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クロエッツェ帝国〜
🇬🇧🇫🇮uni🇯🇵🇩🇪
1940年
イギリスに捨てられ、自ら神を汚したあの日から俺の時間は止まったまま。
どれだけ別の国と握手を交わそうと、肺の奥には今も琥珀色の紅茶の香りがこびりついている。
「……日帝、まだそんな『過去』を大事に抱えてるんね?」
静寂を破ったのは、イタ王の声だった。
重苦しい会議の後の執務室。
ドイツが重い扉を閉め、内側から鍵をかける金属音が、俺の心臓を跳ねさせた。
「……貴方には関係のないこと、これは私の、外交上の……」
「いいや、関係あるさ。俺たちは『同盟』を組んだ」
俺が言う間もなく、背後からナチスに拘束された。
抗う隙も与えず、俺は冷たい執務机へと押し付けられる。
木材の冷たさが軍服越しに伝わり、逃げ場のない恐怖と、どこか期待にも似た熱が背筋を駆け抜けた。
「君の心に、まだ敵国の居場所があるなら、それを叩き壊すのが俺たちの役目」
ナチスの低い声が耳元を打つ。
露わになった赤紫の痕。
イギリスがかつて、別れ際に刻みつけた情愛の残骸。
「……っ、やめろ! 触んな……、殺すぞ……!」
「そんなに悲しい顔をしてあいつの痕を隠すなら、俺たちがもっと綺麗な色で塗りつぶしてあげるよ」
イタ王が日帝の顎を強引に掬い上げ指先でイギリスの痕をなぞった。
「ちゅ…ちゅぐッれろ…ッ」
「んむッ…ふ……ちゅッ//」
イタリアの舌が日帝の口内へも侵入し、容赦なく酸素を奪っていく。
熱に浮かされながら、俺の頭の中では、イギリスとの思い出が濁流のようにかき乱された。
教わったマナーも、言葉も、呼吸さえも、イタ王の熱っぽい吐息によって強制的に上書きされていく。
一方、ナチスは日帝のうなじに顔を埋め、イギリスの痕のすぐ隣、まだ白い無垢な肌に鋭い歯を立てた。
「歪んだ愛も、未練も……すべて俺たちが、この国の力で塗り潰してやる」
「い”ッ痛い…ッ」
後ろからの暴力的なまでの突き上げと、正面からの執拗なイタリアの愛撫。
俺は、二人の男に挟まれ、逃げ場のない快楽と苦痛の中で空を仰いだ。
……イギリスさん、見ていますか。覚えてますか。
俺はあなたに捨てられたから…
それは、届かぬ神への凄惨な復讐だった。
不意に、何かが弾けた。
「あははっ……!」
驚いたように動きを止める二人を、俺は涙の膜の張った、けれど爛々と輝く狂気の瞳で見つめ返す。
「いいですよ、 あの人が後悔して、発狂して、私を殺したくなるくらいに……!」
憧れだった神を捨て、今、自分は地獄の底で新しい王たちと踊っている。
イギリスさん…俺はまだあなたへの気持ちを捨てきれていないのです