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夏(矢巾)
夏の終わりに、海へ行った。たった一人で。特に何かあった訳じゃない。ただ、海が見たかったんだ。そう、ただそれだけのつもりだった。でも、俺の目には腐った何かが映ってる。俺は海に来ただけだったのに、何故か俺の視界には、大量のうじと腐った何かがあった。俺はそれをおかしいと思わなかった。ただひたすらそれを眺めていた。
不意に、帰らなきゃと思った。帰る場所は分からなかったけど、なぜだか帰りたくなってきて、俺は反対を向いて歩き出した。
夏の日差しが照らして、視界を白く塗りつぶす。そこには誰も居ないと言っているようだった。