(注意点)
100%妄想です
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
今回は飲酒表現が中心ですが、お酒の好みや強さは全て私の勝手な妄想です
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
小柳は全力で走っていた。
今日はオフコラボの日で、集合時間は20分以上過ぎている。
今回は寝坊したわけではないのだが、待ち合わせ場所が普段行かない方面の街なので、迷子になってしまった。
少し恥ずかしいが、これ以上待たせる訳にはいかない。
小柳「ヤバいヤバいヤバい、、!」
小走りしながら伊波に電話すると、すぐに繋がった。
小柳「すまんライ!多分この辺だと思うんだけど、、、分からん!!」
伊波「うん、すごく頑張って探してるね!」
小柳「ん?近くにいるのか?」
足をピタリと止めた。
電話の奥から他2人のゲラ笑いが聞こえてくる。
絶対近くで俺のことを観察してやがるな。
周りに人が多いわけではないのに、3人の姿が見当たらない。
伊波「ロウ焦ってるねー!こんなに近くにいるのに!」
小柳「こんなに近く、、?」
じっくり待ち合わせ場所を観察していると、背後からコンコンコン!とガラスを叩く音がした。
振り返るとガラス越しに3人が爆笑していた。
そこはスタバ内の窓際席。
何か飲み終わった後のカップをヒラヒラと掲げている。
小柳「オイ!なんでだよ!!スタバ前の時計台集合って言ってきたくせに、中入ってんじゃねぇよ!」
3人は笑いながら店から出てきた。
星導「いや〜見事な慌てっぷりでしたね。」
叢雲「完全に不審者やったぞ。」
伊波「絶対に遅刻してくると思ったからさ、中で待ってたんだよね。そしたらマジで15分遅刻!」
星導「罰として5分ほど、小柳くんウォッチングしてました。」
叢雲「想像以上の慌てっぷりで草。」
小柳「あーもう最悪!ここで何するんだよ!」
実は小柳以外の3人はオフコラボ内容を知っている。あえて小柳には当日発表としていた。
というのも、先日のディティカゲーム対決で、『最下位の人は次のコラボに絶対参加』というルールで行い、小柳が4位だったからだ。
伊波「本日は!ディティカで楽しく宅飲み会ー!」
叢雲・星導「イェーーイ!」
小柳「は?!宅飲み?どこで?」
星導「小柳くんとこに決まってるじゃないですか。」
小柳「バカか!うちなんもねぇし、ベッドも1つだぞ!」
叢雲「床で雑魚寝でええやん。男の宅飲みなんてそんなもんやろ。」
伊波「この辺ね、お酒とかおつまみ買えるお店多いから、みんなで好きなの買ってこ!」
星導「俺たちお酒あんまり知らないから、小柳先生よろしくお願いしますね。」
小柳「何もかも嫌すぎるわ。帰っていいか?」
伊波「ダメー!断ったら宅飲み会場をウェン宅に変更して、ロウはビキニでドレスコードね。」
小柳「おまえら鬼だな。1杯飲んだらすぐ帰ってくれ。」
叢雲「何言うてん!泊まるに決まっとるやろ!」
星導「ほらほら諦めてお買い物いきますよ。」
星導は強引に小柳と手を繋ぐと、前後にブンブン振りながら歩き出す。
小柳はキモいと言って手を振り払うと、諦めたように大きな溜め息をついた。
ハイテンションな3人に振り回されながら、色んなお店を梯子した。
伊波「あ!乾杯ニキのお酒じゃん!ウイスキーってこれだよね!?」
叢雲「それCMで見たことあるで。」
星導「ういすき〜が、お好きでしょ〜♫」
叢雲「それやそれ!このまま飲むやつ?」
小柳「頼むから炭酸で割ってくれ!」
伊波「俺あんま炭酸好きじゃないな〜」
小柳「水でもいい!とにかくお前らは割れ!」
既にカゴにウイスキーが入れられていたので、炭酸と水も多めに入れた。
いつのまにか別の棚の前で、星導が猫の形の瓶を手に持っている。
星導「このお酒めっちゃかわいい。にゃんこボトル。」
小柳「おまえ、ワイン飲めるのか?」
星導「えー分かんない。あ、カゲツのそれもキャップ面白いね。」
叢雲「せやろ!赤い絵の具みたいなんが、キャップにドロ〜てかかっとるんよ。」
伊波「買う?はいカゴ!」
小柳はカゴを横取りした。
小柳「待て待て!ウイスキーを何本も買うな!つーか見た目で適当に選ぶな!」
もはや小学生と先生のようだった。
手に負えない。
思ってたより全然知らない。
小柳「おまえら、まず自分がどんな味が好きか考えて選べよ!」
星導「甘い系」
叢雲「甘いやつ」
伊波「甘いのがいい」
小柳「じゃあ甘いの買え!!」
というと、カゴにほろよいの缶をどんどん入れ始めた。
叢雲「違うて!今日は普段飲まんお酒に挑戦したいわけやん!」
星導「飲みやすいのとか、オススメとかあります?」
伊波「俺は美味しい日本酒が飲んでみたいな!あとウイスキーも飲んでみたい!」
小柳「はいはい、、じゃあそれっぽいの選んどくから、そっちはおつまみとか好きなもん買ってこい。」
3人は、はーい!と楽しそうにおつまみ棚へ向かった。
小柳はストンとしゃがみ込むと、本日2度目の大きな溜め息をつく。
「もうすでに疲れたわ、、」
4人は各々買い物袋を持って小柳の部屋に入った。
物はあまり無く、綺麗にしているようだった。
伊波「おじゃましまーす!」
叢雲「え!狼のくせに綺麗やん!」
星導「うわ、ウーバー頼み過ぎでしょ。」
小柳「どこ見てんだ!いいから座れ!」
小柳は机の上に買ったお酒を並べていく。
3人は目を輝かせながら拍手した。
次に紙皿と紙コップと割り箸を並べていく。
拍手は止まった。
小柳「うちそんな食器とか無いから、ついでに買った。文句言うなよ。」
星導「文句なんてないですよ。シュールだなって思って。」
おつまみ組みも負けじと並べる。
見事にしょっぱい系から甘い系まで網羅していた。
中には絶対におつまみではない物や、個人的な好物も混ざっている。
叢雲「どれからいく?」
小柳「まぁ、まずはほろよいスタートで。」
一人一人好きな味を選び、缶を手に取り掲げた。
伊波「それではみなさん!今日はちょっと大人の味を楽しみましょう!乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
缶と缶をぶつけ合う。
意外と音がしないので、星導が口頭で「カン!」効果音を出した。
ダジャレのつもりかもしれないが、誰もそれには突っ込まなかった。
少し飲んだところでおつまみを選び出す。
叢雲「ほらタコ!共食い用に買っといたで!」
星導「いつのまに、、醤油あります?」
小柳「ねぇよ、そのまま食え。」
伊波「醤油の代わりにカラムーチョと一緒に食べたら?」
タコとカラムーチョの和え物が最初のおつまみになってしまった。
食べれなくはないが、なんとも言えない味だった。
ほろよいを空にしたところで、伊波が日本酒を指差す。
伊波「あれ飲みたい!」
星導「みんなの分、注ぎますね」
紙コップに勢いよく注ぎ始めた。
小柳「入れ過ぎ入れ過ぎ!日本酒はそんなガブガブ飲むもんじゃねぇよ!」
4つの紙コップは飲み口ギリギリまで注がれていた。
星導「えー。テレビで、木の四角い器に溢れるくらい注いでたから。」
小柳「枡と一緒にすんな!」
紙コップから瓶に戻すのは難しいので、 日本酒は無理せず飲める分だけ飲むことになった。
別のお酒を飲みたくなったら、 新しい紙コップを使うということに。
叢雲「これうまい!日本酒なのにちょっとシュワシュワせん?」
伊波「する!微炭酸だけど、ほんのり甘くて飲みやすい!」
いつのまにかみんな枝豆やサラミを食べている。
小柳「このチーカマもうまいな。色んな味があるのは知らんかった。」
叢雲「これネットでググったら女性に人気の日本酒て書いてあるわ。」
伊波「あーなるほど、モテたい感じね。」
小柳「違えわ!飲みやすそうだと思っただけだろ!、、、え、星導もう他の飲んでねぇか?」
星導の持ってるコップの中には明らかに別のお酒が入っていた。
星導「なんか目の前にあったやつが美味しそうだったから。これすごい甘いんだけど何?」
小柳「いやいや日本酒のコップどこやった?」
星導「飲み終わったからこれ注いだ。」
小柳「ペースが早いわ!バカなのか!ゆっくり飲めって言ったよな?!」
星導「えー。いつも水ゴクゴク飲むから、つい普通に飲んじゃった。」
小柳「チェイサー飲んでくれ頼むから!」
小柳の隣でザラザラザラー!と何かが散乱する音がした。
机の上にも下にも柿の種が散らばっている。
小柳「おい部屋を汚すなよ!」
袋の開封に失敗した叢雲が慌てて拾い集める。
叢雲「大丈夫!まかせろ!3秒ルール!」
伊波「アハハハ!もう10秒たったよ!」
小柳「こいつらもう酔ってるやん。」
色々お酒を買ってはきたが、きっとほとんど手を付けないまま終了するだろうと小柳は確信した。
とりあえず、楽しく酔っていただいてなにより。
やたら口数の少ない星導を見ると、伊波たちのやり取りをニコニコしながら眺めていた。
こちらはこちらで楽しそうでなにより。
伊波「ねぇねぇ、ウイスキー飲んでみたいなぁ。」
叢雲「注いだるわ。炭酸か水で割るんやろ?半半やっけ?」
小柳「待て!俺が用意するからなんか食べて待ってろ!」
半々という恐ろしい言葉が聞こえたので直ちに止めた。
あの2人の顔はすでに赤くなっているので、かなり薄めに作った。
ひとくち飲むと、2人とも微妙な顔をした。
叢雲「これが大人の味かぁ。思うてたんと違うかもしれん。乾杯ニキすごいわ。」
伊波「うーん、なんか薬っぽいような、不思議な味するね。」
小柳「はっは!テンション落ち過ぎだろ!」
今日1番の大笑いで、つられて2人も笑った。
星導も笑ってるだろうと隣を見ると、完全に机に突っ伏していた。
叢雲「タコ寝よった。」
伊波「最初の脱落者は星導かー。」
小柳「そらそうだろうよ。」
ふと星導の手元を見ると、水を飲んだ形跡がない。
代わりに、コップの中身が空になっている。
チェイサーの意味を知らずに、コップの中身の事と勘違いして飲み干したのだろう。
すごく甘いと言っていたコップの中身はアイスワインだった。
度数もそれなりにある。
小柳は星導の肩を軽くゆすった。
小柳「おまえ大丈夫か?」
星導はゆっくり顔を上げた。
とても眠そうな顔をしながら、頭をゆらゆらさせている。
小柳「眠いならソファ行くか?」
星導「、、、気持ち悪い。」
誰か1人はこうなると思っていた。
小柳「立てるか?トイレは部屋出て右。」
星導は首を横に振った。
吐き気までは無いらしい。
小柳「じゃあほら水。今日はもう酒は飲むなよ。横になるか?」
星導「ここに居たい、、みんなと、一緒にいる、、」
ふにゃふにゃと話し終わるとまた机に顔を伏せた。
万が一の為に、小柳は星導の髪を後ろで一つに束ね、 ヘアゴムで縛っておいた。
その頃には寝息が聞こえ始めていた。
あの2人の方を見ると、結局ほろよいを飲んでおり、3種類のポテトチップをパーティー開けして食べていた。
小柳「散らかし過ぎだろ!床にポロポロ落としてんじゃねえ!」
伊波「あのさ、女装するなら何着るー?」
叢雲「狼はナース服似合うんちゃう?」
小柳「人の話を聞け!ナースも着ねえ!」
伊波「アハハ!めっちゃ見たい!」
完全に酔っ払いダル絡みコンビが出来上がっていた。
伊波「カゲツはチャイナ服で、星導はミニスカサンタ着たからさ、次は俺たちじゃん?」
叢雲「ダブルミニスカナースでもええよ。」
小柳「どんな地獄絵図だよ。」
2人が残した日本酒を小柳が飲んでいる。
伊波「ロウはなんでそんなにお酒知ってて強いの?」
クイッと飲み干して、別のお酒を注ぎ出す。
小柳「まぁ、両親が酒強かったから、自然と色々知ったんだろうな。」
話を聞いてるのかいないのか、 伊波はケタケタ笑いながら叢雲の頬をつついた。
伊波「見て見て!カゲツ顔真っ赤だし、さっきから全然呂律回ってないの!」
叢雲「うりゅさいなあ!まら酔ってへん!」
小柳「お手本すぎる酔っ払いだな。」
豪快に笑いながら水を渡したが、イヤイヤと飲むのを拒否した。
伊波「まじウケる!やばい涙出てきた!面白すぎ!」
どうやら笑い上戸のようだ。
人の事を言えないくらい伊波の顔も真っ赤なので、鏡を見せると、それを見てまた自分で笑っている。
そうしているうちに、叢雲は床で大の字で寝ていた。
伊波「俺たちだけになっちゃったね。星導の顔ってこうして見ると美人だなぁ。はい、ロウきゅんあーん。」
お菓子を口元に寄せてきた。
小柳「さすがにキモ過ぎる。文脈バグり過ぎだろ!」
と言いつつ、
にやりと笑うと、口元に近づけられたお菓子を齧り取った。
まさか本当にやるとは思わなくて、伊波はビックリした顔をしている。
その反応を見て、小柳は確信した。
小柳「ライ、おまえもう酔い覚めてきてんだろ。」
伊波「バレた?ちょっとこのノリ面白かったのにな。」
伊波の側にはちゃんと水を飲んだ形跡があり、途中からお酒は飲んでいなかった。
小柳「ライが酔いの果てにどうなるか興味はあったけど、正直ホッとしてる。」
伊波「十分酔えたよ。楽しかったし、今日はありがとね!」
そう言うと、机の上を片付け始めた。
おそらく小柳1人に片付けさせないよう、セーブしながら飲んでいたのだろう。
本当にありがたい。
面と向かってお礼を言われ、照れくさそうに「おう」と返しながら、一緒に片付け始める。
ひと通り綺麗になったところで、まだまだお酒もおつまみも沢山ある。
小柳「ライが大丈夫なら、二次会やるか?」
伊波「やるやる!二次会は俺セーブしないから、最後はロウよろしくね!」
小柳「普通に飲んで寝てくれ。」
2人はまったり会話しながら、美味しい酒をしばらく楽しんだ。
のちに、良い感じに酔った伊波は目を擦りながら「眠い」と言い出したので、ベッドを譲った。
3人ともスヤスヤと寝てしまったので、小柳は配信画面を開いた。
小柳「このまま終わらせねぇよ。」
ニッコニコの笑顔で配信をスタートさせ、 今日の出来事や、今の状態をリスナーに話し始めた。
リスナーは大喜び。
トレンドにも上がった。
3人が起きる前に配信は終了し、何事もなかったのように、伊波の隣で眠りについた。
翌朝、4人は時間まばらに目を覚まし、だらだらと午前を過ごしてから帰っていった。
昨日の事を配信で話したことは伝えなかった。
3人が自枠で雑談を開始すれば、ニヤニヤしたリスナーから色々聞かされ、驚くだろう。
その方が面白い。
強制的な宅飲みコラボで疲れはしたが、実際楽しくもあった。
今、3人から連絡がくるまでの時間も、結構楽しい気分だ。
今回はそれでチャラにしてやるよ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!