類司になってます。
冬司でもあります。
本編はR18です。
司の片想いとなっています。
類モブ実際にはないけど匂わせ表現があります。
終わり方はいまいちです。
キャラ崩壊ナドナド注意
ではどうぞ
司side
「初めてショーをした時からずっと…」
「類の事が好きだった。付き合ってくれないだろうか。」
『ごめんね、僕はそういった目で司くんを見た事は無いんだ。それに、女の人が恋愛対象なんだ。でも、嬉しいよ。ありがとう。』
『…ふった僕が言う言葉では無いと思うんだけど、司くんとはとてもいいチームメイトだと思っている。ワンダーランドでも司くん無しでは面白くない。』
『僕の我儘なんだけど、これからもずっとショー仲間でいてくれるかい?』
「…」
「俺はまだ類の事を好きなままかもしれない。それでもいいのか?」
『僕はきっと君の気持ちに応える事はできないそれでもいいと言うのなら、僕は構わない。司くんが僕のショーに応えてくれると言うのなら』
「…」
「あぁ、ありがとうな類‼︎」
『ところで…お弁当食べないかい?もうお昼休みが終わってしまいそうだよ?』
「そのようだな!少し次の演出を熱く語りすぎてたみたいだ。」
『それで良い案が出たのだから万々歳じゃないかい?』
「それもそうだな!」
「ただいま戻ったぞ!」
…
「今日は誰も帰ってきていないのか。」
そう呟くと、俺は自分の部屋へ急ぎ足で向かった。ずっとぐるぐるしている。昼の時間からずっと…一世一代の告白。俺は好きでたまらなかった。ずっと…ずっと類が。でも、類の恋愛対象は女の人であった。
部屋のドアを開け、電気をつけないままドアを閉めベッドへとダイブした。ベッドが衝撃で軋む音を出すと同時に俺は言葉を漏らす。
「そんなの…知っていた。」
「女の人が恋愛対象なのも。振られてしまう事も。類が困る事も。知ってるに決まってる。どれだけお前の事を見てきたと思っているんだ」
「でも抑えきれなかった。俺は屑なのやもしれん。いやきっとそうだ。」
「関係が壊れるかもしれなかった。ショー仲間だった同性が急に好きなど普通の人にとって気持ち悪いのは当たり前ではないか。」
「俺が類の好みの女の人であったら、何か変わっていたのだろうか」
「やっぱり…男同士など…いや、」
「俺に魅力が無いのを性別の所為にしてはダメだな。好きなんだ。好きなのに」
「泣くな、俺」
「ショー仲間…か。類にとって俺はただのショー仲間でしか無かったのか。ダメだ‼︎後ろ向きな考えはよせ、司!スターになるのだろう!」
「そうだ、類は俺の気持ちに応えれないと言っていたがショーに積極的なら俺を好きになってくれるやもしれん!」
「…きっとそのはずだ」
「なんか今日やけに張り切ってるわね、司。こっちまで暑苦しい。」
「たしかに!なんかじゅごんじゅごんみたいな!」
「むむ、俺はいつも通りだぞ!」
『そうなのかい、じゃあ今日はロケットでも使って空高くまで飛ばしてみようかな』
「俺に出来ないことなど無い!いいだろう‼︎」
「嘘…司、絶対奇声揚げながら怒ると思ってた」
「そんな事など一度もないだろ!そんな事よりやるぞ!」
『今日の司くんは頼もしいよ』
ふふっそうだろう。これから類に忠実にしていれば、きっと…俺の事を…
「ねぇ司最近ちゃんと食べてる?」
「普通に食べてるがどうかしたか?」
「最近身体が細くなっているような…」
『確かに昼ごはんも最近は量が少ないようだね。サプリメントを飲んでいるようだけど』
「少し減量をしていてな、でも辛くは無いから大丈夫だ!これもショーの為だ!」
「ショーに減量なんて必要なの?」
「体重が軽い方が出来る演出の幅が広がるからな!」
「最近類の無茶な演出に付き合ってるけど、大丈夫なの?」
「それは、類の演出は安全面を考慮しているのを知っているからな!」
「司くん無理してないの?司くんどよーよんって感じだよ?疲れたりしてないの?」
「無理などした事は無いぞ!」
「お兄ちゃん本当に大丈夫なの?」
「あぁ、心配をかけてごめんな咲希」
「もう無茶な減量はやめなよ!それに身体の傷も増えてる…」
「ショーの参考ついでに最近は色々な事をしているからな!スポーツや、アクロバットこれも皆ショーの為と思えば」
「そんなわけない!ショーの為ショーの為ってお兄ちゃんは言うけど、今まで体調管理や自分の身体について二の次にする事は無かったじゃない!!ショーをするなら自分の事をよく知っていないとなって…」
「なんで…そんな無茶するの」
「もう、次お兄ちゃんが体調崩しても知らないから!絶対心配しないから‼︎」
「…泣くんじゃない咲希、俺は無理などしてない」
「お兄ちゃんの嘘つき…」
「今日はもう寝るな、おやすみ」
「…おやすみ」
自分が一番分かっている。無茶をしている事。身体がついてきていない事。でも、俺は類に振り向いて欲しい。減量をするのだって、少しでも女の人の身体に近づく為。角張った腕、喉仏うっすら付いた筋肉全部気持ちが悪い。このままでは…類の恋愛対象にすらなれない。
皆んなに心配かけたい訳ではないのだがな。スター失格。でも、好きだから仕方ないんだ。類も少しは俺に興味を待ってくれたのだろうか。叶うはずのないこの恋にどう終止符を打てばいいのか分からないんだ。自分では止まる事が出来ない。でも、類が俺に強く言えない事など分かっている。類はこの関係を壊したかないのだから。
ショーが好き…なのに今やショーに縋っている。醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い何もかもが嫌になる。
…お腹空いたな、サプリメントでも飲もう
『司くん、彼女が出来たんだ。』
そう類から伝えられたのはちょうど俺が告白してから2ヶ月経った時だった。その言葉を聞いて頭がぐちゃぐちゃになった。でも、俺は振られた時のよう明るく振る舞った。これ以上困らせたくない。
折角俺よりも素敵で、魅力的な女性と出逢えたんだ。きっと俺が類の為に演出に笑顔で応えようとも、減量をしてうっすらとした身体付きになってきたとしても、本当の女の人に恋をしてしまったのだから仕方ないんだ。
「よかったな、類」
(もっと、もっと俺が魅力的にならなければ)
『ありがとう、』
『…司くんも早く恋人作りなよ』
類が正確に俺の目を見て言った言葉、目を逸らさずしっかりした口調で放った言葉。初めは理解すら出来なかった。が、次第に頭が冷え伝わってきた。
(類は、本当は疎ましかったのか)
本当は男から、いや、ショー仲間でしかない俺に好意を向けられて気持ちが悪かったが、断ろうにも断れなかっただけなのだろう。だから類は遠回しに君の気持ちに応える事は出来ないと言ってから俺への好意を認めたんだ。だが俺はその言葉の本質を理解せず類からの好意が返ってくる様に無理な減量、下心の演出を続けたというのか。
(本当は、俺の事を恋愛対象になる事など無いのに高望みをしすぎた結果だ。)
もっと、もっと俺が魅力的にならなければなどまた馬鹿な事を考えてしまった。
諦めようこの恋は…
「近いうちにダブルデートでもしようじゃ無いか!!」
『そうだね、司くん』
そう言って類は久しぶりに無邪気な笑顔を俺に見せた。
類side
司くんからの好意はとても嬉しかった。これは紛れもない本心だった。だけど僕の恋愛対象は女の人で司くんでは無かった。そう司くんにも伝えた。だが、司くんは諦めようとしなかった。あぁ、彼は恋愛事でも一途なんだと感心した。彼からの好意を僕が止める権利もない、それに僕も悪い気など全くなかった。だから、彼が僕に飽きるまでそのままでいいと思えた。
告白から、司くんは変わった。僕の少し無茶な演出にも付き合う事が増えた。そして演出の幅を広げたいからと減量、スポーツ、アクロバットなどもする様になった。少し無茶をしている。司くんの周りは気づいていた。だが、彼が何故急に無茶をする様になったのか誰も分からず止める術が無かった。なんとなく告白の件が関与していると僕はすぐ気づいた。でも、彼をどう止めれば良いのかわからなかった。僕に好意を持たせる為に無茶をしないでくれ、と言うのか、嫌いだからアピールをするなとキツく当たるか。どう転んでも、彼が僕から離れていきそうで怖かった。彼はかけがえの無い特別なワンダーステージのショー仲間であるからだ。
そう試行錯誤を続けていた時だ、彼の妹天馬咲希くんからお兄ちゃんを止めてくれと、司くんには内緒で僕達に会いにきたらしい。
「私達も、司くんに無理はさせたくないよっ!でもね、理由が分からないの、なんで司くんがあんなに無理してまで頑張る様になったのか」
「それに、私達の注意なんて聞きもしないし」
『…分かった。僕が説得してみるよ』
「‼︎…ありがとうございます。神代さん」
そして僕は嘘をついた。司くんに彼女が居ると、そして君も早く恋人作りなよと屑な事を言ってしまった。もう自分の所為で痩せ細っていく、傷を増やしていく、無理な演技をする彼を見たくなかったからだ。これでもし彼が離れて行ってしまったら。そう思うと冷汗が止まらなかった。でも彼が返した言葉はいつもと変わりない司くんが言う言葉だった。あぁきっと司くんはこんな事ではへこたれない強い人なんだと、自分に都合の良い様に僕は思った。
彼女ができた。その嘘を伝えた翌日、噂が流れたてきた。司くんに恋人が出来たという噂が、どうやら彼の首筋にキスマークが付いていたらしい。実際にはまだ見ていないのだが、彼が学校で有名なのと、彼と親しい仲である僕にその噂の有無を聞く人が多くいた為その事を知った。初めてその噂を聞いた時はそんな訳ないと思っていた。何故なら彼は僕のことを未だに好いているのだから。それに昨日僕がああ言った事がきっかけでも1日で恋人を作るなど、誠実な彼にしてはあり得ないだろう。そう思って僕を訪ねた人には蚊にでも刺されたんじゃないかい?と言った。でも、その噂の有無を聞く人が増える度に本当に彼に恋人が出来たのではないかと思い始めた。いや、司くんに限ってそんなこと。無いと信じていたかった。
やっと昼休みになり、彼に会いに行こう。そう僕は考えた。実際は噂止まり彼に恋人などいるはずがない。早足で司くんのクラスは向かう。
司くんを見つけるとすぐ彼の元へ走る。どうやら後輩の青柳くんと話している様だ。だが、それよりも彼のキスマークの方が問題だ。どうかついていないでくれ僕は不思議とそう考えた。
彼と目が合う。気まずそうな顔を見せたかと思うと彼は笑顔で類!と僕の名前を呼んだ。
『司くん、少し今日の練習について聞きたいことがあって』
咄嗟に嘘をつく。練習を餌にして、そんな事で釣ってはダメなのだろうけれど、僕達の関係ではどう言えば僕を優先してくれるか分からなかったからだ。だって僕は君に酷いことを…
そう言えば首のキスマークは?
「ん?なんだ気になる事があったか?」
そう言いながら僕に近づき身長の関係から少し上目遣いになる。シャツの隙間から見えた首筋にはしっかりと赤い印が付いていた。
『司くん、それは?』
そう無意識に声が出た。誰がつけた?僕の事は?もう興味ないのかい?色々な事を考えてしまい脳が混乱する。
「あっ、えっと…」
そう言いながら顔を赤くしていき、段々潤目になっていく、恥ずかしいのか。動揺が顔から見えてとれた。そう思うと司くんは青柳の方をチラチラと見出す。
「と、とーや//ぁ、⁉︎」
余りにも可愛い声で顔で僕以外の名前を呼ぶ司くんに怒りを何処か覚えた。
『2人はそういった関係だったのかい?』
責め立てる冷たい声が出て自分自身驚いた。
「いいえ」
「でもゆくゆくは司先輩とそうなれる事を願っています。」
理解が追いつかなくなる僕を差し置いて司くんが顔を赤くし何かを言っている。彼の声を聞くのが好きだった。ショーの最中の自信に満ち溢れた声が。打ち合わせの真剣な声が。僕と話す楽しそうな声が。時折僕だけに聞かせる少し甘えたな声が。でも今は彼の声が聞きたくなくて、脳が彼の声を拒んだ。
あぁ、もしかして好きだったのか、司くんの事が。そう思ってからはもう遅くて、冷めていく脳にどうすればいいか分からなくなった。
「類、類‼︎それで用事、今日のショーについて何か聞きたかったのだろう?」
『あ、あぁもう構わないよ。やはり寧々に聞いた方がいいなと思ってきて。会話を邪魔したね。ありがとう。』
寧々の教室に向かう足はとても重く、寂しかった。
冬弥side
最近司先輩の様子がおかしい。ただ、司先輩に俺の声は届かなくて、どんどん悪化していく一方だった。どうやったら落ち着いてくれるのか、分からなかった。最近司先輩に起きた事それは失恋だった。
司先輩とは小さい頃から一緒で、司先輩は俺をいつでも引っ張ってくれた。男同士でしか出来ない話もしたり、司先輩に救われたり、沢山の事から信頼関係があったんだと思う。とある日司先輩から好きな人が出来たんだ。と照れた笑顔で言われた。同じショーの仲間でな、と言う彼は何処か楽しそうで悲しそうでもあった。
そう話す司先輩は、最後に言った。いつか告白して振られた時は俺を慰めてくれ、と。あぁ、この人はもうこの恋を諦めているんだそう思った。でもその後司先輩からその話は聞かなくなった。
司先輩がおかしくなってから、段々と話が見えてきた。もしかして振られてしまったのか?と。ずっと側にいた人が悲しんでいるのを見ていられる程、俺は柔ではない。司先輩の為になるなら話だけでもと思って、たまたまその日俺は司先輩の部屋行った。
司先輩の家のインターホンを鳴らすと出て来ない事を異様に感じた。今日は確か、1日司先輩が1人になるから心配だ。と咲希さんが言っていた気がする。今日は練習も終わっている筈。冷や汗をかいた身体が異常さを益々感じさせる。ドアが開いている。少しだけ確認するだけ、そう思ってドアを開けて今になっては見慣れた家へ入った。
そうすると上の階から声が聞こえた、なんだ司先輩はいるのか安心した束の間、ガシャンっ”と上の階から音がした。慌てて音のした司先輩の部屋へと行く。
「司先輩っ!」
声を荒げ部屋へ入るとそこはいつもの部屋とは思えない異常さを醸し出していた。
薄暗い部屋、割れた立ち鏡、くしゃくしゃになった紙、散らばったサプリメント、泣き崩れて身体を抱く様に座っている司先輩。
異様な情景に声を無くした。少しの間の後。自分の頬を伝わる汗で正気を取り戻した。司先輩に近寄り司先輩は胸の中に収まる。どうしたんですか。大丈夫ですよ。安心して下さい。と声を掛ける。段々と落ち着いてきたのか、俺の胸の中で司先輩は子供の様にわんわんと泣いた。
泣きつかれて眠ってしまった司先輩を比較的被害が無かったベッドへ横にさせる。その間に静かに黙々と部屋を片付けていく。今気づいたが、くしゃくしゃになった紙はショーの企画案や改善点などをまとめた紙だった。
部屋を綺麗にして頭を働かせる。何があったんだ?これはきっと司先輩がやった事だろう。どうして?そんな疑問符が頭を一杯にしていく。立ちすくんでいると司先輩が目を覚ました。
「とー、や?」
「大丈夫ですか、」
司先輩に問い掛ける。そうするとぼーっとした顔をしていた司先輩が作り笑顔を浮かべ空回りの元気な声で大丈夫だっ!と言った。
そんな筈が無い。司先輩は無意識に人に頼らない様我慢する癖がある。でも、そんな事を知っておきながら司先輩にどう言えば良いのか分からなかった。ただ分からなかった。
「なんでなんですか?何があったんですか?俺には相談できない事なんですか?俺は頼り無いですか?少しくらい本音で俺を頼って見てくださいよ。」
司先輩に当たってしまった。不甲斐ない俺の所為なのに。そう後悔をしているとバチが悪い顔をして司先輩が涙を浮かべながら話し出した。
「冬弥には言っていなかったが、2ヶ月くらい前に類に告白をしたんだ。結果は分かる通り恋愛対象じゃ無いって振られたんだが、恥ずかしいんだがなまだ可能性はあるって何処か期待してたんだ。冬弥が心配してた様に俺は好かれる為に空回りをした。好かれたかった。俺も恋愛対象になるって、思ってたから。でもそれは類にとって迷惑だったみたいだ。今日、類に言われた彼女が出来たって、恋人作りなよって」
呆然と司先輩の前に立ち話を聞く。ずっとこの人は1人で頑張っていたんだ。
「初恋だったんだ。人を好きになったのも初めてでどうすれば良かったのか分からなかった。それから家に帰って部屋に入ったら急に恥ずかしかなってきたんだ。類の為に増やした企画案も改善点を書いた紙も、類の為に細くなる為に用意したサプリメントも結局は自分のエゴでしかなかった。誰もそんな事望んでなかった。なのに一人で舞い上がってショーまで台無しにして、あんなにスターに憧れていたのにそれに縋っている自分が醜くて仕方なかった。」
「鏡に映る自分が滑稽で嫌になって、物に当たってしまった。なんか全部今思うとダサいな。」
そう言って自嘲する司先輩が何処か遠くへ行ってしまいそうで、ベッドにすわる司先輩の身体を抱きしめて必死で喋った。
「司先輩は何もダサく無いです。司先輩には良いところが沢山あります。元々男同士と言うのは抵抗が強い物だと思います。でも告白してから何も言われなかったのはそれだけ司先輩が魅力的な人だったから、恋人を作ったのもただタイミングが悪かっただけ、恋人を作ってと言うのはきっと司先輩の事を心配していたからだと思います。」
「俺には、人として、スターとして、1人の男性として、司先輩程魅力的な人を知りません。俺が言うのもあれですけど、恋する司先輩はいつも楽しそうで可愛らしかったです。大丈夫。」
「ははっ、そうだな!」
いつもより幾分気迫のない声だったが何処か信頼してくれてる声にとても安心した。
「司先輩、おまじないしますね?」
「おまじなッ?」
そうびっくりする司先輩をよそに司先輩の首筋を吸う。少しして口を首筋から遠ざけると、赤くなった印を指でなぞる。
「な、なっ、何をするんだ!//」
「鏡を見たらこの印を見てください。そしたら、この跡より恥ずかしい物はないですよ。」
この跡は司先輩が鏡を見て自分を嫌にさせないように気を引くもの。そして、きっと無自覚に恋をしている神代類と言う男を後悔させる。そんな少しの腹いせを含めた。俺からできる最大限の恩師へのエールだ。
司side
あれから少し経って冬弥のつけた跡は無くなったが、鏡を見ても自信を持てるほど自分のメンタルは回復した。冬弥には心配をかけてしまった。もちろん咲希や寧々、えむ、クラスメイトも、最近は大分類とも吹っ切れ普通に話せる様になった。どちらかと言えば類の方がよそよそしいのだが。
大分経って寧々に類の彼女について聞いたら、嘘である事を知った。あれは俺を止める為のものだったのだと。尚更気を遣わせてしまったなと後悔をした。また、少し安心した自分に嫌気がさした。でも、類がそれほど嘘をつくと言う事は本当に脈は無かったと言う事。今更どうにもならんだろうと。今のままショー仲間で十分だと思えた。
ただ類のよそよそしさが日に日に増していき大分痺れを切らしてきた。理由が分からないのだから尚更。うーん普通に接してるつもりなのだが。やはりしっかり面と向かって言うべきなのだろうか。もうお前に気は無い申し訳無かった。と。
類side
首筋の跡から少し経って司くんから好意を向けられる事は無くなった。本当に他の人の恋人になってしまったのか。もう僕は良くなってしまったのか、そう思うとこの恋をどうしたら良くなるのか分からなくて司くんへの態度が日に日によそよそしかなった。彼からもう一度告白を受けたなら今度は受け入れよう。そんな馬鹿な事を思っていた。
「突然だが、もう、類の事別に好きじゃないから、迷惑かけてすまなかった。安心してくれ。」
え。と言う僕の声を風が打ち消す。屋上で一緒にご飯を食べていた時の話だった。急にぶち込まれたその言葉は僕の初恋を無様に終わらせた。
コメント
6件
凄い泣いちゃう
切ない…2人が報われる事を祈ってます。最高でした。
えぇ…!?両片思い…!?続き気になる…っ!