カランカラン…
備え付けた金色のベルが鳴る。
さぁ、不思議なバーを開店しよう。
今宵のお客様がご来店だよ。
???「こ、ここどこっすか…?」
???「大丈夫!私が来たいって言った場所だから!」
とあるセカイの片隅にある街。
昔らしさもありながら、どこか新しい。
そんな不思議な場所の路地裏に、そのバーはある。
???「ここら辺に…あった!ココにきたかったんだよね〜!」
???「バー、クロスワールド…オシャレな雰囲気っすね…」
目立たないようにひっそりと。
しかし存在感のある黒い看板。
そこには【bar crossworld】と記されていた。
???「は、入って大丈夫っすか、?」
???「openになってるし大丈夫!ほら行こ!」
木で出来たドアは別世界の入り口。
さぁ、ごゆるりと。
??「…いらっしゃいませ。バー、クロスワールドへようこそ。」
????「おや、お客様かい?いらっしゃいませ♪」
扉を開けて階段を降りると、1番に目につくのは光るカウンター。
そこの向こうに立つ、黒い仮面と赤い仮面をつけたバーテンダー達。
????「お二人かな?今日は他にお客様がいらっしゃらなくてね。どうかな、カウンター席は。」
??「別に、無理をする必要はない。座りたい席に座ってくれ。」
少し無愛想なのは黒い仮面をつけたバーテンダー。
ボトルのチェックをしながらこちらを見ている。
…あの狼っぽい耳はつけ耳かな…?
????「いいじゃないか!距離を縮めるには大事だと思うよ!」
ニコニコと楽しげなのは赤い仮面をつけたバーテンダー。
手先で器用にトランプを回している。
??「…まぁ、お客様がいいなら構わん。」
???「どうせならカウンター座ろっか!」
???「そ、そうするっすか…」
????「お二人は初のご来店かな?ようこそクロスワールドへ!」
トランプ「本名は明かせないが、ぜひトランプと呼んでおくれ!」
席についてすぐ、トランプと名乗る赤いバーテンダー。
左目がダーツ板のようになっていた。
トランプ「狼、君も自己紹介したらどうだい?」
狼「…狼(オオカミ)。…そっちのお客様、俺の耳気になるみたいだが、ホンモノだからな。」
黒いバーテンダーは狼というらしい。
確かにそんな感じがするかも?
トランプ「良ければお客様のお名前も教えて貰えないかい?」
狼「トランプ、一気に距離を詰めすぎだ。ただの不審者だぞ。」
みれいちゃ「いいよいいよ〜!私は三葉躑躅…みれいって呼んで!」
ハートちゃ「は、ハート平和主義帝国っす。…綺麗なバーっすね…」
狼「…トランプ、ドリンクのパフォーマンスをするからそのシェーカーとってくれ。」
トランプ「おや珍しい。君がパフォーマンスなんて。」
狼「気分だ気分。…楽しませてやれる確証はないが、後悔はさせないと約束する。」
トランプ「狼がシェーカーパフォーマンスなんて相当レアだよ!よく見ておくといい。!
ぽいっ…
トランプが無造作に銀のシェーカーを放り投げる。
狼は相変わらずボトルを見ており後ろに視線を向けていたが、
パシッ。
チラリとシェーカーを一瞥し、片手でシェーカーをキャッチした。
二人『おぉ…』
狼「さて。始めようか。」
シェーカーを指で弾くと、その間に赤い瓶と小さな小瓶、花が入った入れ物をカウンターに置いた。
片手を狼が前に出すと、待っていたかのようにシェーカーがそこに落ちてきた。
赤い瓶の中身で綺麗な放物線を描きシェーカーに入れる。
小瓶の中身を散らし、花びらを中に入れる。
狼「ご来店への、喜びの気持ちを込めて。」
狼がシェーカーを撫でると、コマのように回り出す。
カラカラと氷の音。一体いつの間に?
狼「…さぁどうぞ。…キールだ。」
赤い薔薇が散った、ルビーのようなカクテルが現れる。
小さなさくらんぼも沈んでいた。
トランプ「ヒュ〜♪…君も粋なことをするね〜。キールはカクテル言葉からかい?」
狼「悪いか?俺の思ったことだ。」
ハートちゃ「カクテル言葉…?」
みれちゃ「なんて意味なの?」
トランプ「あなたに会えて嬉しいだよ笑…へぇ、こんなこと知ってたんだ。」
狼「ただの知識程度だよ。…俺は足りないボトル出してくる。」
狼は暗がりに消えていった。
耳がちょっと赤かったのは気のせいだろうか。
トランプ「まったく…。良いところだけ取ってしまって…。」
トランプ「私はマジックで歓迎しよう!…このコインをよく見ていておくれ、?」
どこからか出した金のコイン。王冠の模様が彫られている。
トランプ「手で包んで…1、2、3!」
バサバサバサ…!
開いた手から、真っ白な鳩が飛び出す。
そう思った瞬間、その鳩は白い薔薇の花びらになって散った。
ハートちゃ「す、っすごいっす…!」
みれいちゃ「何起きたかぜんっぜんわかんなかった…!すごいね!」
トランプ「そう言ってもらえて嬉しいよ♪さぁ、今夜はゆっくりしていっておくれ!」
狼「あまり遅い時間にはならないようにな。…女性なんだから。」
数時間がまるで数分のように、あっという間に時が流れた。
狼「…そろそろ閉店だな。もう◯◯時だ。」
トランプ「wow!もうそんな時間かい?」
みれいちゃ「めっっちゃ楽しかった!ありがとうね!」
ハート「また来たいっす…!」
飲んだカクテルはそう多い訳では無いが、
それに見合わないほどに彼らは話していた。
トランプ「さぁ、上までご案内しよう。」
狼「…足元、お気をつけて。」
ハートちゃ「ありがとうございましたっす!」
みれいちゃ「またくるね〜!」
トランプ/狼『またのご来店、/待っているよ♪/…楽しみにしている』
控えめに手を振る狼と、
綺麗なボウアンドスクレープをするトランプ。
みれいちゃ「さ、帰ろっか!」
二人が前を向き、ほんの少しバーから目を逸らした瞬間。
ハートちゃ「あ、ちょっと待って下さいっす!このバーが何処にあるのかだけ聞きたいっs、
二人『…あれ?』
今出てきたはずの木の扉は、
元から存在しなかったかのように消えていた。
ハートちゃ「きえ…ちゃったっす…」
みれいちゃ「まぁた探さなきゃ〜…まぁこの世界の何処かにはあるからいいかな。」
次は、誰がご来店するかな?
コメント
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[ノエビア]行きたいな〜 [ホム]そうやな! [七大宝石組メンバー多いから8人ずつ?っていく可能性ある]
ボム(認識阻害)「へー、凄いのだー」
ウル君かっこいいッッやっぱカルジア君惚れるわ()てか花関連入れてくれるの好き(?)