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食堂に戻ってきたハワイが三人に言った。
「来ていたのは、軍の人だった。海軍のライン特佐って知ってる? タクヤ君に会いたいって」
「ああ、ヘリできた人だ。いろいろ書類にサインさせられた。またサインかな?」
「ちがうと思う。書類なら私が預かってもよかったはずだけど、そういうことじゃないって」
「まあ、僕としては食べるものは食べたから、仕事をするのはいいけど」
「王子様、頑張って~」
「やめろよ、はずかしいだろ」
タクヤが照れて否定する。
ハワイはほがらかに笑った。
「客室に案内してある。わかるよね?」
「わかるわけないんだけど」
「扉を入って右側の小部屋。『関係者以外立ち入り禁止』って書いてあるから君は入っちゃダメよ」
「はあ?」
「はあ、じゃなくて、ボケたらちゃんとつっこんでよ、ノリが悪いなぁ」
「ごめん」
「いやいや、あやまらなくていいってことよ。なんか軍の人、難しい顔してた、頑張ってね」
「がんばってって、僕が頑張るんかい!」
タクヤの全力のつっこみに、ハワイは首を傾げた。
「そうだけど」
「ああ、そうか。今はつっこむところじゃなかったのか」
「ねえ、君、睡眠取り過ぎて、頭、まわってなくない?」
「それは否定できない……」
「おいおい、否定しろよ。もう。さあさあ、王子は王子の仕事。ユリさんは台所のお片付け。ゼン君は客間の掃除。みんな、働くよ!」