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#snjn
のりもちさん
9,062
舜太 side
僕から見た仁ちゃんは、いつだってカラフルやった。
笑った顔も、少し不機嫌そうな顔も。
何かを考えているときの横顔も。
何気ない仕草ひとつで、俺の一日は簡単に色づいてしまう。
けど、仁ちゃんから見た俺は、どうなんやろう。
一緒におるのが当たり前で。
隣におるのが普通で。
俺がどれだけ仁ちゃんを見ていても、仁ちゃんの瞳に俺は映ってへんのかもしれへん。
……なんて。
そんなことを考えてしまうくらい、俺は仁ちゃんのことが好きやった。
❤️「……仁ちゃん。」
💛「……なに?」
❤️「いや、なんでもない。」
💛「……変なの。」
そう言って、仁ちゃんはまた前を向いた。
ほんまは、なんでもなくなんかない。
ただ、もうちょっとだけ一緒におりたかった。
俺とおることを、少しでも特別やと思ってくれてたらええのに。
そんな願いを胸にしまって、今日も俺は仁ちゃんの隣を歩く。
いつか、この気持ちが届く日が来るんかな。
それとも、俺がちゃんと言わな、伝わらへんのかな。
そんなことを考えていた、いつもの帰り道。
仁ちゃんが、ふいに俺の手を握った。
一瞬、何が起きたんか分からへんかった。
💛「……嫌なら離すけど。」
❤️「……嫌なわけないやん。」
嬉しかった。
ほんまに、めっちゃ嬉しかった。
もしかしたら、俺だけやないんかもしれへん。
俺と同じように、仁ちゃんも、この時間を大切に思ってくれてるんかもしれへん。
そう思うだけで、いつもの帰り道が少し違って見えた。
それから、俺らは少しずつ近づいていった。
仁ちゃんが何かを言いかけては、恥ずかしそうに口を閉じること。
目が合うと、すぐに逸らしてしまうこと。
それでも、俺の手を離さずにいてくれること。
ひとつひとつが嬉しくて、期待してしまって。
でも、期待するのが怖くて。
ほんまは、俺だって不安やった。
この気持ちは、俺だけのものなんやないかって。
それでも、仁ちゃんが自分の気持ちを話してくれるまで、待っていたかった。
そして、初めてキスをした日。
仁ちゃんは真っ赤になって、まともに俺の顔を見られへんくなった。
それでも、つないだ手は離さなかった。
その手の温度が、何より嬉しかった。
次の日。
いつもの帰り道で、仁ちゃんが足を止めた。
💛「……たぶん、俺が思ってるより、ずっとお前のことが好きなんだと思う。」
……え?
一瞬、時間が止まった気がした。
ずっと聞きたかった言葉。
何度も想像した言葉。
それが今、仁ちゃんの口から伝えられた。
❤️「……めっちゃ嬉しい。」
やっと出てきた言葉は、それだけやった。
❤️「俺も好きやで、仁ちゃん。」
仁ちゃんは照れくさそうに目を逸らした。
けど、今度はちゃんと分かった。
俺の気持ちは、ひとりよがりやなかったんや。
俺が見つめていた世界に、仁ちゃんも俺を見つけてくれていたんや。
駅に着いても、俺らはなかなか手を離せへんかった。
もう少し一緒にいたい。
まだ帰りたくない。
そんな気持ちを抱えていたら、仁ちゃんが俺の袖をつかんだ。
そして、そっと唇を重ねてきた。
……仁ちゃんから?
驚いて顔を上げると、仁ちゃんは真っ赤になっていた。
❤️「……ずるいやん。」
💛「……急にしたかったから。」
その言葉に、胸がいっぱいになった。
俺ばっかり好きなんやと思ってた。
俺ばっかり、隣にいたいと思ってるんやと思ってた。
でも、違ったんやな。
俺は嬉しくて、今度は自分からキスをした。
これからは、もっと伝えていこう。
好きやって。
一緒におりたいって。
何度でも、ちゃんと言葉にして。
❤️「……なあ、仁ちゃん。」
💛「なに。」
❤️「明日も、一緒に帰ろな。」
💛「……明日だけじゃない。」
その言葉に、思わず笑ってしまった。
❤️「……ずっと?」
💛「……ずっと。」
俺は、仁ちゃんの顔を見つめた。
今、仁ちゃんの瞳には、ちゃんと俺が映っている。
ずっと透明やと思ってた。
俺から見た仁ちゃんは、あんなにも鮮やかな色であふれているのに。
仁ちゃんから見た俺には、何の色もないんやと思ってた。
けど、今は違う。
俺を見つめるその瞳に、俺が映っている。
俺の気持ちが届いて。
仁ちゃんの気持ちも届いて。
ようやく、同じ景色を見られた気がした。
テレパシーなんて、ほんまにあるんか分からへん。
言葉にせんでも伝わることもある。
けど、言葉にしたからこそ届く気持ちもある。
これから先、すれ違うこともあるかもしれへん。
それでも、そのたびに伝え合えばええ。
好きやって。
大切やって。
一緒におりたいって。
薄暮の空の下、俺らは手をつないで歩き出した。
僕から見た君は、今も変わらずカラフルで。
そして今、君の瞳にも、僕が映っている。
――テレパシーがなくたって。
二人なら、きっと大丈夫。
――完。
コメント
1件
うわあ……めっちゃ良かった……! 舜太のモノローグがもう、ひたすらに“仁ちゃん一色”でさ。自分ばっかり好きなんじゃないかって不安になりながら、それでも待ち続ける姿勢、めっちゃ刺さったわ。 最後に仁ちゃんが「明日だけじゃない」「ずっと」って言ってくれたところ、泣くかと思った。お互いの瞳にちゃんと相手が映ってるのが伝わってきて、こっちまで幸せな気持ちになった。 ちゃちゃゆさん、甘くて切なくて温かい最高の話をありがとうございます。二人のこれから、心から応援してます🔥