こんにちは。( ≧∇≦)ノです。
今回は🍆🍌です。
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🍌視点
「あれ?オニーサンどこ行くの?」
学校の裏山に佇んでいる小さな神社。
鳥居の前まで行ったところで、姿の見えない誰かに声を掛けられる。
🍌「別に」
誰だか知らないけど、あんたには関係ないでしょ。
「ここらは最近、良くない噂がたってるよ。今のうちに帰りな。」
🍌「……..。」
帰りたくない。あんな所に俺の居場所なんか無い。
「あんまり無視されると悲しいなー。」
🍌「…誰。」
コミュ力お化けってこういう人のこと言うのかな。
名乗りもせずに話しかけてくるなんて。姿も見せないし。
「俺?俺は、ぼんじゅうる。ぼんさんとでも呼んでよ。」
やけに馴れ馴れしい。嫌な感じはしないけど。
🍌「どこにいんの。」
🍆「ふふっ…」
🍆「こーこ。」
🍌「ぇッ、」
上から…..?
🍆「はは、びっくりした?」
びっくりした…..けど、それよりもぼんさんが人外だったことの方が驚いた。
紫がかった黒めの髪。サングラスを掛けていて、着ている和服の腰あたりにはナスのストラップ。そして、薄い紫と白の、ふわふわした狐の耳と9本の尻尾。宙に浮いている。
まるで九尾の狐のよう。
でも怖いとは思わない。
🍆「んー、思ったより驚かないね。」
残念そうに彼は言う。
🍆「まぁいいや。お兄さんの名前は?」
🍌「おんりー。」
🍆「おんりーチャンはなにしに来たの?」
🍆「あ、言っとくけど、この先に行くなら家に帰れる保証は無いよ」
チャン…?まぁ気にしないでおこう。
えーっと、ここに来た理由?
そんなの簡単だよ。
🍌「この世から消えたいの。」
毎日学校で虐められて、家では親に殴られて、いい成績をとる為に何時間も勉強させられる。
いっそのこと死んだ方がましだ。
🍆「ふうん?それでここに来たんだ。」
🍆「戻れなくなるけど、それでもいいならおいで。」
ぼんさんの唇が怪しげに弧を描く。
此方に差し出された手。
その手をとらない理由が無い。
🍌「行きます。」
🍆「もう、友達や親に会えないかもよ?」
友達なんか居ない。あんなのは親じゃない。
🍌「それでもいいです。」
🍆「じゃあ、行こうか。」
そして、何も気にせずあなたの隣を歩いて行く。
ずっとここに居たいな。
🍆「おんりーチャンって変わってるね。」
🍌「そんなことない。」
🍆「この状況で笑顔でいられるのおんりーチャンくらいよ!?」
🍆「いい加減、怖がったっていいでしょうよ。」
🍌「怖くないよ。」
ホラーは苦手だけど、ぼんさんは怖くない。今まであった人の中で1番優しい。
文句も言わず、変に干渉せず、ただ寄り添ってくれる。本当の優しさ。
奥まで行ったところに川が流れている。その川に架かっている橋の前まで行くと、ぼんさんは
🍆「この橋はあちらと此方の境界線。」
🍆「生まれ変わったら、今度こそ幸せに、なんてね。」
🍆「ほら、早く行きな。」
と言った。
生まれ変わったらぼんさんに会えなくなるかも。
だったら…
🍌「もういいよ。人間になれなくても。」
🍌「俺はずっとここに居る。」
ぼんさんの目が大きく見開かれる。
が、すぐにスっと細められる。
儚げに微笑んで目を合わせるぼんさん。
🍆「確かに、おんりーチャンがずっと一緒に笑っていてくれるなら、もう寂しくないな。」
🍌「ぼんさん……。」
ならずっと一緒に……
🍆「でも、鴉が鳴くからもう、帰りなよ。」
ぼん…さん……
ぐにゃっと視界が歪む。
気付いたら鳥居の前に立っていた。
🍌「ぼんさん?」
ぼんさんは、跡形もなく、消えていた。
でも確かに、彼は居たんだ。
俺の手には、彼の、ぼんさんの持っていたナスのストラップが持たされていた。
🍌「もう少し、生きてみようかな。」
もう一度、ぼんさんに会うために。
そして今度は、ちゃんとお礼を伝えるんだ。
優しさを教えてくれて、ありがとうってね。
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ここまで読んで頂きありがとうございました。
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ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
( ≧∇≦)ノでした。
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