たち、がっ!?」
「ジェル氏驚きすぎだよ」
「ぉお、ぅお、尾宅くッ!?ぅ、えぇ〜、?!」
「これだと誰が喋ってるか分かりづらいわね。 見やすくしよう、ほい」
遠井さん「おぉ、見やすくなった。ゆりちゃんさんきゅー」
ジェルくん「っ、はぁ?何の話?」
わ、訳が分からない。
遠井さん「そーれーよーり!!わざわざあんたの為に来てあげたんだから感謝しなさいよね!」
ジェルくん「はぁ、どういうこと」
尾宅くん「簡単に言えば俺の道具で空間を捻じ曲げて次元を移動したって感じかな」
ジェルくん「嘘やろ」
尾宅くん「ほ、ほんとだよ!!」
遠井さん「あんたって現実では割と頭固いのね」
ゆりちゃん「でもその道具の特性上この次元に長くは居られないのよね」
遠井さん「そー!だから私達に伝えたいことがあったら今のうちに伝えること!わかった?!」
ジェルくん「……はへ」
遠井さん「返事は?!」
ジェルくん「わ……わかりました(わかってない)」
遠井さん「ねージェル、喉乾いたから飲み物ちょーだい」
ジェルくん「はぁ!?」
ももちゃん「おいてめ座らせろやいつまで立たせるつもりや来客を」
ジェルくん「口悪っ!もうそんな時間ないわそろそろ出発の時間やのに」
ももちゃん「もぉー!ノリ悪いなあこっちのジェルは」
ジェルくん「うるさいわ。……そういえば源先生達はおらんの?あっちのジェルも連れてきたら良かったのに。そういや吹き出しもおらんやん」
ゆりちゃん「源先生は普通に授業してるわよ」
ジェルくん「お前らサボって来たのかよ」
サタンくん「あっちのジェルは置いてきた」
ジェルくん「ジェルも連れて来いよ」
遠井さん「吹き出し家に忘れた」
ジェルくん「教科書忘れたみたいなテンションで言うなよ」
サタンくん「やっば!ジェル先生国語の教科書忘れました」
ジェルくん「ここは学校じゃねぇよ」
尾宅くん「自分なんてボケたらいいですかね」
ジェルくん「知らねぇよ」
一同「……………………」
ジェルくん「く……ふふ…………っははははははwwwwwwwwwwwww
ようわからんけど遠井さんたちはどんな場所でも遠井さんたちなんやなぁ。
俺の想像とぴったりや」
ゆりちゃん「……そういうあんたはあっちのジェルとは似ていないわね」
ジェルくん「そう、?」
ゆりちゃん「少なくともこっちのジェルの方が常識がある」
ジェルくん「まー確かにぶっ飛んでるよなぁ……」
尾宅くん「ジェル氏に聞きたいんだけどここの世界のななもりくんたちは元気にしてるの?」
ジェルくん「なーくんたち?あぁ、5人ね」
そういえば一応すとぷりちゃんねるの方でコラボさせたことがあったな。
ジェルくん「あいつらも元気にやってるよー。個人もグループも今すっごい盛り上がっててさ」
尾宅くん「そうなんだ。よかった」
ももちゃん「尾宅くんは色んなことに気を配れて優しいな……ぬふ…………くひひひぐひ……だっっ大好きッふふふへ……」
サタンくん「そんなことより僕のイケメンさはやはりこちらの世界でも好評なのか?」
ジェルくん「あぁ。どちらかというとかっこいいよりかわいいの方が目立つけどね」
サタンくん「なんだと俺様がかわいいだと!?舐めたことを言っていると闇の力で消し飛ばs」
ジェルくん「あぁ、そういえば遠井さんたちさ」
遠井さん「何?」
ジェルくん「なんでこっちに来たん……?なんか理由があるはずでしょ?」
みんな「……あ……」
サタンくん「ふ……俺たちの世界を動かす人間を見てみたくなってな。あわよくばお前と勝負したい!この場でねじ伏せt」
遠井さん「あんた最近アンチの意見見て浮かない顔してたでしょ?」
ジェルくん「へ?」
遠井さん「気づいてないとでも思ってたの?全く。あんたがYouTubeについたアンチコメ見てそわそわしてたの画面の中から見てたんだからね」
ジェルくん「きっ……気づかれてたとは」
遠井さん「当たり前でしょ?で、居てもたってもいられなくなったわけ。感謝しなさいよね」
ジェルくん「そう、なんだ」
遠井さん「何が言いたくてここに来たかっていうとね、あんたはひとりじゃない」
ジェルくん「ひと、りじゃ……ない?」
遠井さん「そう。すとぷりめんばーもいる。あんたの家族もいる。200万人以上のりすなーもいる。それに加えてあんたの日常をいちばん、いちばん近くで見てきた私たちもついてるよ」
ジェルくん「……」
遠井さん「だから自信持って。あんたがいなきゃ私たちは生まれることすら出来なかった。そして今こうやって何千万人の人を笑顔にすることも出来なかった」
ジェルくん「っ…………」
遠井さん「否定の声も沢山ある。だけどそれを分け合って一緒に受け止めて成長しようとしている人がいることを忘れないで。……少なくとも」
遠井さんは心に溜まった熱を少し逃がすようにため息をついてだらんと垂れ下がっている俺の手を取った。
遠井さん「少なくとも私たちはあんたの味方だよ」
俺はしばらく握られている手を見つめていた。
おれはなんて小さなことで悩んでいたんだろう。
味方ならいつもいるじゃないか。
俺を肯定してくれる人たちと分け合ってゆっくり歩いていけばいい。
柔らかい何かで心が満たされていくのを感じた。
尾宅くん「……そろそろ、だな」
ももちゃん「……尾宅くんどうしたの?」
尾宅くん「……いや…………ジェル氏。事務所行かなくていいの?」
ジェルくん「へ……?う、、ううわぁぁあっっ!?!?やば、どうしよう遅刻する!!!!」
ももちゃん「そういうことだからとにかく今は急いだ方がいいよ!!」
ジェルくん「ぅ、うぅ、うん!!じゃぁまた会おうね!!」
俺はドアを勢いよく開けて
震える手で家の鍵を閉めて
全速力で走り出した。
いつもよりも視界が明るく輝いている気がした。